126 / 137
『ヘヴン』の『帝国』(上)
29
しおりを挟む
異世界転移。
イオリらはそれを受け入れてくれた。
しかし、彼女らはどうだろうか?
『帝国』にはそれを受け入れるだけの余裕や想像力があるだろうか?
「……どうした?行動を共にしている理由を言うだけで良いんだぞ?」
アリスが促すように言う。
これはまずい。
きっと、早く答えなければいけないだろう。
キクリが焦り出す。
「そ、そのっ……!」
響き渡る声。
それは、キクリの口から出たものではなく、ロココから発せられたものであった。
「……ろ、ロココちゃん……?」
「……?」
皆が彼女に注目する。
しかし、すぐに次の言葉が出てこない。
ロココに具体的な案はなかった。
つまり、無言で無音な気まずい時間が続いたということだ。
「こ、こいつは異国から来たの!」
「異国ねぇ……。」
アリスの瞳がギラリと光る。
「……あ、ここも異国になるのか……ややこしいわね……!え、えっと、『ヘヴン』とかロス・パイスから遠い所から来たの!凄く遠い所!だから『アイドル』を知らなくて興味本位で着いて来てるだけ!それだけなの!」
「……『アイドル』が存在しない国から……?ほう……。」
「へぇー、その子猫ちゃん、外国の子なんだね。道理で他の子と雰囲気が違う訳だ。」
ニヤリとキクリを見つめるヒマワリ。
「あ、あははー……どうも。」
苦笑いするキクリ。
「それで?君の国はどういう所なのかな?」
ヒマワリが追及する。
「え、えっとー……。」
「ふふふ、なるほど、そういうことか。」
ニヤリ。
キクリを見て笑みを浮かべる。
「……?」
「いや、敢えて秘密にしているんだろう?……ふふふ、キュートなだけでなくミステリアスな側面もあるのだな。そこもまた、君の魅力だ。」
「え、あ……ありがとうございます……?」
よく分からないが、勝手に勘違いして解釈してくれたのであればそれで良いか。
そう思うキクリであった。
「……。」
無言。
そして、キクリを見つめるアリスであった。
彼女のその表情からは喜怒哀楽を読み取ることは出来ない。
しかし、今彼女がキクリのことを考えているということは周囲の者にも容易に想像することは出来た。
「あ、あの!ところで一つ、良いですか?」
キクリが口を開く。
その視線の先にはアリスがいた。
「構わない、良いぞ。」
「ここの『アイドル』……『帝国』は六人って聞きました。でも、今は五人なんですけど……。」
イオリらはそれを受け入れてくれた。
しかし、彼女らはどうだろうか?
『帝国』にはそれを受け入れるだけの余裕や想像力があるだろうか?
「……どうした?行動を共にしている理由を言うだけで良いんだぞ?」
アリスが促すように言う。
これはまずい。
きっと、早く答えなければいけないだろう。
キクリが焦り出す。
「そ、そのっ……!」
響き渡る声。
それは、キクリの口から出たものではなく、ロココから発せられたものであった。
「……ろ、ロココちゃん……?」
「……?」
皆が彼女に注目する。
しかし、すぐに次の言葉が出てこない。
ロココに具体的な案はなかった。
つまり、無言で無音な気まずい時間が続いたということだ。
「こ、こいつは異国から来たの!」
「異国ねぇ……。」
アリスの瞳がギラリと光る。
「……あ、ここも異国になるのか……ややこしいわね……!え、えっと、『ヘヴン』とかロス・パイスから遠い所から来たの!凄く遠い所!だから『アイドル』を知らなくて興味本位で着いて来てるだけ!それだけなの!」
「……『アイドル』が存在しない国から……?ほう……。」
「へぇー、その子猫ちゃん、外国の子なんだね。道理で他の子と雰囲気が違う訳だ。」
ニヤリとキクリを見つめるヒマワリ。
「あ、あははー……どうも。」
苦笑いするキクリ。
「それで?君の国はどういう所なのかな?」
ヒマワリが追及する。
「え、えっとー……。」
「ふふふ、なるほど、そういうことか。」
ニヤリ。
キクリを見て笑みを浮かべる。
「……?」
「いや、敢えて秘密にしているんだろう?……ふふふ、キュートなだけでなくミステリアスな側面もあるのだな。そこもまた、君の魅力だ。」
「え、あ……ありがとうございます……?」
よく分からないが、勝手に勘違いして解釈してくれたのであればそれで良いか。
そう思うキクリであった。
「……。」
無言。
そして、キクリを見つめるアリスであった。
彼女のその表情からは喜怒哀楽を読み取ることは出来ない。
しかし、今彼女がキクリのことを考えているということは周囲の者にも容易に想像することは出来た。
「あ、あの!ところで一つ、良いですか?」
キクリが口を開く。
その視線の先にはアリスがいた。
「構わない、良いぞ。」
「ここの『アイドル』……『帝国』は六人って聞きました。でも、今は五人なんですけど……。」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
ツルギの剣
Narrative Works
青春
室戸岬沖に建設された海上研究都市、深水島。
舞台はそこに立つ女子校、深水女子高等学校から始まる。
ある日、深水女子高等学校の野球部に超野球少女が入部した。
『阿倍野真希』と呼ばれる少女は、ささいなことから本を抱えた少女と野球勝負をすることになった。
勝負は真希が勝つものと思われていたが、勝利したのは本の少女。
名前を『深水剣』と言った。
そして深水剣もまた、超野球少女だった。
少女が血と汗を流して戦う、超能力野球バトル百合小説、開幕。
※この作品は複数のサイトにて投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる