滑って転んで突き刺して

とえ

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第2章

28・認識の軋む音

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 風が鳴く。黒い雲が空を流れ、次第に陽の光を
途絶させる。気温が下がり、ポツポツと雨が
降ってきた。気になる程の水滴ではないが、目を
濡らされれば厄介だ。ルッソさんの帽子が
ありがたい。僕は逆手のダガーを敵に向け、
じりじりと間合いを探っていた。

 初めから武器を持ってないゴブリンが腕を使い、
猛然と駆けてくる。少し横飛びを加えた読みにくい
軌道だが、そこまで驚異とは思わない。クローケの
転移の方が、何倍も厄介だった。

 やや右から回り込むような軌道をしっかりと目で
追い、飛びかかる瞬間ダガーを軌道に置くように
構える。空中に浮いたゴブリンの身体は、刃に吸い
込まれるように綺麗に横腹を斬り裂かれる。僕は
改めてダガーの切れ味に感服した。

『後ろじゃ!』

 ダガーの声に反応し、振り返りざまに順手に持ち
かえる。視界に広がる太い枝を間一髪で避けると、
それはそのままの勢いで地面を叩いた。枝ゴブリンの
武器が土に食い込むのを確認し、右の正拳突きの如く
ダガーを突き出す。刃はゴブリンの頭蓋を貫いた。

 3匹の倒れたゴブリン。今までの戦闘に比べ、
あまりにも順調に事が運んだ。周りを見渡せば他の
隊員もそれぞれ周囲の敵を殲滅したようだった。

 これで、少しは認められる。荷運び以外にも、僕は
役に立てるんだ。……そう思っていたんだ。

 雨が強くなってきた。帽子のつばから滴る水滴
を視界に捉えながら、僕は何故かその場に立ち
尽くし、ただただその光景を見ていた。人とは違う
色の血を流し、動かないゴブリン。輝きを失った目
は今なお見開いたままだ。

 サグロさんが駆けつける。彼は僕をひと目見ると
少しギョッとした後、何故か笑い始めた。

「は、ははは、なるほど。なるほどなぁ。わかった
で、ガンドが認めたんが。今ならようわかる。
……納得や」

 僕は血の跡の残るダガーを握ったまま、サグロさん
の方を見た。後ろ髪が少し重い。服が張り付く。雨音
が高鳴った心音を塗りつぶし、ノイズにまみれたはず
のその中で、サグロさんの言葉の瞬間、全ての音が
止まった気がした。

「……お前、倫理観壊れとる・・・・・・・な」

 ……………………え?

 何を言われたのか、一瞬理解できなかった。いや、
理解を拒んだのだと思う。倫理観?僕の倫理観が、
なんだって……?

「……ええこと教えたる。いくら魔物言うてもな、
"ヒトの形"しとるモンを、素人が平然と殺せるわけ
あらへんねん」

 …………え?……えっと…………

「俺らかて、なんべん吐いたか分からへん。冗談
キツいで。お前素人ちゃうやろ」

 記憶を辿る。狼は魔物、屍人は人じゃない……
人を守るため、家畜を守るため、駆除は必要……

「家ん中入った虫でも駆除するみたいに殺るんやな、
お前は」

 ……あれ?だって、前世で見てたファンタジー世界
は、それが普通で、モンスターは倒すモノで……人は
守るもので……あ……でも、ジークさんはフォルト
さんを刺す時、悲しそうに泣いてて……僕は、屍人
も、"コレ"も、…………え?

「……よう振り切っとるな。……気に入ったで」

 僕の中で、何かがひび割れる音がした。





 ぴたぱたとつばから流れ落ちる雨粒は、簡易的な布
屋根の内で燃える焚き火を時折歪めた。今更になって
襲い来る嘔気を抑え殺し、焦点の定まらない両目は
火よりもはるか遠くにピントを合わせていた。

 村での生活を振り返れば、確かに魔物は駆除の対象
だった。生活圏を侵す害悪に対し、正当防衛として
村の人間が営みを守るため刃を振るった。でも、そこ
にどんな葛藤があるのか、考えたこともなかった。
テレビで"人里に降りたクマをハンターが撃った"、と
いうニュースを他人事として見ていた感覚。それが
普通でそれで仕方ないという、銀幕と座席の関係。
僕は、無意識に現実を第四の壁越しに見ていたんだ。

 今、画面から映写幕を経て、舞台の上から手が
伸びる。強烈に認識が書き換わっていくのを、僕の
頭は処理しきれないでいた。

 森から少し離れた所。焚き火が数箇所燃え盛り、
簡易な天幕が立ち並ぶ。勢いを増した雨はそれを
激しく叩き、バタバタと音を奏でていた。野営の準備
をする間も、僕は心ここに在らずでどこか遠くを見た
まま身体だけが必要な事をしていたと思う。

