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その後の話
優しさと膝枕の内訳
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「膝枕してくれないか」
支倉がやたら神妙な顔で、そんなことを言い出した。
俺は飲んでたコーラを噴き出してむせた。
「な、何言ってんだ、急に」
「俺もたまには、隆弘に甘やかしてほしい……」
「いつも甘やかしてやってんだろ。エッチの時とか特に」
「お言葉ですが、隆弘くんが一番鬼畜なのはまさにその時です」
心外な。あんなに悦んでるくせに……。
でもまあ、外は雨。今は秋。なんとなく人恋しく物悲しくなってるのかなと。
俺はボッチでいてもあまり気にはならないタチだが、やっぱり秋と、イベントごとの時だけはちょっと寂しくなったりもしたもんな。世の中の恋人たちがみんな爆発すればいいのにと思っていた。
そんな状況に比べれば予想外にも恋人が男とはいえ、今はとても恵まれている訳で、こいつと付き合い始めてから俺は人恋しくなったりすることはあまりない。
支倉は常に人に囲まれている男だから、俺が傍にいてもそういう気分になるのかもしれない。俺の愛が多少ひねくれているせいもあるだろう。
虐めてそれでも縋ってくる姿が好きな俺だが、恋人に甘えられるのだって、そう悪い気はしない。
俺はベッドへ行って正座をすると、手で支倉を呼んだ。
「いいぜ。甘やかしてやるよ」
「な、なんでわざわざベッドへ移動するんだ」
支倉が身構える。俺はそんなに信用がないのか。
だとしたって、別にそういうことになだれ込んだっていいじゃないか。恋人同士なんだから。
「こっちのほうが、足が痛くならないんだよ」
「ああ……」
支倉は、俺を疑うような発言をしたのをちょっと申し訳なく思ったのか、素直にベッドへ上ってきた。
そして頬を少し染めながら、おずおずと俺の膝に頭を乗せてくる。
「可愛いな」
色素の薄い柔らかい髪を撫でていると、俺のほうも凄く幸せな気分になる。甘えさせているようで、俺のほうが甘えてる。そんな感覚。
「もっと撫でてくれ」
気持ちよさそうに目を細める支倉が本当に可愛くて、俺は髪を撫でながら胸のあたりにそっと手を伸ばした。
「んんっ……そっちはいい」
「好きなくせに」
「みょ、妙な気分になるから」
「服の上からやさしーく撫でてるだけだろ」
「お前の撫で方はやらしい」
失礼な。お前だってさっきから、俺の膝を撫で回してるくせによく言うぜ。
「……幸せだ」
「そうか」
身体を屈めて、額にちゅっとキスをする。
「ど、どうした、隆弘」
「お前が言ったんだろ、甘やかしてほしいって」
「本当にされると、調子が狂う」
「なんだ。やっぱり虐められるほうが……」
「いや、凄く嬉しい! でも、できたら唇がいい」
「贅沢な奴め」
俺は支倉の望み通り、唇にキスをした。
たまにはこんな甘いだけの雰囲気も、悪くはないな。
だが、唇にキスをしたら、もう終わりだぞ。だから額にしといてやったのに、馬鹿だな。まあ、そこが可愛くていいんだが。
「ッ……、んんっ……!? な、なんだ、この手はっ」
「甘やかしタイム終了」
「まだ早い!」
「大丈夫だ。今日はベッドの中でも、たっぷり、優しくしてやるから……な」
「お前の優しくは絶対違う……」
そんなことを言いながらも、膝枕をしてやったことである程度満足はしたのか、それとも支倉もたまらなくなってきていたのか、さほど抵抗はせずに俺の背に手を回した。
今日はさ、本当に優しくしてやるよ。そんで、終わった今度は腕枕してやる。
膝に乗ったこいつのお綺麗な顔を見てムラムラッときたせいで、たいして膝枕をしてやれなかったことを少しだけ反省していなくもない。
けれど結局ベッドでは支倉が可愛すぎて虐め倒してしまう俺なのだった。
支倉がやたら神妙な顔で、そんなことを言い出した。
俺は飲んでたコーラを噴き出してむせた。
「な、何言ってんだ、急に」
「俺もたまには、隆弘に甘やかしてほしい……」
「いつも甘やかしてやってんだろ。エッチの時とか特に」
「お言葉ですが、隆弘くんが一番鬼畜なのはまさにその時です」
心外な。あんなに悦んでるくせに……。
でもまあ、外は雨。今は秋。なんとなく人恋しく物悲しくなってるのかなと。
俺はボッチでいてもあまり気にはならないタチだが、やっぱり秋と、イベントごとの時だけはちょっと寂しくなったりもしたもんな。世の中の恋人たちがみんな爆発すればいいのにと思っていた。
そんな状況に比べれば予想外にも恋人が男とはいえ、今はとても恵まれている訳で、こいつと付き合い始めてから俺は人恋しくなったりすることはあまりない。
支倉は常に人に囲まれている男だから、俺が傍にいてもそういう気分になるのかもしれない。俺の愛が多少ひねくれているせいもあるだろう。
虐めてそれでも縋ってくる姿が好きな俺だが、恋人に甘えられるのだって、そう悪い気はしない。
俺はベッドへ行って正座をすると、手で支倉を呼んだ。
「いいぜ。甘やかしてやるよ」
「な、なんでわざわざベッドへ移動するんだ」
支倉が身構える。俺はそんなに信用がないのか。
だとしたって、別にそういうことになだれ込んだっていいじゃないか。恋人同士なんだから。
「こっちのほうが、足が痛くならないんだよ」
「ああ……」
支倉は、俺を疑うような発言をしたのをちょっと申し訳なく思ったのか、素直にベッドへ上ってきた。
そして頬を少し染めながら、おずおずと俺の膝に頭を乗せてくる。
「可愛いな」
色素の薄い柔らかい髪を撫でていると、俺のほうも凄く幸せな気分になる。甘えさせているようで、俺のほうが甘えてる。そんな感覚。
「もっと撫でてくれ」
気持ちよさそうに目を細める支倉が本当に可愛くて、俺は髪を撫でながら胸のあたりにそっと手を伸ばした。
「んんっ……そっちはいい」
「好きなくせに」
「みょ、妙な気分になるから」
「服の上からやさしーく撫でてるだけだろ」
「お前の撫で方はやらしい」
失礼な。お前だってさっきから、俺の膝を撫で回してるくせによく言うぜ。
「……幸せだ」
「そうか」
身体を屈めて、額にちゅっとキスをする。
「ど、どうした、隆弘」
「お前が言ったんだろ、甘やかしてほしいって」
「本当にされると、調子が狂う」
「なんだ。やっぱり虐められるほうが……」
「いや、凄く嬉しい! でも、できたら唇がいい」
「贅沢な奴め」
俺は支倉の望み通り、唇にキスをした。
たまにはこんな甘いだけの雰囲気も、悪くはないな。
だが、唇にキスをしたら、もう終わりだぞ。だから額にしといてやったのに、馬鹿だな。まあ、そこが可愛くていいんだが。
「ッ……、んんっ……!? な、なんだ、この手はっ」
「甘やかしタイム終了」
「まだ早い!」
「大丈夫だ。今日はベッドの中でも、たっぷり、優しくしてやるから……な」
「お前の優しくは絶対違う……」
そんなことを言いながらも、膝枕をしてやったことである程度満足はしたのか、それとも支倉もたまらなくなってきていたのか、さほど抵抗はせずに俺の背に手を回した。
今日はさ、本当に優しくしてやるよ。そんで、終わった今度は腕枕してやる。
膝に乗ったこいつのお綺麗な顔を見てムラムラッときたせいで、たいして膝枕をしてやれなかったことを少しだけ反省していなくもない。
けれど結局ベッドでは支倉が可愛すぎて虐め倒してしまう俺なのだった。
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