37 / 77
5th stage
インターネットの祭りは嬉しくない
『おまえら、あの後なにかあったのか!?』
ヨシキからメッセージが来たのは、ぼくがやっとの思いで気持ちを立て直して、ホテルを出て自分の部屋に帰り着き、パソコンはつけたもののなにをする気にもなれず、放心状態でベッドに転がってた時だった。
ノロノロと、メッセージにレスをつける。ほんとの事を話すのは、なんだかバツが悪い。
「まあ、いろいろと…」
ヨシキからは速攻で新しいメッセージが来た。
『まさか、ホテルとか行ったか?』
どうしてヤツがそんな事知ってるんだ?
なんだか気になって、ぼくは電話した。
「実は、某掲示板で叩かれてるんだよ」
電話の向こうから、ヨシキの冴えない声が響いてくる。
「掲示板? ぼくが? どうして??」
「ん~、、、 多分、最初の書き込みは麗奈だろうな。そこから火がついて、『祭』になってる」
「祭って、、、 どこのスレなんだ?」
「オレがいつも、イベント前にチェックしてるレイヤーとカメコスレ」
「教えろよ」
「見ない方がいいって」
「そこまで言っといて、そりゃないだろ。アドレス教えろよ」
「やめとけ」
「大丈夫だから。教えろよ!」
「…仕方ないな」
“ピーン”
iPhoneからメールの受信音が流れた。
スレッドのアドレスを送ってきた様だ。
アクセスすると、いきなりぼくを攻撃する様な文字列が、目に突き刺さってきた。
613:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:45 ID:IUjiidw9e2
だいたい夜死期(ヨシキのこと?)とつるんでる時点で、あいつも鬼畜。
イラストもハンコ絵ばかりで個性ないし
萌えの向こうにドロドロしたヲタクの性欲が透けて見えてキモ杉
614:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:48 ID:6IUiposln0
まあ、デブサのヲタなんで、リアル女とは一生関われねーしな。
そりゃ歪んだリビドーがイラストに吹き出すわな(w
あわれだ
だが非人道行為は許せん。速攻タイーホ汁!
こっ、、、
これって、ぼくの事か?
「301から見てみろよ。麗奈のカキコと思うけど、祭はそこからはじまってるから。
まあ、、、 あまり気にすんなよ」
電話の向こうから、ヨシキが慰める様に言うが、そんな言葉も耳に入らないくらい、頭に血が昇ってたぼくは、一気に画面をスクロール。301の書き込みを見て、心臓がバクバク鳴って、息が止まった。
301:C.N.;名無したん 2017/8/19/17:20 ID:kjyuKJXl50
レイープされそ。だれか助けて!!!!!
なんだこれは!
レイプだって?!
書き込み時間は17時20分。
ちょうどぼくが麗奈ちゃんを待ちながら、シャワーを浴びてた頃だ。
『だれか助けて』
という書き込みに対して、そのスレの住人達が次々に反応し、『kjyuKJXl50』というIDの主は、克明に状況を記していた。
『土下座してお願いされたから仕方なく会ったら、無理矢理ホテルに連れ込まれた』
『自称『逝けメンカメコ』とグルになってて、リンカーンされそ』
『珍珍触らされた。キモイ。死ぬ~~~((( ;゜ Д ゜)))』
『みんなありがと。やつがシャワー浴びてるスキになんとか脱出できたお』
『その男は厨房もレイープしてる常習犯』
『ヤツから電話かかってきたお。怖い~ (((;゚Д゚)))ガクブルガクブル』
『特徴? エロ絵描いてるデブサのヲタ』
『ちょっとフォトショ使えるかと思って、巨匠気取り』
『リア恋のみくが嫁とか、痛杉』
『じゃちょっとだけ晒す。デブサヲタのツレの逝けメンカメコは、いろんな女喰い散らかしてる極悪。罰のリーダーみたいな名前』
、、、ここまで書けば、もうぼくとヨシキって、特定できるじゃないか!
『kjyuKJXl50』の書き込みが投下されると、スレの住人もそれに群がる様に、『デブサヲタ』と『夜死期』を攻撃してくる。
攻撃はイラストの悪口だけじゃなかった。
『売れっ子絵師気取りのデブサヲタ』
『ゴミみたいなハンコ絵量産してるだけ』
『見てるだけで吐き気がする』
『Fラン大学だし末路はニートで子供部屋のおじさんだろ』
『性格が醜悪だと絵も歪んでるね』
容姿や人格への堪え難いほどに執拗な悪口雑言に、ぼくは発狂しそうになった。
つづく
ヨシキからメッセージが来たのは、ぼくがやっとの思いで気持ちを立て直して、ホテルを出て自分の部屋に帰り着き、パソコンはつけたもののなにをする気にもなれず、放心状態でベッドに転がってた時だった。
ノロノロと、メッセージにレスをつける。ほんとの事を話すのは、なんだかバツが悪い。
「まあ、いろいろと…」
ヨシキからは速攻で新しいメッセージが来た。
『まさか、ホテルとか行ったか?』
どうしてヤツがそんな事知ってるんだ?
