14 / 77
3rd stage
手を出されないほど女の魅力がない
しおりを挟む
3rd stage
ほぼ完徹したせいで翌朝はちゃんと起きられず、昨日と同じ様にまた、慌ただしくバイトに出かけなきゃいけなくなった。
栞里ちゃんはまだ眠ってる、、、
って、どんだけ寝相悪いんだ!
昨夜は暑くて寝苦しかったとしても、せっかくかけてやったタオルケットは、ベッドの隅にグシャグシャに押しやられてて、Tシャツは胸の近くまではだけ、おへそもパンツも丸出しになってる。
まったく、色気もなにもない姿だが、爽やかな朝の光で見る美少女はまた格別で、ハリのある肌はツヤツヤと日差しを反射し、丸みを帯びた部分が白く輝いてる。
うつ伏せになったお尻はパンツがずれてて、生地が股に食い込んでて、、、
って。
朝からこんなの、目の毒じゃ~~~!
ベッドの方を見ない様に急いで準備をし、栞里ちゃんが起きた時のために、パンと紅茶をテーブルに用意しておく。
『バイトに行ってきます。夜は友達と会って遅くなるので、夕食は宅配をとるか、近所のコンビニでお弁当を買って食べて』と書いたメモとお金を、彼女の目につきそうな所に置いて、ぼくはバタバタと外出した。
今日は早番なので4時でバイトは終わり、その後ヨシキとコスプレイヤーの美咲麗奈さんと合流する事にしてる。
カラオケとかゲーセンで遊ぶだろうから、帰りは夜になるだろう。
それまで栞里ちゃんは家にいるだろうか?
『いてほしい』と、ぼくは願ってた。
だから、こんな書き置きをしたのかもしれない。
二日続きの遅刻で、森岡支配人の機嫌は、昨日よりいっそう悪くなってた。
しかも今日も、仕事が終わったら速攻で帰り支度をしていたので、ぼくを見る彼の視線には、軽く怒りの色さえ浮かんでる。
…ったく、昭和の団塊オヤジは、サービス残業をすることが仕事熱心だとでも思ってる。
今どき正社員でも、仕事に対してはドライなのに、ぼくみたいなただのバイトくんに、そんなモーレツっぷりを求めるなっつ~の。
遅刻したのは申し訳ないが、自分のノルマはちゃんと全部終えてるし、明日の引き継ぎもきっちりやってるんだ。
文句ないだろ。
「よっ、犯罪者。うまくやってるか?」
待ち合わせの私鉄の駅前で、ヨシキはぼくを認めると軽く手を挙げ、からかってきた。
「犯罪者? なにそれ」
ヤツの隣にいた美咲麗奈ちゃんが、ヨシキに訊いた。
今日の麗奈ちゃんは、真っ白なフリフリのロリータファッションに身を包み、超ミニのスカートの下にはボリュームたっぷりのパニエをはいてて、髪は高い位置でツインテールにしている。ツインテールの中でもいわゆる、『ラビッド・スタイル』と呼ばれる型だ。
ふつうの男ならドン引きで、いっしょに歩くのを躊躇わせる様なカッコだが、オタクやレイヤーさんには、こういう格好や髪型を喜ぶ人間が多い。
ぼくも例外ではなく、今日の麗奈ちゃんの格好は、ロリータフェイスな彼女の魅力を引き立てて、キュンキュンきてしまう。
ヨシキに至っては、『ツインテール同盟会長』を名乗る程のツインテフェチなのだ。
間違いなく心の中で萌えまくってる事だろう。
麗奈ちゃんも、そんなヨシキの好みを知ってて、そういうカッコをしてるっぽい。
「実はこいつの部屋に今、女子中学生がいるんだよ。なんか『責任とれ』って、脅されてるんだってさ。モテる男は辛いよな~。なあミノル」
ヨシキがそう言ってぼくを冷やかした。
「なにそれ。ミノルくんの彼女? ほんとに中学生?」
「かっ、彼女なんかじゃないよ」
麗奈ちゃんにも好奇の視線を向けられ、ぼくは慌てて否定した。
「でももう、二泊もしてるんだろ? その間になにもないって方が、不自然じゃん」
「ええっ~? ほんとになにもないの?! なんか… 逆にイヤかも、そういうの」
「え? どういう事?」
思ってもみなかった麗奈ちゃんのリアクションに、ぼくは思わず訊き返す。
「だってぇ。二晩も男といっしょにいて、全然手出されないわけでしょ?
それって、女の子的には屈辱かもよ。『女として魅力ない』って言われてる様なもんじゃん」
「そ、そんなもの? ゲイとか、誤解されるかなぁ」
「ゲイの部屋に女の子の萌えフィギュアとか、飾ってないっしょ。ふつー」
ヨシキが口を挟む。
「ん~、、、 好きでもないヤツとエッチしたいとは思わないけど… かと言って、全然女の子として見られないってのも、女のプライドが傷つくみたいで、なんだかなぁ」
「…そうなんだ」
「それは麗奈、おまえが淫乱だからじゃね?」
「ええっ。ヨシキひど~い!」
つづく
ほぼ完徹したせいで翌朝はちゃんと起きられず、昨日と同じ様にまた、慌ただしくバイトに出かけなきゃいけなくなった。
栞里ちゃんはまだ眠ってる、、、
って、どんだけ寝相悪いんだ!
昨夜は暑くて寝苦しかったとしても、せっかくかけてやったタオルケットは、ベッドの隅にグシャグシャに押しやられてて、Tシャツは胸の近くまではだけ、おへそもパンツも丸出しになってる。
まったく、色気もなにもない姿だが、爽やかな朝の光で見る美少女はまた格別で、ハリのある肌はツヤツヤと日差しを反射し、丸みを帯びた部分が白く輝いてる。
うつ伏せになったお尻はパンツがずれてて、生地が股に食い込んでて、、、
って。
朝からこんなの、目の毒じゃ~~~!
ベッドの方を見ない様に急いで準備をし、栞里ちゃんが起きた時のために、パンと紅茶をテーブルに用意しておく。
『バイトに行ってきます。夜は友達と会って遅くなるので、夕食は宅配をとるか、近所のコンビニでお弁当を買って食べて』と書いたメモとお金を、彼女の目につきそうな所に置いて、ぼくはバタバタと外出した。
今日は早番なので4時でバイトは終わり、その後ヨシキとコスプレイヤーの美咲麗奈さんと合流する事にしてる。
カラオケとかゲーセンで遊ぶだろうから、帰りは夜になるだろう。
それまで栞里ちゃんは家にいるだろうか?
『いてほしい』と、ぼくは願ってた。
だから、こんな書き置きをしたのかもしれない。
二日続きの遅刻で、森岡支配人の機嫌は、昨日よりいっそう悪くなってた。
しかも今日も、仕事が終わったら速攻で帰り支度をしていたので、ぼくを見る彼の視線には、軽く怒りの色さえ浮かんでる。
…ったく、昭和の団塊オヤジは、サービス残業をすることが仕事熱心だとでも思ってる。
今どき正社員でも、仕事に対してはドライなのに、ぼくみたいなただのバイトくんに、そんなモーレツっぷりを求めるなっつ~の。
遅刻したのは申し訳ないが、自分のノルマはちゃんと全部終えてるし、明日の引き継ぎもきっちりやってるんだ。
文句ないだろ。
「よっ、犯罪者。うまくやってるか?」
待ち合わせの私鉄の駅前で、ヨシキはぼくを認めると軽く手を挙げ、からかってきた。
「犯罪者? なにそれ」
ヤツの隣にいた美咲麗奈ちゃんが、ヨシキに訊いた。
今日の麗奈ちゃんは、真っ白なフリフリのロリータファッションに身を包み、超ミニのスカートの下にはボリュームたっぷりのパニエをはいてて、髪は高い位置でツインテールにしている。ツインテールの中でもいわゆる、『ラビッド・スタイル』と呼ばれる型だ。
ふつうの男ならドン引きで、いっしょに歩くのを躊躇わせる様なカッコだが、オタクやレイヤーさんには、こういう格好や髪型を喜ぶ人間が多い。
ぼくも例外ではなく、今日の麗奈ちゃんの格好は、ロリータフェイスな彼女の魅力を引き立てて、キュンキュンきてしまう。
ヨシキに至っては、『ツインテール同盟会長』を名乗る程のツインテフェチなのだ。
間違いなく心の中で萌えまくってる事だろう。
麗奈ちゃんも、そんなヨシキの好みを知ってて、そういうカッコをしてるっぽい。
「実はこいつの部屋に今、女子中学生がいるんだよ。なんか『責任とれ』って、脅されてるんだってさ。モテる男は辛いよな~。なあミノル」
ヨシキがそう言ってぼくを冷やかした。
「なにそれ。ミノルくんの彼女? ほんとに中学生?」
「かっ、彼女なんかじゃないよ」
麗奈ちゃんにも好奇の視線を向けられ、ぼくは慌てて否定した。
「でももう、二泊もしてるんだろ? その間になにもないって方が、不自然じゃん」
「ええっ~? ほんとになにもないの?! なんか… 逆にイヤかも、そういうの」
「え? どういう事?」
思ってもみなかった麗奈ちゃんのリアクションに、ぼくは思わず訊き返す。
「だってぇ。二晩も男といっしょにいて、全然手出されないわけでしょ?
それって、女の子的には屈辱かもよ。『女として魅力ない』って言われてる様なもんじゃん」
「そ、そんなもの? ゲイとか、誤解されるかなぁ」
「ゲイの部屋に女の子の萌えフィギュアとか、飾ってないっしょ。ふつー」
ヨシキが口を挟む。
「ん~、、、 好きでもないヤツとエッチしたいとは思わないけど… かと言って、全然女の子として見られないってのも、女のプライドが傷つくみたいで、なんだかなぁ」
「…そうなんだ」
「それは麗奈、おまえが淫乱だからじゃね?」
「ええっ。ヨシキひど~い!」
つづく
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる