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ステージ3
合コンの約束
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真山くんは俺と同じ講義を選んだらしい。就職先まで同じところにする気だろうか。というか、こいついろんな環境になじみすぎだ。
ずっと俺の傍にいるのかと思えばそうでもなく、真山くんの見た目に近い感じの男子学生と話したりしている。むしろ俺はスルーみたいな……。
べ、別に寂しいって訳じゃないぞ。俺は大学ではいつも一人だし、慣れてる。急に誰かといるほうが疲れるってもんだ。
真山くんが今一緒にいる学生はとても俺とは相成れない人種だ。正直……怖いと思ってしまう。輪の中に真山くんがいる以上、俺は用があっても話しかけることはできないと思う。俺の話題でも出しているのか、たまにちらりとこちらを見られていたたまれない気分になる。
もしかすると真山くんは俺が話しかけてくるのを待っているのかもしれないけど、絶対に無理だ。
結局、次に真山くんが話しかけてきたのは、昼休みだった。
「冬夜くーん。昼行こうぜ、昼」
数時間ぶりに聞く声にホッとする。一人なんて、慣れてるはずなのにこの安心感はなんだろう。
でもそれ以上に、周りの視線が痛い……。
はたから見れば、いじめっ子とパシリみたいな……。まあ、大学生にもなってそんなことは早々ないだろうけど。ガキかよって話だ。
だがしかし。結局は俺が奢るんだ、真山くんの昼飯。
さっきまで向こうと話していたのに昼だけは寄ってくるなんて、そのためか? と考えてしまう自分が心底嫌だ。捻くれすぎだって思う。その上……。
「昼飯代くらい渡すから、友好深めておいたら?」
とか言ってしまう始末。さすがに真山くんも呆れるよ、こんなの。
「なんだよ、それ。オレはお前と一緒に食いたいの。それとも冬夜、オレ邪魔? 一人がいい?」
「……そうでもない」
どんな答えだ、俺。これじゃまるで、嫉妬してるみたいじゃないか。それか怯えてる。真山くんが俺から離れていきそうに見えたから。
こんな、気持ち……小学生の、あの時以来だ。また一人になったらどうしようって。
だって俺はつまらない奴だから、いつ愛想を尽かされてもおかしくない。彼の主人公であることにあぐらをかいているだけ。
真山くんがいなくなれば俺は彼女探しからも解放されるし、好きなだけギャルゲーできるしで御の字なのに、なんでこんなふうに思わなきゃならないんだ。
クソッ、こいつが好きとか言ったりするからだ。調子狂う、ホントに!
「よかった。じゃ、一緒に食おう。学食案内してくれよ。まあ、案の定奢らせて悪いけど、ちゃんと返すからなっ!」
「……わかったよ」
「なんか冬夜、怒ってる? まさか寂しかった? 妬いちゃった? いや~、親友冥利につきるなあ」
「勝手に言ってろ、馬鹿! もう奢ってやらん!」
つい、大きな声を出してしまった。
あたりが一瞬静まり返って、その場にいた人がみんな俺を見た。
自意識過剰じゃない。今日は気のせいじゃない。マジで、見られてる。
当たり前だ。もう半年以上同じ講義をとっているのに出席以外で声を聞いたことがないような存在が、真山くんみたいなイケメンに怒鳴っていればそれは目立つ。
俺はいたたまれなくなって講義室を飛び出した。
最悪だ。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
「待てよ、冬夜!」
俺を追いかけてきた真山くんが、廊下で腕を掴んだ。
「からかって悪かった。嬉しかったんだ。嬉しかっただけなんだ。ごめんな」
うっ。そんな捨て犬みたいな様子でしょげるなよ。悪いのは俺なのに、先に謝るなよ!
