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4th stage
ヲタクはファッションを語れない
電車では、ぼくと栞里ちゃんは並んで立った。
付近にはビジネスマンや主婦、ショッピングに出かける女子高生なんかがいたが、何人かはこちらをチラチラと気にしてるみたいで、落ち着かない。
みんな、ぼくと栞里ちゃんを見て、どう思ってるんだろう?
恋人同士?
いやいや。
ぼくみたいなムサいオタク大学生が、こんな美少女を恋人にできるはずがない。
兄妹?
でも、ふたり全然似てないし、、、
きっと端からは、異様な組み合わせに見えるだろう。
目の前に座ってる50過ぎのおっさんと、隣に立ってるおばさんが不躾な視線で、ぼくと栞里ちゃんを交互にガン見してくる。
やっぱり不自然なのか?
まさか、栞里ちゃんが中学生だとバレて、通報されたりしないか?
いやいや。
そんな心配はない筈だ。
例え相手が未成年だとしても、いっしょに買い物に行くくらいで、逮捕されるわけないだろ。
もっと落ち着け、自分!
「し、栞里ちゃんはどんな服が好きなの?」
気を紛らそうと、ぼくは彼女に話しかけた。
彼女はちょっと考えてたが、逆にぼくに訊いてきた。
「お兄ちゃん。どんな服着てほしい?」
「え?」
「お兄ちゃんが買ってくれるんでしょ? だったら任せる」
「任せるって、、、」
言われても、困る。
萌え絵の女性ファッションにはそれなりにこだわりはあるんだけど、リアル女の子ファッションの知識とセンスなんて、これっぽっちもないのに。
「リ、リズリサとか、姫系みたいなのはどう? 似合いそうだし」
丸々、ヨシキの受け売り。
「LIZ LISAか… まあ、好きだけど」
「そ、そう。よかった」
「お兄ちゃん、服のブランドとか詳しいの?」
「そ、そんな事ないけど」
「そのシャツ、似合うよ。今までのよりいい」
「えっ?」
「今日のパンツもいいね」
「ほっ、ほんと?」
栞里ちゃんが褒めてくれた!
ぼくになんか興味ない様で、ちゃんと見てくれてたんだ!
『やった!』
心の中でガッツポーズ。
サンキュ、ヨシキ!
「や、やっぱり原宿とか出かけるんだったら、オタクなカッコできないし」
照れ隠しにそう言い訳したものの、滑舌はよかった。
「ま。原宿じゃフツーだよね」
「そうなんだ、、、」
「イラスト描く時とか、服のデザインはどうしてるの?」
「アニメとかゲームのキャラが着てるのを元にアレンジしたり、ネットでアイドルのファッション参考にしたり… かな」
「ふーん。ゲームキャラって、けっこうエロいカッコも多いよね」
「そ、そうだね」
「ガーターベルト、って言うの? あれなんかエロ可愛い」
「だよね! ガーターベルトって、中世ヨーロッパの女性の靴下留めなんだけど、ニーハイソックスの絶対領域に通じるものがあるよね。それよりちょっと姫っぽいていうか、フェチ入ってるっていうか。
成熟したエロティシズムで、ロリータ系に取り入れると、アンバランスな色気が醸されて、女の子の魅力を惹きたてるんだ。
ガーターベルトは脚フェチにはたまらない、マストアイテムだと思うんだよ!」
「…」
ぼくが喋ったあと、栞里ちゃんは沈黙した。
シラっとした、冷めた視線さえ感じる。
しまった!
自分の萌えを、思わず熱く語ってしまった!
『オタクな会話は最小限に』って、ヨシキの忠告が身にしみる。
ふつーの人にはオタ話をすると、ドン引きされるんだった、、、
『やってもた』
心の中は『orz』。
そんな、ちょっとした事で上がったり下がったりだったけど、それでもなんとか会話は続ける事ができた。
栞里ちゃんも『ガーターオタ話』の件は気にしてないみたいで、たま~にこちらを向いて笑顔を見せ、退屈はしてない様子。
やれやれ、、、
不安いっぱいのスタートだったけど、なんとかやっていけるかもしれない。
それにしても、、、 疲れる。
会話が途切れてお互い沈黙したりすると、『なんか話さなきゃいけない』って、焦ってくる。
神経がすり減ってしまいそうだ。
リアルで女の子と出かけるのが、こんなにシンドくて気を遣うものだとは。
つづく
付近にはビジネスマンや主婦、ショッピングに出かける女子高生なんかがいたが、何人かはこちらをチラチラと気にしてるみたいで、落ち着かない。
みんな、ぼくと栞里ちゃんを見て、どう思ってるんだろう?
