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5th stage
インターネットの祭りは嬉しくない
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『おまえら、あの後なにかあったのか!?』
ヨシキからメッセージが来たのは、ぼくがやっとの思いで気持ちを立て直して、ホテルを出て自分の部屋に帰り着き、パソコンはつけたもののなにをする気にもなれず、放心状態でベッドに転がってた時だった。
ノロノロと、メッセージにレスをつける。ほんとの事を話すのは、なんだかバツが悪い。
「まあ、いろいろと…」
ヨシキからは速攻で新しいメッセージが来た。
『まさか、ホテルとか行ったか?』
どうしてヤツがそんな事知ってるんだ?
なんだか気になって、ぼくは電話した。
「実は、某掲示板で叩かれてるんだよ」
電話の向こうから、ヨシキの冴えない声が響いてくる。
「掲示板? ぼくが? どうして??」
「ん~、、、 多分、最初の書き込みは麗奈だろうな。そこから火がついて、『祭』になってる」
「祭って、、、 どこのスレなんだ?」
「オレがいつも、イベント前にチェックしてるレイヤーとカメコスレ」
「教えろよ」
「見ない方がいいって」
「そこまで言っといて、そりゃないだろ。アドレス教えろよ」
「やめとけ」
「大丈夫だから。教えろよ!」
「…仕方ないな」
“ピーン”
iPhoneからメールの受信音が流れた。
スレッドのアドレスを送ってきた様だ。
アクセスすると、いきなりぼくを攻撃する様な文字列が、目に突き刺さってきた。
613:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:45 ID:IUjiidw9e2
だいたい夜死期(ヨシキのこと?)とつるんでる時点で、あいつも鬼畜。
イラストもハンコ絵ばかりで個性ないし
萌えの向こうにドロドロしたヲタクの性欲が透けて見えてキモ杉
614:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:48 ID:6IUiposln0
まあ、デブサのヲタなんで、リアル女とは一生関われねーしな。
そりゃ歪んだリビドーがイラストに吹き出すわな(w
あわれだ
だが非人道行為は許せん。速攻タイーホ汁!
こっ、、、
これって、ぼくの事か?
「301から見てみろよ。麗奈のカキコと思うけど、祭はそこからはじまってるから。
まあ、、、 あまり気にすんなよ」
電話の向こうから、ヨシキが慰める様に言うが、そんな言葉も耳に入らないくらい、頭に血が昇ってたぼくは、一気に画面をスクロール。301の書き込みを見て、心臓がバクバク鳴って、息が止まった。
301:C.N.;名無したん 2017/8/19/17:20 ID:kjyuKJXl50
レイープされそ。だれか助けて!!!!!
なんだこれは!
レイプだって?!
書き込み時間は17時20分。
ちょうどぼくが麗奈ちゃんを待ちながら、シャワーを浴びてた頃だ。
『だれか助けて』
という書き込みに対して、そのスレの住人達が次々に反応し、『kjyuKJXl50』というIDの主は、克明に状況を記していた。
『土下座してお願いされたから仕方なく会ったら、無理矢理ホテルに連れ込まれた』
『自称『逝けメンカメコ』とグルになってて、リンカーンされそ』
『珍珍触らされた。キモイ。死ぬ~~~((( ;゜ Д ゜)))』
『みんなありがと。やつがシャワー浴びてるスキになんとか脱出できたお』
『その男は厨房もレイープしてる常習犯』
『ヤツから電話かかってきたお。怖い~ (((;゚Д゚)))ガクブルガクブル』
『特徴? エロ絵描いてるデブサのヲタ』
『ちょっとフォトショ使えるかと思って、巨匠気取り』
『リア恋のみくが嫁とか、痛杉』
『じゃちょっとだけ晒す。デブサヲタのツレの逝けメンカメコは、いろんな女喰い散らかしてる極悪。罰のリーダーみたいな名前』
、、、ここまで書けば、もうぼくとヨシキって、特定できるじゃないか!