 僕の隣で干し肉をかじりながら、カイルは言った。

「デニス、暗いな。どうした?」

 なんと答えていいか分からなかった。自分の認識が
ズレていた事実を、どう言葉で説明したらいいか。
焚き火を挟んで座るルアは、横目で僕をちらりと
見るとまた視線を落として携帯食料を口に運んだ。

 僕の隣、カイルと反対側にはガンドが座っていた。
こちらを見もせず、ただ漫然と火を眺めている。4人
を照らす中央の赤は少しずつ各々の体に付いた染みを
乾かし始めていた。

「デニス君」

 ガンドが口を開く。彼は穏やかな声で続けた。

「俺が君をすんなり通した理由、わかるかい」

 分からない。馬車の中でサグロにもそう言った。
今、自分自身の理解が揺らぐ中、余計わかるわけが
無い。

「君の体は、戦い赴くにはあまりにも未発達だった。
おそらく戦闘経験もあまり無かっただろう。しかし
腰からはしっかりとした短刀を提げ、それを隠しも
しない。では、手に入れた武器を誇示したかった
のか?と言えばそうでもない。君は礼節を保ったまま
無垢な少年として俺に挨拶をした」

 何が言いたいのだろうか。現場にはまだ早い、と
言うことか。

「そこで俺が聞いた"剣術の心得があるのかい?"だ。
これは一種の試金石だった。君はなんて答えたか、
覚えているかい」

「…………"いえ、しっかりと学んだわけでは"」

 ガンドは無精髭を指でなぞり、上をむく。

「剣術の心得はないのに、礼儀正しく武器を提げ、
身体は未発達。……俺はその時点で、君にある種の
ズレを感じたんだ。戦いで生計を立てるものなら
当然体も育つ。だから武器を提げていても違和感は
ない。もし戦いが日常でない上に剣術の心得も無い
なら、武器を普段使いのように提げはしない。君が
"いいえ"を選んだ時、何か特異性を感じたんだよ」

 あの一言で、そんな事まで……?でもそれは筋が
通らない。キャラバンという安全保障を第一とする
共同体において、明らかに"異物"と見た僕を何故
すんなり引き入れた?それは懐に抜き身の刃を忍ば
せる程に、危険な行為のはずだ。

「……ズレた奴を、何故引き入れてくれたのですか?」

 異常なほどあっけらかんとした顔で、ガンドは僕を
見る。口元には軽く笑みさえ浮かべ、親指で自らの
胸を指して言った。

「……単純に、俺はマトモじゃない奴が好きなんだよ」

 ……好き?一瞬で人間の歪みを正確に見抜く人の
最終的な決定要因が、"好きだから"の一言で片付いて
しまう事に、僅かな寒気を覚えた。この人は多分、
誰よりも真っ当に、誰よりも歪んでいるのではない
だろうか。真人間の顔を振りまき、その実己の中に
狂気を飼う。これを歪みと呼ばずしてなんと呼ぶ。

 静かにもそもそと食事をとっていたルアが、僕の
困惑の顔を見かねて口を開いた。

「あのな。アタシらみたいな妙な者を平気で雇う奴
が、マトモなはずねぇんだよ」

「お?なんだ、ししょー!喧嘩か?喧嘩売ってくれ
てるのか!?それ俺も妙な奴って事になるじゃん!」

 笑顔で腕をぐるぐる回すカイルの顔に、ルアの細足
がめり込んだ。視線は僕を真っ直ぐ刺し、続ける。

「お前はまだ首の皮一枚繋がってんだ。その証拠に
ホントにぶっ壊れてるやつは、そんな事で動揺した
りしねぇんだよ。……こいつみてぇにな」

 ルアはガンドを指さした。

「酷い言われようだな。君は俺が嫌いなのかい?」

 軽く笑いながら言うガンド。今となっては、この
笑顔も薄ら寒いものを感じる。

「こんな若いあんちゃんとっ捕まえて、自分の道に
引き摺り込むんじゃねぇよ、おっさん。あんたは
手遅れかもしれねぇが、デニスは今ようやく現実が
見えただけなんだ。おっさんはさっさと食って
寝てろ。しっしっ」

