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「マウンティングを恐れていては頂点に立てません」
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「美月さんもごいっしょに、アフター行きませんか?」
イベントが終わったあと、その日親しくなったレイヤーさんやカメコさん数人から、珍しくアフターに誘われた。
いつもは桃李さんと恋子さん、優花さんくらいとしかアフターしないので、大人数で行くのは戸惑う。
それに以前、レイヤー同志のマウントの取り合いみたいなことがあって嫌な思いもしたし、ああいう雰囲気は苦手で、できればパスしたい。
だけど…
わたしは思い直した。
これからわたしは有名レイヤーになって、みんなを見返していくんだ。
そのためには人づきあいは大事だろうし、人脈もどんどん作らないといけない。いろいろな情報を集めるためにも、広めるためにも、幅広いネットワークを持っていた方がいいだろう。
マウンティングを恐れていては、頂点に立つことなんてできない。
そう思い直したわたしは、アフターに参加することにし、桃李さんにも声をかけてみた。
「ん~、、、 美月姫のお誘いなら、喜んでお伴しますぅ (*´ω`*)」
いつもの桃李さんらしくない、切れの悪い返事。
普段は自分から『アフターしましょう』と誘ってくるのに、今日はあまり乗り気ではなさそう。
やはり桃李さんも、大人数のアフターは苦手なのかもしれない。
わたしたち一行は、イベント会場近くのファミレスに移動した。
他にもアフターをしているグループがあるらしく、それとわかる奇抜な私服の女の子が、あちこちの席に陣取って、話し込んでいる。
以前行った、ヨシキさんの取り巻きレイヤーとのアフターに較べれば、今日のアフターは和やかな雰囲気だった。
序列みたいなものも特に感じず、イベントの話や衣装やロケ場所、撮影のコツなど、みんな和気藹々と、話に花が咲く。
わたしの『散華転生』のコスや衣装、なぎなたの話も、みんなも興味を持って聞いてくれる。
今までは、あまりマニアックな話にはついていけなかったし、コスプレ界独特の言葉にも抵抗もあったけど、こうしてワイワイ集まってオタ話をするのも、そんなに悪くないかもしれない。
わたし、少しずつオタクに染まっているのかもしれない。
「たまにはいろんな人とのアフターも、いいかもしれませんね」
となりに座っていた桃李さんに、わたしは話しかけてみた。
だけど彼女は、『そうですね』と言ったきり、居心地悪そうにスウィーツを食べている。
なんだか、いつもの桃李さんらしくない。
わたしはしばらく、彼女の様子を気にかけてみた。
彼女はほとんど、だれとも口を聞くこともなく、心なしかみんなも、桃李さんの存在は無視していて、彼女の回りだけがひときわ暗く沈んでいるようだった。
そういえば。
わたしが桃李さんを誘ったとき、『来なくていいのに』みたいな冷めた視線を、彼女に向けたレイヤーさんも、何人かいた気がする。
もしかして桃李さんは、みんなとはあまり仲良くないのかな?
そんなことも知らないで、誘ってしまって。
彼女には、悪いことをしたかも・・・
アフターがお開きになって、家に帰り着いたのはもう8時を回った頃。
部屋に入ったわたしは着替えもそこそこに、パソコンの電源を入れた。
622:C.N.;名無したん 2012/9/30/12:42 ID:;lkybrc0
夜死期狂夜にぶちのめされててワロタwwww
さすが凶暴狂夜タン、今日も荒ぶっててステキすぐる
書いてる書いてる。
『掲示板なんて見ない』
と、美咲麗奈には言ったものの、それは口から出まかせ。
実はわたし、あれからヒマさえあれば、例の掲示板を覗くのが日課になっていたのだ。
つづく
イベントが終わったあと、その日親しくなったレイヤーさんやカメコさん数人から、珍しくアフターに誘われた。
いつもは桃李さんと恋子さん、優花さんくらいとしかアフターしないので、大人数で行くのは戸惑う。
それに以前、レイヤー同志のマウントの取り合いみたいなことがあって嫌な思いもしたし、ああいう雰囲気は苦手で、できればパスしたい。
だけど…
わたしは思い直した。
これからわたしは有名レイヤーになって、みんなを見返していくんだ。
そのためには人づきあいは大事だろうし、人脈もどんどん作らないといけない。いろいろな情報を集めるためにも、広めるためにも、幅広いネットワークを持っていた方がいいだろう。
マウンティングを恐れていては、頂点に立つことなんてできない。
そう思い直したわたしは、アフターに参加することにし、桃李さんにも声をかけてみた。
「ん~、、、 美月姫のお誘いなら、喜んでお伴しますぅ (*´ω`*)」
いつもの桃李さんらしくない、切れの悪い返事。
普段は自分から『アフターしましょう』と誘ってくるのに、今日はあまり乗り気ではなさそう。
やはり桃李さんも、大人数のアフターは苦手なのかもしれない。
わたしたち一行は、イベント会場近くのファミレスに移動した。
他にもアフターをしているグループがあるらしく、それとわかる奇抜な私服の女の子が、あちこちの席に陣取って、話し込んでいる。
以前行った、ヨシキさんの取り巻きレイヤーとのアフターに較べれば、今日のアフターは和やかな雰囲気だった。
序列みたいなものも特に感じず、イベントの話や衣装やロケ場所、撮影のコツなど、みんな和気藹々と、話に花が咲く。
わたしの『散華転生』のコスや衣装、なぎなたの話も、みんなも興味を持って聞いてくれる。
今までは、あまりマニアックな話にはついていけなかったし、コスプレ界独特の言葉にも抵抗もあったけど、こうしてワイワイ集まってオタ話をするのも、そんなに悪くないかもしれない。
わたし、少しずつオタクに染まっているのかもしれない。
「たまにはいろんな人とのアフターも、いいかもしれませんね」
となりに座っていた桃李さんに、わたしは話しかけてみた。
だけど彼女は、『そうですね』と言ったきり、居心地悪そうにスウィーツを食べている。
なんだか、いつもの桃李さんらしくない。
わたしはしばらく、彼女の様子を気にかけてみた。
彼女はほとんど、だれとも口を聞くこともなく、心なしかみんなも、桃李さんの存在は無視していて、彼女の回りだけがひときわ暗く沈んでいるようだった。
そういえば。
わたしが桃李さんを誘ったとき、『来なくていいのに』みたいな冷めた視線を、彼女に向けたレイヤーさんも、何人かいた気がする。
もしかして桃李さんは、みんなとはあまり仲良くないのかな?
そんなことも知らないで、誘ってしまって。
彼女には、悪いことをしたかも・・・
アフターがお開きになって、家に帰り着いたのはもう8時を回った頃。
部屋に入ったわたしは着替えもそこそこに、パソコンの電源を入れた。
622:C.N.;名無したん 2012/9/30/12:42 ID:;lkybrc0
夜死期狂夜にぶちのめされててワロタwwww
さすが凶暴狂夜タン、今日も荒ぶっててステキすぐる
書いてる書いてる。
『掲示板なんて見ない』
と、美咲麗奈には言ったものの、それは口から出まかせ。
実はわたし、あれからヒマさえあれば、例の掲示板を覗くのが日課になっていたのだ。
つづく
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