恋人同士?
いやいや。
ぼくみたいなムサいオタク大学生が、こんな美少女を恋人にできるはずがない。
兄妹?
でも、ふたり全然似てないし、、、
きっと端からは、異様な組み合わせに見えるだろう。
目の前に座ってる50過ぎのおっさんと、隣に立ってるおばさんが不躾な視線で、ぼくと栞里ちゃんを交互にガン見してくる。
やっぱり不自然なのか?
まさか、栞里ちゃんが中学生だとバレて、通報されたりしないか?
いやいや。
そんな心配はない筈だ。
例え相手が未成年だとしても、いっしょに買い物に行くくらいで、逮捕されるわけないだろ。
もっと落ち着け、自分!
「し、栞里ちゃんはどんな服が好きなの?」
気を紛らそうと、ぼくは彼女に話しかけた。
彼女はちょっと考えてたが、逆にぼくに訊いてきた。
「お兄ちゃん。どんな服着てほしい?」
「え?」
「お兄ちゃんが買ってくれるんでしょ? だったら任せる」
「任せるって、、、」
言われても、困る。
萌え絵の女性ファッションにはそれなりにこだわりはあるんだけど、リアル女の子ファッションの知識とセンスなんて、これっぽっちもないのに。
「リ、リズリサとか、姫系みたいなのはどう? 似合いそうだし」
丸々、ヨシキの受け売り。
「LIZ LISAか… まあ、好きだけど」
「そ、そう。よかった」
「お兄ちゃん、服のブランドとか詳しいの?」
「そ、そんな事ないけど」
「そのシャツ、似合うよ。今までのよりいい」
「えっ?」
「今日のパンツもいいね」
「ほっ、ほんと?」
栞里ちゃんが褒めてくれた!
ぼくになんか興味ない様で、ちゃんと見てくれてたんだ!
『やった!』
心の中でガッツポーズ。
サンキュ、ヨシキ!
「や、やっぱり原宿とか出かけるんだったら、オタクなカッコできないし」
照れ隠しにそう言い訳したものの、滑舌はよかった。
「ま。原宿じゃフツーだよね」
「そうなんだ、、、」
「イラスト描く時とか、服のデザインはどうしてるの?」
「アニメとかゲームのキャラが着てるのを元にアレンジしたり、ネットでアイドルのファッション参考にしたり… かな」
「ふーん。ゲームキャラって、けっこうエロいカッコも多いよね」
「そ、そうだね」
「ガーターベルト、って言うの? あれなんかエロ可愛い」
「だよね! ガーターベルトって、中世ヨーロッパの女性の靴下留めなんだけど、ニーハイソックスの絶対領域に通じるものがあるよね。それよりちょっと姫っぽいていうか、フェチ入ってるっていうか。
成熟したエロティシズムで、ロリータ系に取り入れると、アンバランスな色気が醸されて、女の子の魅力を惹きたてるんだ。
ガーターベルトは脚フェチにはたまらない、マストアイテムだと思うんだよ!」
「…」
ぼくが喋ったあと、栞里ちゃんは沈黙した。
シラっとした、冷めた視線さえ感じる。
しまった!
自分の萌えを、思わず熱く語ってしまった!
『オタクな会話は最小限に』って、ヨシキの忠告が身にしみる。
ふつーの人にはオタ話をすると、ドン引きされるんだった、、、
『やってもた』
心の中は『orz』。
そんな、ちょっとした事で上がったり下がったりだったけど、それでもなんとか会話は続ける事ができた。
栞里ちゃんも『ガーターオタ話』の件は気にしてないみたいで、たま~にこちらを向いて笑顔を見せ、退屈はしてない様子。
やれやれ、、、
不安いっぱいのスタートだったけど、なんとかやっていけるかもしれない。
それにしても、、、 疲れる。
会話が途切れてお互い沈黙したりすると、『なんか話さなきゃいけない』って、焦ってくる。
神経がすり減ってしまいそうだ。
リアルで女の子と出かけるのが、こんなにシンドくて気を遣うものだとは。
つづく
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