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本編
バイトのあとで(R18
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足が地につかない感じでアパートへ戻る。混み合うバスの中、指先を絡ませあったりして、気分もすっかり高まっている。
引きずるように東吾さんを僕の部屋へ連れ込んで、玄関先で熱いキスをかましてやった。
「普段えっちな雰囲気作らせてくれないくせに、外であんなに煽るなんていけない人ですね」
「だって……制服姿の君が、可愛かったし」
そんなこと思ってくれてたのか。
口の中をたっぷり掻き回すようなキスをしながら服をめくりあげて腰を撫でると、手が冷たかったからか過剰に身体を跳ねさせた。
東吾さんは紳士的な振る舞いが身についているので、僕ががっつけば防戦一方になってしまう。だから僕は自分の好きなだけ東吾さんを貪ることができる。
「っん、うう……。せーた、玄関ではさすがに……」
早く触れたくてもっと可愛い顔が見たくて、ズボンへ侵入させようとした指先を押し返される。
「少しだけ、でしょう?」
「で、でも」
「下はだめ? ならこっちですか?」
「わあっ!」
暖かそうなシャツをまくりあげて乳首に吸い付く。身長差的に少し屈むだけでベストな位置にくる。
舌でねっとりと舐め上げると、東吾さんが腰にくるような声を上げて僕の背中を抱き締めた。
この前舐めた時はくすぐったそうだったし、本人も気持ちいいかどうかわからないと言っていたのに。まさか一回で開発完了とか? ちょろすぎだろ。って、いやいや……。
「気持ちよかったです? 今の」
「凄く寒いのに、君の舌だけ熱いから、何か……」
寒そうにぶるりと身を震わせるのがなんかエロイ。玄関だもんな。寒いに決まってる。僕の部屋はただでさえすきま風が凄いし。
「あ……っ。せーた」
何度も舌で舐めあげると、その度に甘い声が上がる。寒いのもあるだろうけど、きっちり感じている気がする。外気に晒された冷たい肌に熱い舌を押しあてられて、過敏になっているのかもしれない。
密着した下半身は、お互いが昂っていることをありありと伝えてくれる。
「東吾さん、勃ってますね」
「それは、こんなことをされたら……っ。んん、だ、ダメだ」
さっきも拒否されたけど、まさか本当にダメだとでもいうのか。
「ここを触ることは、少しの範囲外なんですか?」
さすがにこれだけじゃ不満が募る。唇を尖らせると、東吾さんは宥めるように触れるだけのキスをしてきた。
そこはせめて強引に舌くらいねじこんできてくださいよ。そうしたら絡めとって離してやらないから。
「本当に、さむ……寒いんだ。君の舌が熱くて火傷をしそうだし、声を押さえられる自信がない」
さすがに玄関では、声が漏れるか。隙間風だけでなくドアも立て付けが悪いしな。我慢できずに玄関先で一戦するシチュエーションは捨てがたいと思うんだけど。
前までなら面倒だとしか思わなかったことが東吾さん相手になるとしてみたいことばかりで、驚きの連続だ。
……でも、お姫様抱っこで奥まで運ぶのは、面倒以前に厳しそう。
「じゃあ、中に入って、そこで。この前みたいに触り合うだけですから。ダメ?」
僕は東吾さんの指先を軽く摘まんで、上目遣いで首を傾げた。
ちょっとあざといかなとか、やってる自分を想像すると萎えそうになるけど、効果があるならしめたもの。
「……ダメじゃ、ない」
「良かった」
じっとりした熱を帯びた視線で見られて背筋がぞくりとした。
東吾さんが僕に興奮してくれている。それが凄く嬉しい。
摘まんだ指先をそのまま引いて部屋の中へ連れ込んだ。