 ルアはガンドに向け、手で追い払う仕草をした。

「そういう訳にもいかないよ。夜間の見張りは必要
だからね」

「こんだけ人数居るんだから交代でやりゃいいだろ」

 ガンドは立ち上がると臀を叩いて埃を落とし、

「皆は寝ていいよ。俺が夜通し張るから」

 と言った。ルアの言葉「イカれてるな」に対し
「イカしてる、だろ?」と返し、ガンドは他の隊員
の所へ様子見に行った。

「はぁ……ほんっと、やりづれぇな、あいつは……」

 肩の力の抜けたルアはあぐらをかき頬杖をした。
先程の顔面キックで転げ回っていたカイルも復活し、
新しい乾燥肉を焚き火で炙り始める。

 ルアは少し考える素振りを見せたあと、カイルに
言った。それは僕たち・・が今まで彼女に言われ
たのもあって、隠していた事の暴露だった。

「カイル。デニスの剣、喋るぞ」

「はぁ!?!?」

 ダガーも動揺している。急に妙な重みが加わった。
何を言い出すんだこの人は。あなたが黙ってろと
言ったのに。

「キレんなよ。お前が見てなんも思わなかったって
事は、お前の追ってる仇とは違う剣なんだろ。そんな
事もわかんねぇバカなのかよ」

 一瞬でも血走った彼の目は、ルアの言葉を聞いて
「それもそうか」と大人しくなった。……まるで緩急の
激しすぎる大型種の子犬でも見ているかのような気分
だった。というか、それよりも……

「仇……って?」

 僕は絞り出すように言った。聞き捨てならない言葉
だった。今の僕の考えは、少し飛躍しているとは自分
でもわかっている。でも今の会話の違和感は看過
出来なかった。

「カイル、もし言いにくい事だったら無理にとは
言いません。仇という言葉からして、軽い話でない
事も想像できます。でも、もし良ければ……」

 教えて欲しい。僕の倫理観は今崩れかけてる。それ
はまず呑み込む必要がある。呑み込んで、再度健全に
研ぎ澄ます必要がある。今は、この違和感は、ダガー
の動ける身体に対する直球のヒントなのではないか。
そう思ってしまった。"剣そのものが仇"。これは
普通に考えておかしい。なぜなら剣はダガーと同じく
自ら動けるはずがない・・・・・・・・・・のだから。

 僕の急く気持ちを察したのか、ダガーが方向を
絞って声を発した。

『落ち着けデニス。ワシの事よりまずはお前自身の
事じゃろ』

 カイルが驚きのあまり、ビクリとその場で跳んだ。
どうやらカイルも"聞こえる人"で間違いないようだ。

「ほ、ほんとに喋ってる……!頭の中で声がする!」

『ここは人の固まりの端に位置するからのう。お前達
への射線上に人を置かずに済む位置取りもできる。
じゃがカイル。あまりにちょこちょこ動くな。範囲を
外れると声は聞こえんぞい』

 ルアに続きカイルも聞こえる人間だった。カイルは
興味津々にダガーを指でつついている。……ひょっと
して、この商隊内にまだ波長の合う人がいるのだろ
うか。

『この際だから言っておくわい。驚きじゃがな、この
馬車商隊の参加者、御者と商人以外、全員ワシの声
が聞こえるはずじゃ』

 情報が多い。少し落ち着いて考えたい。ただでさえ
僕は今、頭の回転が停止とオーバーレブを繰り返して
いる状態だ。昨日の時点で護衛メンバー全員と会って
いる。その時点でダガーは波長が合う事を把握して
いたのか。夜の段階で教えてくれれば良かったのに。
それを言うと、ダガーは『すまん』と応えた。

『重量合図だけでどうにかなると思っておったの
じゃが……なかなか、そうもいかなそうじゃな』

「なぁ、剣さんよ。そんなら全員と会話を共有した
方が、連携も楽だろ」

 ルアのもっともな質問に、ダガーは言い淀む。

『少し、厄介でのう。それぞれの会話を聞いておると、
ルッソはほぼ間違いなく普段からガンドの一派じゃ。
サグロとヴィリは2人組、サグロがガンドを隊長で
なくガンドと呼んでいた事から、一派でないにしろ
関わり自体は前からあるのかもしれん」

「なんでそう思う?」

『サグロは"ガンドがなんでデニスを評価したか
分からない"と言っておった。考えてみい。全く知ら
ないヤツの評価基準なんて分からなくて当たり前
じゃ。問題はサグロの口ぶりが、まるで"普段なら
分かるのに"と取れる言い方だった事じゃ』

「全員に繋がりがあると、何か問題なのか?」

 ルアの質問に、ダガーは応えた。

『ワシの"眼"は魂を視る。昨日は気づかんかったが……
ガンド、あやつの魂は、時折酷く歪に豹変する。
なかなかお目にかかれん特徴じゃ』

「……なるほど、信用していいか分からんって事だな。
ガンドも、それと繋がるヤツらも」

 ルアがダガーの説明を端的に締めた。カイルは
いまいちよく分からなかったのか、寝っ転がって
布屋根を見詰めていた。ルアは目を閉じ、カイルの
腹に横から蹴りを入れ、言った。

「とりあえず状況はわかったぜ。ほら、次はお前だ。
カイル、話してやれ」
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