「別に、その、俺は……」
「許してくれるか?」
「……ああ」
俺は結局、ごめんって言葉を飲み込んでしまった。
学食一番高いの奢ってやろう。こいつは鋭いから、きっとその意味に気づくだろう。
そんなことでしか気持ちを伝えられない自分が情けない。でも、俺の友情偏差値はひたすら低いんだ。それを知っているから、真山くんもあまり怒らないで下手に出てくれているのかもしれない。
それはそれで腹が立つが、今の俺にはありがたいかな。距離のはかり方が、よくわからない。
友情でこれなんだから、恋愛はもっとダメだ。そこを理解して、俺に彼女を作るっていうのも諦めてくれればいいんだけどな。
学食。俺も一度しか食べたことのないスペシャルメニューを幸せそうに食べる真山くん。
見かけない人がいてもそうは気にならない大学だけど、やっぱり真山くんは目立つらしく周りからチラチラと視線を投げかけられている。
サークルは俺が入らないなら入らない……みたいなことを言ってたな。
「そうそう、合コンの約束取り付けたから」
「はっ!?」
展開が早過ぎてついていけない。
「無謀すぎる。無理、絶対無理。異世界だ」
「うっかり異世界に迷い込んで勇者になるだなんて、ゲーム的に好きそうじゃん、お前」
というかまさに、今の君の状態じゃないかよソレ。異世界から現実へだけど、真山くんにとっては逆だろうしな。……よく考えれば、ここが現実であるという認識が真山くんにあるのが、またおかしな感じ。自分がゲームのキャラであると理解しているわけだし。
ともかく。自分が異世界だと理解できる場所に、自分から飛び込むのは俺はまっぴらだ。
「一人で行ってくればいいじゃないですか」
「お前が来なきゃ意味がねーんだよ。それに、合コンで頭あわせ、別に彼女を作りに来た訳じゃないって結構あるんだぞ。実際ホントに足りなくて困ってたみたいだし。オレたち参加費半額でいいって言うし、飯奢ってもらえるって認識程度でさあ」
そして半額だろうと、俺は真山くんの分も払うから正規料金で乗り込むことになるんだし。
それに頭あわせっていったって参加することにかわりはない。童貞の馬鹿が甘い言葉にのせられて参加したとか思われる。彼女ができると思ってるの? 家で女の子が出てくるゲームでもやってれば? そんなふうに思われる。
「……ホントに、無理、だから」
「深く考えるなよ。端っこに座ってるだけでいい。オレがフォロー入れてやるから」
じくり、と胸がおかしなふうに痛んだ。
真山くんはどうしてこんなに、必死に俺に彼女を作ろうとするんだ? それが役目だから……?
「どうしてそんなに、俺に彼女ができることにこだわるんですか? 真山くんが作ればいいのに」
「オレはお前が彼女作って、幸せに笑ってるところが見たいんだ。お前のハッピーエンドが、オレのハッピーエンド。誰だって幸せになりたいじゃないか」
「俺の幸せは、俺が自分で決めることだ。枠にあてはめてほしくない」
少し強く言うと、真山くんが困ったような顔をした。
きっと今……昨日の夜ベッドで言ったことを、後悔しているんだろうな。
俺は真山くんの望む主人公じゃない。もっと彼女を欲しがっているような奴がゲームソフトを拾ってくれれば良かったのにって思ってるかもしれない。
それはなんか、寂しいな……。
彼女を作れと言われるのには辟易するけど、俺は君に出会えたことは、その、それなりに……よかったと思っているんだから。
「悪い。でも、合コンは頼むよ。お前さあ、別に見た目なら本当に、普通に真面目に見えるだけでオタクっぽくはないし、合コン出るくらいで変だとは思われないって。社会に出ればお前みたいな奴のが好印象だぜ。気軽に遊ぶには、重いイメージかもしんねーけど」
そんな持ち上げ方をされ、俺は元々押しに弱いほうだっていうのもあって、結局合コンへ行くことをオーケーしてしまった。
なんだかんだ自分が見たことのない世界を見たいと思ってしまっているのかもしれない。面倒とも思うし、行きたくないとも思うのに不思議だ。
真山くんがいなかったら、きっと一生行こうと思うことはなかった。
「とりあえず今日は夕方からバイトの面接だな」
そして二度目の唐突トーク。真山くんはなんでいつもこんなに唐突なんだ。出会いからしてアレだったから仕方ないのか。
「でもこういうのって、電話……とか、してからが普通だろ?」
「電話した」
「え、いつ?」
「昨日」
「いつ!?」
「お前が風呂へ入ってる隙に」
素早い。しかも家の電話勝手に使ってやがる……!
俺のベッドへ潜り込む前にそんな行動をとっていたとは。家族に見られても、携帯電話焼けちゃって冬夜にお願いして借りました、ありがとうございますとかそつなく言ったんだろうな。
はあ……。まるでジェットコースターに乗っている気分だ。今は普通に進んでいる気がするからいいけど、どっかで急降下するかな、これ。
ついおとといまではギャルゲーやるくらいしかない日々を続けていたのに、なんだこのリア充っぷりは。充実してるのかどうか、イマイチ微妙だけど。
「ごちそうさま。美味しかった。オレ早くバイトして、お前に報いたいんだ。だから急だけど許してくれな?」
「いや……うん」
そうか。バイトの件に関しては真山くんの現状的には、急がないと困るんだな。
一週間って期間は真山くんが言い出したことだけど、無理だから出て行けみたいに言ったのは俺のほうだ。
社交的になりたいって訳じゃないが、当たり障りなくやっていけるならバイトは悪くない。ギャルゲーを買うお金は、あるにこしたことはないから。
真山くんが急ぎたいというなら一緒に行くほうが気も楽だ。面接とか、バイトの時とかも……俺に都合のいい空間を作り上げてくれるんだろうって気がするし。
「よかったー! 助かる。ほら、携帯とかもほしいだろ、やっぱー。バイト先、可愛い子いるといいな」
「それは別にどうでもいい」
……にしても、バイトだけでそんな、携帯に家賃に食費にと一人でまかなえるものなのか? しかも一週間じゃ明らかにどうにもならない気がする。
まあ、そのあたりはこいつの言うところの、ご都合主義展開でどうにかなるんだろう、きっと。
ずっと俺の傍にいるのかと思えばそうでもなく、真山くんの見た目に近い感じの男子学生と話したりしている。むしろ俺はスルーみたいな……。
べ、別に寂しいって訳じゃないぞ。俺は大学ではいつも一人だし、慣れてる。急に誰かといるほうが疲れるってもんだ。
真山くんが今一緒にいる学生はとても俺とは相成れない人種だ。正直……怖いと思ってしまう。輪の中に真山くんがいる以上、俺は用があっても話しかけることはできないと思う。俺の話題でも出しているのか、たまにちらりとこちらを見られていたたまれない気分になる。
もしかすると真山くんは俺が話しかけてくるのを待っているのかもしれないけど、絶対に無理だ。
結局、次に真山くんが話しかけてきたのは、昼休みだった。
「冬夜くーん。昼行こうぜ、昼」
数時間ぶりに聞く声にホッとする。一人なんて、慣れてるはずなのにこの安心感はなんだろう。
でもそれ以上に、周りの視線が痛い……。
はたから見れば、いじめっ子とパシリみたいな……。まあ、大学生にもなってそんなことは早々ないだろうけど。ガキかよって話だ。
だがしかし。結局は俺が奢るんだ、真山くんの昼飯。
さっきまで向こうと話していたのに昼だけは寄ってくるなんて、そのためか? と考えてしまう自分が心底嫌だ。捻くれすぎだって思う。その上……。
「昼飯代くらい渡すから、友好深めておいたら?」
とか言ってしまう始末。さすがに真山くんも呆れるよ、こんなの。
「なんだよ、それ。オレはお前と一緒に食いたいの。それとも冬夜、オレ邪魔? 一人がいい?」
「……そうでもない」
どんな答えだ、俺。これじゃまるで、嫉妬してるみたいじゃないか。それか怯えてる。真山くんが俺から離れていきそうに見えたから。
こんな、気持ち……小学生の、あの時以来だ。また一人になったらどうしようって。
だって俺はつまらない奴だから、いつ愛想を尽かされてもおかしくない。彼の主人公であることにあぐらをかいているだけ。
真山くんがいなくなれば俺は彼女探しからも解放されるし、好きなだけギャルゲーできるしで御の字なのに、なんでこんなふうに思わなきゃならないんだ。
クソッ、こいつが好きとか言ったりするからだ。調子狂う、ホントに!
「よかった。じゃ、一緒に食おう。学食案内してくれよ。まあ、案の定奢らせて悪いけど、ちゃんと返すからなっ!」
「……わかったよ」
「なんか冬夜、怒ってる? まさか寂しかった? 妬いちゃった? いや~、親友冥利につきるなあ」
「勝手に言ってろ、馬鹿! もう奢ってやらん!」
つい、大きな声を出してしまった。
あたりが一瞬静まり返って、その場にいた人がみんな俺を見た。
自意識過剰じゃない。今日は気のせいじゃない。マジで、見られてる。
当たり前だ。もう半年以上同じ講義をとっているのに出席以外で声を聞いたことがないような存在が、真山くんみたいなイケメンに怒鳴っていればそれは目立つ。
俺はいたたまれなくなって講義室を飛び出した。
最悪だ。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
「待てよ、冬夜!」
俺を追いかけてきた真山くんが、廊下で腕を掴んだ。
「からかって悪かった。嬉しかったんだ。嬉しかっただけなんだ。ごめんな」
うっ。そんな捨て犬みたいな様子でしょげるなよ。悪いのは俺なのに、先に謝るなよ!
「別に、その、俺は……」
「許してくれるか?」
「……ああ」
俺は結局、ごめんって言葉を飲み込んでしまった。
学食一番高いの奢ってやろう。こいつは鋭いから、きっとその意味に気づくだろう。
そんなことでしか気持ちを伝えられない自分が情けない。でも、俺の友情偏差値はひたすら低いんだ。それを知っているから、真山くんもあまり怒らないで下手に出てくれているのかもしれない。
それはそれで腹が立つが、今の俺にはありがたいかな。距離のはかり方が、よくわからない。
友情でこれなんだから、恋愛はもっとダメだ。そこを理解して、俺に彼女を作るっていうのも諦めてくれればいいんだけどな。
学食。俺も一度しか食べたことのないスペシャルメニューを幸せそうに食べる真山くん。
見かけない人がいてもそうは気にならない大学だけど、やっぱり真山くんは目立つらしく周りからチラチラと視線を投げかけられている。
サークルは俺が入らないなら入らない……みたいなことを言ってたな。
「そうそう、合コンの約束取り付けたから」
「はっ!?」
展開が早過ぎてついていけない。
「無謀すぎる。無理、絶対無理。異世界だ」
「うっかり異世界に迷い込んで勇者になるだなんて、ゲーム的に好きそうじゃん、お前」
というかまさに、今の君の状態じゃないかよソレ。異世界から現実へだけど、真山くんにとっては逆だろうしな。……よく考えれば、ここが現実であるという認識が真山くんにあるのが、またおかしな感じ。自分がゲームのキャラであると理解しているわけだし。
ともかく。自分が異世界だと理解できる場所に、自分から飛び込むのは俺はまっぴらだ。
「一人で行ってくればいいじゃないですか」
「お前が来なきゃ意味がねーんだよ。それに、合コンで頭あわせ、別に彼女を作りに来た訳じゃないって結構あるんだぞ。実際ホントに足りなくて困ってたみたいだし。オレたち参加費半額でいいって言うし、飯奢ってもらえるって認識程度でさあ」
そして半額だろうと、俺は真山くんの分も払うから正規料金で乗り込むことになるんだし。
それに頭あわせっていったって参加することにかわりはない。童貞の馬鹿が甘い言葉にのせられて参加したとか思われる。彼女ができると思ってるの? 家で女の子が出てくるゲームでもやってれば? そんなふうに思われる。
「……ホントに、無理、だから」
「深く考えるなよ。端っこに座ってるだけでいい。オレがフォロー入れてやるから」
じくり、と胸がおかしなふうに痛んだ。
真山くんはどうしてこんなに、必死に俺に彼女を作ろうとするんだ? それが役目だから……?