なんだか気になって、ぼくは電話した。
「実は、某掲示板で叩かれてるんだよ」
電話の向こうから、ヨシキの冴えない声が響いてくる。
「掲示板? ぼくが? どうして??」
「ん~、、、 多分、最初の書き込みは麗奈だろうな。そこから火がついて、『祭』になってる」
「祭って、、、 どこのスレなんだ?」
「オレがいつも、イベント前にチェックしてるレイヤーとカメコスレ」
「教えろよ」
「見ない方がいいって」
「そこまで言っといて、そりゃないだろ。アドレス教えろよ」
「やめとけ」
「大丈夫だから。教えろよ!」
「…仕方ないな」
“ピーン”
iPhoneからメールの受信音が流れた。
スレッドのアドレスを送ってきた様だ。
アクセスすると、いきなりぼくを攻撃する様な文字列が、目に突き刺さってきた。
613:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:45 ID:IUjiidw9e2
だいたい夜死期(ヨシキのこと?)とつるんでる時点で、あいつも鬼畜。
イラストもハンコ絵ばかりで個性ないし
萌えの向こうにドロドロしたヲタクの性欲が透けて見えてキモ杉
614:C.N.;名無したん 2017/8/19/21:48 ID:6IUiposln0
まあ、デブサのヲタなんで、リアル女とは一生関われねーしな。
そりゃ歪んだリビドーがイラストに吹き出すわな(w
あわれだ
だが非人道行為は許せん。速攻タイーホ汁!
こっ、、、
これって、ぼくの事か?
「301から見てみろよ。麗奈のカキコと思うけど、祭はそこからはじまってるから。
まあ、、、 あまり気にすんなよ」
電話の向こうから、ヨシキが慰める様に言うが、そんな言葉も耳に入らないくらい、頭に血が昇ってたぼくは、一気に画面をスクロール。301の書き込みを見て、心臓がバクバク鳴って、息が止まった。
301:C.N.;名無したん 2017/8/19/17:20 ID:kjyuKJXl50
レイープされそ。だれか助けて!!!!!
なんだこれは!
レイプだって?!
書き込み時間は17時20分。
ちょうどぼくが麗奈ちゃんを待ちながら、シャワーを浴びてた頃だ。
『だれか助けて』
という書き込みに対して、そのスレの住人達が次々に反応し、『kjyuKJXl50』というIDの主は、克明に状況を記していた。
『土下座してお願いされたから仕方なく会ったら、無理矢理ホテルに連れ込まれた』
『自称『逝けメンカメコ』とグルになってて、リンカーンされそ』
『珍珍触らされた。キモイ。死ぬ~~~((( ;゜ Д ゜)))』
『みんなありがと。やつがシャワー浴びてるスキになんとか脱出できたお』
『その男は厨房もレイープしてる常習犯』
『ヤツから電話かかってきたお。怖い~ (((;゚Д゚)))ガクブルガクブル』
『特徴? エロ絵描いてるデブサのヲタ』
『ちょっとフォトショ使えるかと思って、巨匠気取り』
『リア恋のみくが嫁とか、痛杉』
『じゃちょっとだけ晒す。デブサヲタのツレの逝けメンカメコは、いろんな女喰い散らかしてる極悪。罰のリーダーみたいな名前』
、、、ここまで書けば、もうぼくとヨシキって、特定できるじゃないか!
『kjyuKJXl50』の書き込みが投下されると、スレの住人もそれに群がる様に、『デブサヲタ』と『夜死期』を攻撃してくる。
攻撃はイラストの悪口だけじゃなかった。
『売れっ子絵師気取りのデブサヲタ』
『ゴミみたいなハンコ絵量産してるだけ』
『見てるだけで吐き気がする』
『Fラン大学だし末路はニートで子供部屋のおじさんだろ』
『性格が醜悪だと絵も歪んでるね』
容姿や人格への堪え難いほどに執拗な悪口雑言に、ぼくは発狂しそうになった。
つづく
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました
ちくわ食べます
キャラ文芸
大学のサークル飲み会。
意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。
しかし返ってきたのは――
「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。
完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。
その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──