『kjyuKJXl50』の書き込みが投下されると、スレの住人もそれに群がる様に、『デブサヲタ』と『夜死期』を攻撃してくる。
攻撃はイラストの悪口だけじゃなかった。
『売れっ子絵師気取りのデブサヲタ』
『ゴミみたいなハンコ絵量産してるだけ』
『見てるだけで吐き気がする』
『Fラン大学だし末路はニートで子供部屋のおじさんだろ』
『性格が醜悪だと絵も歪んでるね』
容姿や人格への堪え難いほどに執拗な悪口雑言に、ぼくは発狂しそうになった。
つづく
ヨシキからメッセージが来たのは、ぼくがやっとの思いで気持ちを立て直して、ホテルを出て自分の部屋に帰り着き、パソコンはつけたもののなにをする気にもなれず、放心状態でベッドに転がってた時だった。
ノロノロと、メッセージにレスをつける。ほんとの事を話すのは、なんだかバツが悪い。
「まあ、いろいろと…」
ヨシキからは速攻で新しいメッセージが来た。
『まさか、ホテルとか行ったか?』
どうしてヤツがそんな事知ってるんだ?
なんだか気になって、ぼくは電話した。
「実は、某掲示板で叩かれてるんだよ」
電話の向こうから、ヨシキの冴えない声が響いてくる。
「掲示板? ぼくが? どうして??」
「ん~、、、 多分、最初の書き込みは麗奈だろうな。そこから火がついて、『祭』になってる」
「祭って、、、 どこのスレなんだ?」
「オレがいつも、イベント前にチェックしてるレイヤーとカメコスレ」
「教えろよ」
「見ない方がいいって」
「そこまで言っといて、そりゃないだろ。アドレス教えろよ」
「やめとけ」
「大丈夫だから。教えろよ!」
「…仕方ないな」
“ピーン”
iPhoneからメールの受信音が流れた。
スレッドのアドレスを送ってきた様だ。
アクセスすると、いきなりぼくを攻撃する様な文字列が、目に突き刺さってきた。
613:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:45 ID:IUjiidw9e2
だいたい夜死期(ヨシキのこと?)とつるんでる時点で、あいつも鬼畜。
イラストもハンコ絵ばかりで個性ないし
萌えの向こうにドロドロしたヲタクの性欲が透けて見えてキモ杉
614:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:48 ID:6IUiposln0
まあ、デブサのヲタなんで、リアル女とは一生関われねーしな。
そりゃ歪んだリビドーがイラストに吹き出すわな(w
あわれだ
だが非人道行為は許せん。速攻タイーホ汁!
こっ、、、
これって、ぼくの事か?
「301から見てみろよ。麗奈のカキコと思うけど、祭はそこからはじまってるから。
まあ、、、 あまり気にすんなよ」
電話の向こうから、ヨシキが慰める様に言うが、そんな言葉も耳に入らないくらい、頭に血が昇ってたぼくは、一気に画面をスクロール。301の書き込みを見て、心臓がバクバク鳴って、息が止まった。
301:C.N.;名無したん 2017/8/19/17:20 ID:kjyuKJXl50
レイープされそ。だれか助けて!!!!!
なんだこれは!
レイプだって?!
書き込み時間は17時20分。
ちょうどぼくが麗奈ちゃんを待ちながら、シャワーを浴びてた頃だ。
『だれか助けて』
という書き込みに対して、そのスレの住人達が次々に反応し、『kjyuKJXl50』というIDの主は、克明に状況を記していた。
『土下座してお願いされたから仕方なく会ったら、無理矢理ホテルに連れ込まれた』
『自称『逝けメンカメコ』とグルになってて、リンカーンされそ』
『珍珍触らされた。キモイ。死ぬ~~~((( ;゜ Д ゜)))』
『みんなありがと。やつがシャワー浴びてるスキになんとか脱出できたお』
『その男は厨房もレイープしてる常習犯』
『ヤツから電話かかってきたお。怖い~ (((;゚Д゚)))ガクブルガクブル』
『特徴? エロ絵描いてるデブサのヲタ』
『ちょっとフォトショ使えるかと思って、巨匠気取り』
『リア恋のみくが嫁とか、痛杉』
『じゃちょっとだけ晒す。デブサヲタのツレの逝けメンカメコは、いろんな女喰い散らかしてる極悪。罰のリーダーみたいな名前』
、、、ここまで書けば、もうぼくとヨシキって、特定できるじゃないか!
『kjyuKJXl50』の書き込みが投下されると、スレの住人もそれに群がる様に、『デブサヲタ』と『夜死期』を攻撃してくる。
攻撃はイラストの悪口だけじゃなかった。
『売れっ子絵師気取りのデブサヲタ』
『ゴミみたいなハンコ絵量産してるだけ』
『見てるだけで吐き気がする』
『Fラン大学だし末路はニートで子供部屋のおじさんだろ』
『性格が醜悪だと絵も歪んでるね』
容姿や人格への堪え難いほどに執拗な悪口雑言に、ぼくは発狂しそうになった。
つづく
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