「どうしてそんなに、俺に彼女ができることにこだわるんですか? 真山くんが作ればいいのに」
「オレはお前が彼女作って、幸せに笑ってるところが見たいんだ。お前のハッピーエンドが、オレのハッピーエンド。誰だって幸せになりたいじゃないか」
「俺の幸せは、俺が自分で決めることだ。枠にあてはめてほしくない」
少し強く言うと、真山くんが困ったような顔をした。
きっと今……昨日の夜ベッドで言ったことを、後悔しているんだろうな。
俺は真山くんの望む主人公じゃない。もっと彼女を欲しがっているような奴がゲームソフトを拾ってくれれば良かったのにって思ってるかもしれない。
それはなんか、寂しいな……。
彼女を作れと言われるのには辟易するけど、俺は君に出会えたことは、その、それなりに……よかったと思っているんだから。
「悪い。でも、合コンは頼むよ。お前さあ、別に見た目なら本当に、普通に真面目に見えるだけでオタクっぽくはないし、合コン出るくらいで変だとは思われないって。社会に出ればお前みたいな奴のが好印象だぜ。気軽に遊ぶには、重いイメージかもしんねーけど」
そんな持ち上げ方をされ、俺は元々押しに弱いほうだっていうのもあって、結局合コンへ行くことをオーケーしてしまった。
なんだかんだ自分が見たことのない世界を見たいと思ってしまっているのかもしれない。面倒とも思うし、行きたくないとも思うのに不思議だ。
真山くんがいなかったら、きっと一生行こうと思うことはなかった。
「とりあえず今日は夕方からバイトの面接だな」
そして二度目の唐突トーク。真山くんはなんでいつもこんなに唐突なんだ。出会いからしてアレだったから仕方ないのか。
「でもこういうのって、電話……とか、してからが普通だろ?」
「電話した」
「え、いつ?」
「昨日」
「いつ!?」
「お前が風呂へ入ってる隙に」
素早い。しかも家の電話勝手に使ってやがる……!
俺のベッドへ潜り込む前にそんな行動をとっていたとは。家族に見られても、携帯電話焼けちゃって冬夜にお願いして借りました、ありがとうございますとかそつなく言ったんだろうな。
はあ……。まるでジェットコースターに乗っている気分だ。今は普通に進んでいる気がするからいいけど、どっかで急降下するかな、これ。
ついおとといまではギャルゲーやるくらいしかない日々を続けていたのに、なんだこのリア充っぷりは。充実してるのかどうか、イマイチ微妙だけど。
「ごちそうさま。美味しかった。オレ早くバイトして、お前に報いたいんだ。だから急だけど許してくれな?」
「いや……うん」
そうか。バイトの件に関しては真山くんの現状的には、急がないと困るんだな。
一週間って期間は真山くんが言い出したことだけど、無理だから出て行けみたいに言ったのは俺のほうだ。
社交的になりたいって訳じゃないが、当たり障りなくやっていけるならバイトは悪くない。ギャルゲーを買うお金は、あるにこしたことはないから。
真山くんが急ぎたいというなら一緒に行くほうが気も楽だ。面接とか、バイトの時とかも……俺に都合のいい空間を作り上げてくれるんだろうって気がするし。
「よかったー! 助かる。ほら、携帯とかもほしいだろ、やっぱー。バイト先、可愛い子いるといいな」
「それは別にどうでもいい」
……にしても、バイトだけでそんな、携帯に家賃に食費にと一人でまかなえるものなのか? しかも一週間じゃ明らかにどうにもならない気がする。
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