布団を敷く余裕はなくて毛布だけ畳の上に広げ、その上でむつみあう。服を脱ぎきらず中途半端にしているのは、寒いからだけじゃない。脱がせる時間も惜しいから。
それでも、脱いだばかりの素肌に冬の手のひらは冷たくて、お互い悲鳴のような声を上げながらクスクスと笑ってしまう。
「ふふ……。あー……。ん、東吾さん、それ気持ちいい」
「君の指も、凄く」
僕の指先で東吾さんが甘ったるい声を出す。たまらない。最後までしたいのが本音だけど、誰にも触らせたことのない場所をこうして許してくれている。それで充分、満足できる。
喉元を舌で舐めて甘えるように頬擦りすると、東吾さんが綺麗なほうの手で優しく僕の頭を撫でてくれた。いつの間にか手も肌と同じ温度になっているし、身体も汗ばむくらい温かい。一人でシテてもこうはならないから、肌を重ね合わせるって凄いことなんだなと改めて思う。
東吾さんの手、気持ちいい。僕の手も東吾さんの先走りですっかりぬるぬるだ。
気持ちいい……けど、もう、ちょっと……。
「あの、東吾さん。腰……少し寄せて?」
「え? わっ……」
「軽く手を離して。そう」
「んんっ」
あわせて握ると大きさの差が浮き彫りになるのが少しツライけど、中々新しい感触だ。絵面もやらしいし。
何より僕のと東吾さんのが触れあってるってだけで。
「せ、せーたの硬い……」
東吾さんは興奮を煽るような台詞を吐いてくれちゃうし。
「だって凄く興奮してますから」
擦り付けるように腰を揺すりあげると、下半身がぐちりと濡れた音を立てて快感が押し寄せた。
東吾さんも気持ち良さそう。
そうか。これ、僕が気持ちいいと東吾さんも気持ちいいんだ。
挿入こそしてないけど、なんかセックスみたいだな……。
「せーた、やらしい顔してる」
「東吾さんも。……見てるだけで、イッちゃいそうです」
キスをねだると、今度は舌を差し入れてくれた。優しい動きで滑り込んできたそれを、荒々しく引き寄せて軽く噛む。気持ち良かったのか恐怖でか、東吾さんの身体が縮こまって震えた。
「ダメですよ。逃げたら」
離されそうになった身体を追いかけて、熱に熱を押し当てる。
あー……。やばいな、これ。本当に気持ちいい。
「ほら、東吾さんも一緒に握って?」
「あ、ああ……」
僕の言葉に促されるようにして、もたもたと手を動かす。このぎこちなさがたまらなく可愛い。
僕もそう慣れているわけではないけれど、それ以上に東吾さんがテンパってくれるので逆に冷静になれるというか。……冷静とは言えないな。興奮しすぎてわけわかんなくなってるだけかも。
手の輪をくぐらせるように腰を動かすと、挿れてるみたいな気分になってくる。
指先、熱い。ローションでもかけたみたいにぬるぬるしてる。お互いの手のひらの中で、擦れた先走りが泡立ってもうどちらのものかわからない。東吾さんから出た分泌液でぬめってるんだと思うと、更に興奮してくる。
「あ、せーた……っ」
東吾さんが快感を拾うように腰を揺らす。エロくて頭が煮えそう。
こんなにかっこいいのに、僕なんかに翻弄されて……。綺麗な顔を歪めて、欲しがってくれてる。
「好きです。本当、大好き。可愛い」
「あ、あ……ッ、強……ッ。んんっ」
僕のほうが先にイッちゃうかと思ったけど、フィニッシュで強く押しつけたら東吾さんも出した。
毛布に垂れる前に、近場にあったティッシュを手繰り寄せて拭う。
「はー。気持ち良かった。食後の運動、しちゃいましたね」
「食後の……運動。君、さすがにそれはムードがなさすぎるぞ」
「えっ。東吾さんの口からムードを気にする声が出るなんて」
「どういう意味だ、それは」
拗ねた感じなのが可愛くて、下からチュッとキスをする。
まあ、実際。東吾さんがムードを重視しているのはわかるんだよ。雰囲気の作り方が普通のソレとは少しズレているだけで。クリスマスの時のキャンドルライトとかな。
そして残念ながら、エッチな雰囲気に持ち込む努力はしてくれない。
「そうだ。毛布は大丈夫かな? 垂れてない?」
「多分」
手のひらは拭ったけど、太股のあたりにはまだ少しつたっている。
指先で東吾さんの白い肌に付着した液体を拭き取るように擦って、奥に触れてみた。
「っ、せーた、それはまだ……っ」
焦ったような声と顔。
怖いのかな。怖がらせたくないし、無理矢理するつもりはないけど……触りたい。
「触るだけですから」
「う、嘘。あ……はい、入って」
そう。少し、ナカを触るだけ。
肌が真っ白だから、指を埋めたソコは酷くやらしい色をしているように見える。
それを言うと、さすがに言葉責めが過ぎるか。東吾さんを泣かせてしまうかも。
優しくしたいのに、どうしてか虐めたくなるんだよなあ。嗜虐心が煽られるっていうか。
そこまで酷いことをしたいわけではないから、好きな子を苛める小学生男子みたいな心理なんだろうな。成人してるくせに情けない。
「っ……う、うう」
「ねえ。ちゃんと抵抗しないと、最後までしちゃいますよ?」
「ず、狡いぞ。君に望まれて私が拒めるはずなどないのに……」
股間に直撃した。
東吾さんてば本当、僕のこと好きすぎるだろ。
可愛くて、愛しい。僕の中の意地悪メーターが優しくしたい側に揺れ動く。
まあ、理性は逆に削がれそうになったけど。
「嘘です。今日はしませんよ」
「……しないのかい?」
安心したような表情と、期待してるとも取れるような台詞。
なんだか、僕のほうが苛められているような気分だ。
「あまり煽らないでください。必死に我慢してるんですから」
性欲に我を忘れそうになったけど、冷静になる努力をしてみれば身体の奥底から倦怠感。
バイト続きだったし、明日も朝からだし。
僕は東吾さんの広い胸に顔を埋めて、ぐりぐりと額を押しつけた。
「そのかわり、目一杯甘やかしてください。僕、お疲れです」
「うん。お疲れ様。よしよし」
よしよしって。恥ずかしい。でも癒される。
「年末は……休みとれてるんで。いいですか、その。最後まで……」
急ぎすぎかなとは自分でも思う。
でも、毎日お互いの家を行き来してさ。同棲も同然で、中途半端にエッチもしちゃってて。どう考えても長いこと我慢するのは無理。枯れてるならまだしも、性欲は人並みにあるし。
こうしてる今だって、襲いたくて仕方ないのに! でも、それ以上に、眠い!!
東吾さんの胸、心地よすぎる……。人肌たまらない。
東吾さんが恥ずかしそうに頷くのを確認したあと、嬉しさを表そうと笑って……上手く笑えたかわからないまま、気づけば夢の中だった。
ああー。やってしまった。
東吾さんを触りまくった挙げ句、本当に触るだけで終わって、自分は半ケツしたまま寝落ちるとか最悪。
「そんなに気にすることないよ。疲れていたんだし」
「でも……」
起きたら身体は綺麗になってるし、パジャマに着替えてさせてもらってあるし、布団に寝てて……東吾さんが愛しい者を見るような目で僕を見てた。現状を把握するまでは幸せな目覚めだったさ。
「せっかく泊まってくれたのに。ひとつの布団だったのに。覚えてないとか悔しい」
「ふふ。私は君の体温を堪能できて幸せだったよ?」
なんだこの人。マジ天使か。
「それより時間、大丈夫かい?」
「あっ。わ、わあ! 大丈夫じゃないです!」
身体を綺麗に拭いておいてくれた東吾さんに感謝すぎる。
僕はコートを羽織って、慌てて玄関へ向かった。
「せ、せーた!? パジャマのままだよ!?」
「コート着てマフラー巻いたら見えないし、向こうで制服着るから問題ないです」
「なら……気をつけて。頑張っておいで。待っているから」
どたばたしてはいたけど、お見送りしてくれる東吾さんの姿が嬉しくて、大学卒業したら絶対にプロポーズしようと心に誓った。
引きずるように東吾さんを僕の部屋へ連れ込んで、玄関先で熱いキスをかましてやった。
「普段えっちな雰囲気作らせてくれないくせに、外であんなに煽るなんていけない人ですね」
「だって……制服姿の君が、可愛かったし」
そんなこと思ってくれてたのか。
口の中をたっぷり掻き回すようなキスをしながら服をめくりあげて腰を撫でると、手が冷たかったからか過剰に身体を跳ねさせた。
東吾さんは紳士的な振る舞いが身についているので、僕ががっつけば防戦一方になってしまう。だから僕は自分の好きなだけ東吾さんを貪ることができる。
「っん、うう……。せーた、玄関ではさすがに……」
早く触れたくてもっと可愛い顔が見たくて、ズボンへ侵入させようとした指先を押し返される。
「少しだけ、でしょう?」
「で、でも」
「下はだめ? ならこっちですか?」
「わあっ!」
暖かそうなシャツをまくりあげて乳首に吸い付く。身長差的に少し屈むだけでベストな位置にくる。
舌でねっとりと舐め上げると、東吾さんが腰にくるような声を上げて僕の背中を抱き締めた。
この前舐めた時はくすぐったそうだったし、本人も気持ちいいかどうかわからないと言っていたのに。まさか一回で開発完了とか? ちょろすぎだろ。って、いやいや……。
「気持ちよかったです? 今の」
「凄く寒いのに、君の舌だけ熱いから、何か……」
寒そうにぶるりと身を震わせるのがなんかエロイ。玄関だもんな。寒いに決まってる。僕の部屋はただでさえすきま風が凄いし。
「あ……っ。せーた」
何度も舌で舐めあげると、その度に甘い声が上がる。寒いのもあるだろうけど、きっちり感じている気がする。外気に晒された冷たい肌に熱い舌を押しあてられて、過敏になっているのかもしれない。
密着した下半身は、お互いが昂っていることをありありと伝えてくれる。
「東吾さん、勃ってますね」
「それは、こんなことをされたら……っ。んん、だ、ダメだ」
さっきも拒否されたけど、まさか本当にダメだとでもいうのか。
「ここを触ることは、少しの範囲外なんですか?」
さすがにこれだけじゃ不満が募る。唇を尖らせると、東吾さんは宥めるように触れるだけのキスをしてきた。
そこはせめて強引に舌くらいねじこんできてくださいよ。そうしたら絡めとって離してやらないから。
「本当に、さむ……寒いんだ。君の舌が熱くて火傷をしそうだし、声を押さえられる自信がない」
さすがに玄関では、声が漏れるか。隙間風だけでなくドアも立て付けが悪いしな。我慢できずに玄関先で一戦するシチュエーションは捨てがたいと思うんだけど。
前までなら面倒だとしか思わなかったことが東吾さん相手になるとしてみたいことばかりで、驚きの連続だ。
……でも、お姫様抱っこで奥まで運ぶのは、面倒以前に厳しそう。
「じゃあ、中に入って、そこで。この前みたいに触り合うだけですから。ダメ?」
僕は東吾さんの指先を軽く摘まんで、上目遣いで首を傾げた。
ちょっとあざといかなとか、やってる自分を想像すると萎えそうになるけど、効果があるならしめたもの。
「……ダメじゃ、ない」
「良かった」
じっとりした熱を帯びた視線で見られて背筋がぞくりとした。
東吾さんが僕に興奮してくれている。それが凄く嬉しい。
摘まんだ指先をそのまま引いて部屋の中へ連れ込んだ。
布団を敷く余裕はなくて毛布だけ畳の上に広げ、その上でむつみあう。服を脱ぎきらず中途半端にしているのは、寒いからだけじゃない。脱がせる時間も惜しいから。
それでも、脱いだばかりの素肌に冬の手のひらは冷たくて、お互い悲鳴のような声を上げながらクスクスと笑ってしまう。
「ふふ……。あー……。ん、東吾さん、それ気持ちいい」
「君の指も、凄く」
僕の指先で東吾さんが甘ったるい声を出す。たまらない。最後までしたいのが本音だけど、誰にも触らせたことのない場所をこうして許してくれている。それで充分、満足できる。
喉元を舌で舐めて甘えるように頬擦りすると、東吾さんが綺麗なほうの手で優しく僕の頭を撫でてくれた。いつの間にか手も肌と同じ温度になっているし、身体も汗ばむくらい温かい。一人でシテてもこうはならないから、肌を重ね合わせるって凄いことなんだなと改めて思う。
東吾さんの手、気持ちいい。僕の手も東吾さんの先走りですっかりぬるぬるだ。
気持ちいい……けど、もう、ちょっと……。
「あの、東吾さん。腰……少し寄せて?」
「え? わっ……」
「軽く手を離して。そう」
「んんっ」
あわせて握ると大きさの差が浮き彫りになるのが少しツライけど、中々新しい感触だ。絵面もやらしいし。
何より僕のと東吾さんのが触れあってるってだけで。
「せ、せーたの硬い……」
東吾さんは興奮を煽るような台詞を吐いてくれちゃうし。
「だって凄く興奮してますから」
擦り付けるように腰を揺すりあげると、下半身がぐちりと濡れた音を立てて快感が押し寄せた。
東吾さんも気持ち良さそう。
そうか。これ、僕が気持ちいいと東吾さんも気持ちいいんだ。
挿入こそしてないけど、なんかセックスみたいだな……。
「せーた、やらしい顔してる」
「東吾さんも。……見てるだけで、イッちゃいそうです」
キスをねだると、今度は舌を差し入れてくれた。優しい動きで滑り込んできたそれを、荒々しく引き寄せて軽く噛む。気持ち良かったのか恐怖でか、東吾さんの身体が縮こまって震えた。
「ダメですよ。逃げたら」
離されそうになった身体を追いかけて、熱に熱を押し当てる。
あー……。やばいな、これ。本当に気持ちいい。
「ほら、東吾さんも一緒に握って?」
「あ、ああ……」
僕の言葉に促されるようにして、もたもたと手を動かす。このぎこちなさがたまらなく可愛い。
僕もそう慣れているわけではないけれど、それ以上に東吾さんがテンパってくれるので逆に冷静になれるというか。……冷静とは言えないな。興奮しすぎてわけわかんなくなってるだけかも。
手の輪をくぐらせるように腰を動かすと、挿れてるみたいな気分になってくる。
指先、熱い。ローションでもかけたみたいにぬるぬるしてる。お互いの手のひらの中で、擦れた先走りが泡立ってもうどちらのものかわからない。東吾さんから出た分泌液でぬめってるんだと思うと、更に興奮してくる。
「あ、せーた……っ」
東吾さんが快感を拾うように腰を揺らす。エロくて頭が煮えそう。
こんなにかっこいいのに、僕なんかに翻弄されて……。綺麗な顔を歪めて、欲しがってくれてる。
「好きです。本当、大好き。可愛い」
「あ、あ……ッ、強……ッ。んんっ」
僕のほうが先にイッちゃうかと思ったけど、フィニッシュで強く押しつけたら東吾さんも出した。
毛布に垂れる前に、近場にあったティッシュを手繰り寄せて拭う。
「はー。気持ち良かった。食後の運動、しちゃいましたね」
「食後の……運動。君、さすがにそれはムードがなさすぎるぞ」
「えっ。東吾さんの口からムードを気にする声が出るなんて」
「どういう意味だ、それは」
拗ねた感じなのが可愛くて、下からチュッとキスをする。
まあ、実際。東吾さんがムードを重視しているのはわかるんだよ。雰囲気の作り方が普通のソレとは少しズレているだけで。クリスマスの時のキャンドルライトとかな。
そして残念ながら、エッチな雰囲気に持ち込む努力はしてくれない。
「そうだ。毛布は大丈夫かな? 垂れてない?」
「多分」
手のひらは拭ったけど、太股のあたりにはまだ少しつたっている。
指先で東吾さんの白い肌に付着した液体を拭き取るように擦って、奥に触れてみた。
「っ、せーた、それはまだ……っ」
焦ったような声と顔。
怖いのかな。怖がらせたくないし、無理矢理するつもりはないけど……触りたい。
「触るだけですから」
「う、嘘。あ……はい、入って」
そう。少し、ナカを触るだけ。
肌が真っ白だから、指を埋めたソコは酷くやらしい色をしているように見える。
それを言うと、さすがに言葉責めが過ぎるか。東吾さんを泣かせてしまうかも。
優しくしたいのに、どうしてか虐めたくなるんだよなあ。嗜虐心が煽られるっていうか。
そこまで酷いことをしたいわけではないから、好きな子を苛める小学生男子みたいな心理なんだろうな。成人してるくせに情けない。
「っ……う、うう」
「ねえ。ちゃんと抵抗しないと、最後までしちゃいますよ?」
「ず、狡いぞ。君に望まれて私が拒めるはずなどないのに……」
股間に直撃した。
東吾さんてば本当、僕のこと好きすぎるだろ。
可愛くて、愛しい。僕の中の意地悪メーターが優しくしたい側に揺れ動く。
まあ、理性は逆に削がれそうになったけど。
「嘘です。今日はしませんよ」
「……しないのかい?」
安心したような表情と、期待してるとも取れるような台詞。
なんだか、僕のほうが苛められているような気分だ。
「あまり煽らないでください。必死に我慢してるんですから」
性欲に我を忘れそうになったけど、冷静になる努力をしてみれば身体の奥底から倦怠感。
バイト続きだったし、明日も朝からだし。
僕は東吾さんの広い胸に顔を埋めて、ぐりぐりと額を押しつけた。
「そのかわり、目一杯甘やかしてください。僕、お疲れです」
「うん。お疲れ様。よしよし」
よしよしって。恥ずかしい。でも癒される。
「年末は……休みとれてるんで。いいですか、その。最後まで……」
急ぎすぎかなとは自分でも思う。
でも、毎日お互いの家を行き来してさ。同棲も同然で、中途半端にエッチもしちゃってて。どう考えても長いこと我慢するのは無理。枯れてるならまだしも、性欲は人並みにあるし。
こうしてる今だって、襲いたくて仕方ないのに! でも、それ以上に、眠い!!
東吾さんの胸、心地よすぎる……。人肌たまらない。
東吾さんが恥ずかしそうに頷くのを確認したあと、嬉しさを表そうと笑って……上手く笑えたかわからないまま、気づけば夢の中だった。
ああー。やってしまった。
東吾さんを触りまくった挙げ句、本当に触るだけで終わって、自分は半ケツしたまま寝落ちるとか最悪。
「そんなに気にすることないよ。疲れていたんだし」
「でも……」
起きたら身体は綺麗になってるし、パジャマに着替えてさせてもらってあるし、布団に寝てて……東吾さんが愛しい者を見るような目で僕を見てた。現状を把握するまでは幸せな目覚めだったさ。
「せっかく泊まってくれたのに。ひとつの布団だったのに。覚えてないとか悔しい」
「ふふ。私は君の体温を堪能できて幸せだったよ?」
なんだこの人。マジ天使か。
「それより時間、大丈夫かい?」
「あっ。わ、わあ! 大丈夫じゃないです!」
身体を綺麗に拭いておいてくれた東吾さんに感謝すぎる。
僕はコートを羽織って、慌てて玄関へ向かった。
「せ、せーた!? パジャマのままだよ!?」
「コート着てマフラー巻いたら見えないし、向こうで制服着るから問題ないです」
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