親友ポジション

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追加品

ホワイトデー

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 俺が生まれて初めて貰ったバレンタインチョコは、真山くんからのものだった。だから俺も、初めて返すのは真山くんにって決めていた。
 一応真美さんから貰ったチロルチョコは二人にってことらしいから返さなきゃだけど、これは明日のバイトの時でいいだろう。
 
 そして今日は、待ちに待ったホワイトデー当日。バレンタイン、もの凄く可愛いことをしてくれた真山くんに、俺も何かしようって思ってたけど結局普通に、デパートでお返しのクッキーを買っただけになってしまった。なんのひねりもない。
 これなら猫の日にした猫耳プレイのほうがまだ……。
 
 ともあれ俺は朝一番、ベッドの下から綺麗にラッピングされた包みを取りだして、真山くんに渡した。
 
「チョコ、ありがとう。これお返し」
 
 まだ暖かいベッドの中。真山くんにぎゅうっと抱きつかれた。
 
「やべー。嬉しい。貰えるってわかってても、やっぱり嬉しいな。冬夜からのお返し、本当に嬉しい」
 
 その大げさな喜びっぷりが嘘じゃないのがわかるから、俺も凄く嬉しい。真山くんがとろけるような笑顔を浮かべて笑ってる。本当に幸せそう。
 
「あげるのはともかくさあ、お返しを貰える日がくるなんて思わなかったから。まあ、こうして今お前の隣にいられること自体が奇跡なんだけどさ」
 
 そう言って、真山くんが俺の眼鏡を外してきた。深いキスがくるのかな、と思ったら凄いキスの嵐。そんな顔中にキスされたら、目も開けられないよ。
 幸せそうな君の顔を、もっと見ていたいのに。
 
「朝だけど……物だけじゃなくて、物理的にもお返ししたいな。あの日、真山くん、俺にたっぷりサービスしてくれたろ?」
「あ、あー……」
 
 真山くんがかぁっと頬を染める。でも俺に抱きついたまま、離れようとはしない。
 
「とりあえず身体全部舐めたおして、いっぱい触って……何度もイカせてあげる。君だけ」
「それお前がしたいだけだろ」
「俺、真山くんに気持ちよくなってほしいな」
 
 パジャマの隙間から素肌に手を這わせると、真山くんがびくりと身体を跳ねさせた。
 
「っ……ん」
 
 肌を撫でてるだけでこの反応。元から感じやすかったけど、最近ますます凄い。俺のせいかと思うと、たまらない。
 
「お前に触られるだけで気持ちいいから、いつも通りでいい。つか、オレがお前に触りたいし」
「だめ。今日は俺が奉仕役。お返しなんだから」
 
 上をまくりあげて、音を立てて乳首を舐める。すぐにぷくんと膨らんで、やらしい感じになった。
 
「……待った、やっぱダメ! お返しだっていうなら、オレの望むことをするのが道理だろうが!」
「まあ、そうだけど。じゃあ言ってよ。俺にできることなら頑張ってみる」
「冬夜から貰ったプレゼント、先に食べたい」
「ちょっ……ここでストップ!? 俺もう身体結構まずいのに……」
「だ、だって、せっかくお前から貰ったお返しだぞ。今日食べたい。お前とたっぷり愛し合ったら、消耗してぐったりするかもしれないし」
「ぶっつぶれるまでヤッてほしいってこと? 真山くんがそんなことを望んでたなんて」
「ち、ちげーよ! だってお前が、いっぱい奉仕するとか言うから……。普通にするだけでもオレ、感じすぎてやばいのに。お前にそんなことされたら、どうなるかわからない……しっ!?」
 
 俺は無言で真山くんを押し倒していた。
 どうしてそう可愛いことを言うんだ! オアズケされている状態でそんなことを言われて、我慢できるわけないだろ!
 
「で、できることなら頑張ってみるって言ったのに、冬夜の嘘つき!」
「それはできないことでした」
「なんでだよ、先に食いたいってだけだろ」
「味わってゆーっくり食べるくせに。その間ずっと待ってなきゃいけないとか、地獄すぎるよ……!」
 
 もう狼の尻尾と耳が生えてもおかしくないほどがっついて、いっぱいいっぱい泣かせてしまった。真山くんが俺に対して抵抗できないってわかってたのに。
 
 さすがに日付を越えるってことはなかったけど、真山くんは夕方までぐったりと寝ているはめになった。俺は隣でその顔をジッと見てた。




 
 横になっていたら俺も寝てしまったみたいで、ポリポリという音で目を覚ます。隣には、幸せそうに、本当に少しずつクッキーをかじる真山くんの姿があって……俺は。
 
「と、冬夜?」
「ごめん、真山くん……」
「待っ……オレ、今、食べてるんだぞっ……」
 
 もう何ラウンド目かもわからない侵略を開始した。
 
 
 
 
「今日中に全部食べたかったのに……」
「だから、ごめんって!」
 
 インターバルはあったけど、結局日付が変わるまでヤッてしまったという話。
 でも、拗ねながらもやっぱりどこか幸せそうにする真山くんに、心がほっこりした。
 身体で3倍返しとか、2次元の世界だけだと思っていたから、まさか現実で俺がやることになろうとは。

 反省の色もなくそんなことを考えながら、拗ねる真山くんの顔をニヤニヤと見続けた。
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