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「武道ができるモデルを捜しているところですか?」
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「はい。わたしにはまだ実力がないと思います。表現したいイメージが頭にあっても、からだがついてこないとき、それを痛感してしまうんです。
だからわたし、もっと頑張りたいんです。上手くなりたいんです。
ご迷惑かもしれませんが、よろしくご指導お願いします!」
ポージングを上達させるには、モデルレッスンは欠かせない。
モデルとしての実力をつけさえすれば、コスプレのポージングだって上手くなり、周りのレイヤーからも認められるはず。
今は週に2回2時間のレッスンだけど、もっと増やしてもらおう。
直接教えてもらうのが無理なら、モデルスクールかなにか、紹介してもらおう。
とにかく今は、がむしゃらに突き進むしかない!
「ふぅん… ずいぶんやる気になったのね」
「は、はい!」
「…まあ、いいわ。あなたがその気なら、話がしやすいし」
そう言って、みっこさんはニッコリ微笑み、手にしていたティーカップをソーサーに戻すと、改めてわたしの目を見つめながら、切り出した。
「凛子ちゃん。モデル事務所に入らない?」
「モデル事務所、ですか?!」
「そう。あたしの所属している事務所。
ちょうど、某行政からオファーがあって、今、武道ができるモデルを捜しているところなの」
「武道?」
「ええ。詳しい内容はまだ言えないけど、行政の啓蒙広告で、凛々しい女子高生が、真剣な眼差しで武道のポーズをとっているCMとポスターなの。剣道を予定してたけど、防具で顔が見えないから、他の武道はないかなってことになって。
その話を聞いたとき、あたし、真っ先になぎなたと、凛子ちゃんの顔が浮かんだのよ。ね、あなたにぴったりでしょ!」
そう言って微笑み、みっこさんはポンと手を合わせた。
「それだけじゃなくて、わたしの事務所に入れば、凛子ちゃんにいろんなお仕事を紹介できるし、モデルレッスンだって今よりもっとできるわよ。特待生として、レッスン料も無料にしてあげる。悪い話じゃないと思うわ」
「はい。よろしくお願いします!」
間髪入れずに、わたしは返事をした。
今のわたしにとっては、まさに渡りに船。
「よかった。でも、親御さんはなんとおっしゃるかしら」
「え?」
「凛子ちゃん。ここに通っていることは、ご両親にちゃんと認めてもらってる?」
「もちろんです。両親も賛成してくれています」
「そう。ならいいけど、今は法律が厳しいの。
高校生以下や未成年のモデルには、必ず保護者の合意がいるから、ちゃんとご両親の許諾書を頂いとかなきゃいけないのよ。それは大丈夫?」
「大丈夫です!」
・・・と勢いよく応えたものの…
全然大丈夫ではなかった。
実を言うと、ここへ通っていることは『学校の課外授業』と父母には説明していて、モデルレッスンをしていることは、内緒にしていたのだ。
父母とも、わたしが教師になることを望んでいる。
『モデルになりたい』と言っても、どうせ反対されるに決まっている。
だったらしばらく、モデルの件は黙っておいて、その間に実績作って、なし崩しにモデルを認めさせる方がいいだろうと、作戦を立てていたのだ。
それが『保護者の許諾書がいる』などと言われると、予定が狂ってしまう。
果たして、どうやって両親を説得しようか。
いきなり切り出すと、嘘をついてモデルレッスンに通っていることがバレてしまうし…
またひとつ、頭の痛い問題ができてしまった。
レッスンの帰り道も、家に帰りついてからも、わたしはずっとそのことばかり考えていた。
なんと言って、両親を説得しよう。
そして、出した結論は、、、
『しばらく黙っておく』
あとから考えると、それは最悪の選択だった。
つづく
だからわたし、もっと頑張りたいんです。上手くなりたいんです。
ご迷惑かもしれませんが、よろしくご指導お願いします!」
ポージングを上達させるには、モデルレッスンは欠かせない。
モデルとしての実力をつけさえすれば、コスプレのポージングだって上手くなり、周りのレイヤーからも認められるはず。
今は週に2回2時間のレッスンだけど、もっと増やしてもらおう。
直接教えてもらうのが無理なら、モデルスクールかなにか、紹介してもらおう。
とにかく今は、がむしゃらに突き進むしかない!
「ふぅん… ずいぶんやる気になったのね」
「は、はい!」
「…まあ、いいわ。あなたがその気なら、話がしやすいし」
そう言って、みっこさんはニッコリ微笑み、手にしていたティーカップをソーサーに戻すと、改めてわたしの目を見つめながら、切り出した。
「凛子ちゃん。モデル事務所に入らない?」
「モデル事務所、ですか?!」
「そう。あたしの所属している事務所。
ちょうど、某行政からオファーがあって、今、武道ができるモデルを捜しているところなの」
「武道?」
「ええ。詳しい内容はまだ言えないけど、行政の啓蒙広告で、凛々しい女子高生が、真剣な眼差しで武道のポーズをとっているCMとポスターなの。剣道を予定してたけど、防具で顔が見えないから、他の武道はないかなってことになって。
その話を聞いたとき、あたし、真っ先になぎなたと、凛子ちゃんの顔が浮かんだのよ。ね、あなたにぴったりでしょ!」
そう言って微笑み、みっこさんはポンと手を合わせた。
「それだけじゃなくて、わたしの事務所に入れば、凛子ちゃんにいろんなお仕事を紹介できるし、モデルレッスンだって今よりもっとできるわよ。特待生として、レッスン料も無料にしてあげる。悪い話じゃないと思うわ」
「はい。よろしくお願いします!」
間髪入れずに、わたしは返事をした。
今のわたしにとっては、まさに渡りに船。
「よかった。でも、親御さんはなんとおっしゃるかしら」
「え?」
「凛子ちゃん。ここに通っていることは、ご両親にちゃんと認めてもらってる?」
「もちろんです。両親も賛成してくれています」
「そう。ならいいけど、今は法律が厳しいの。
高校生以下や未成年のモデルには、必ず保護者の合意がいるから、ちゃんとご両親の許諾書を頂いとかなきゃいけないのよ。それは大丈夫?」
「大丈夫です!」
・・・と勢いよく応えたものの…
全然大丈夫ではなかった。
実を言うと、ここへ通っていることは『学校の課外授業』と父母には説明していて、モデルレッスンをしていることは、内緒にしていたのだ。
父母とも、わたしが教師になることを望んでいる。
『モデルになりたい』と言っても、どうせ反対されるに決まっている。
だったらしばらく、モデルの件は黙っておいて、その間に実績作って、なし崩しにモデルを認めさせる方がいいだろうと、作戦を立てていたのだ。
それが『保護者の許諾書がいる』などと言われると、予定が狂ってしまう。
果たして、どうやって両親を説得しようか。
いきなり切り出すと、嘘をついてモデルレッスンに通っていることがバレてしまうし…
またひとつ、頭の痛い問題ができてしまった。
レッスンの帰り道も、家に帰りついてからも、わたしはずっとそのことばかり考えていた。
なんと言って、両親を説得しよう。
そして、出した結論は、、、
『しばらく黙っておく』
あとから考えると、それは最悪の選択だった。
つづく
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