甘え嬢ずな海部江さん。

あさまる

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「な?良いだろ?」

「……え?で、でも私……。」

ようやく彼らの近くまで来れた真優。
周囲の音に遮られ、所々聞こえない箇所がある。
そんな中でもはっきりと聞こえるものもあった。

止めにはいるべきだろうか?
しかし、自分は第三者だ。
言わば、無関係な人間なのだ。
首を突っ込むべきではないのかもしれない。
そんなことを思う真優。
しかし、そんな彼女の考えも、次の彼らの行動ではっきりとする。

「ほら、皆もいるからさ!久しぶりに良いじゃん!」
しびれを切らしたのだろう。
男性の一人が翔子の腕を掴んだ。

あぁ、これは駄目だ。
見過ごせられない。
周囲にぶつかりながら、歩を進める。
そして、真優は彼らの間に割り込んだ。


「……うん?」

「離して下さい。彼女、嫌がっているじゃないですか。」
真優が伸ばした手。
それは、翔子の腕を掴んでいる男性の手首を掴んでいた。

見た目通り、非力な彼女。
掴まれた男性は顔色一つ変えず、彼女を見た。

「何々ー?君もしかして海部江さんの妹?やっぱ妹ちゃんも可愛いねー。」
ヘラヘラ。
誠実さの欠片もない。

妹?
今妹と言ったか?
こいつは何を言っているのだ?
目の前の男性の言葉が理解出来ない真優。
ただ一つ、馬鹿にされていることは分かった。

彼女の見た目なら、あのようなことは日常茶飯だろう。
それなのに、慣れている様子ではない。

「あ、あの……。」
翔子の口から辛うじて出たのはそんな情けないものであった。

「良いじゃん、良いじゃん!何なら二人とも今から一緒に行く?楽しいよ?」
まるで怯む様子のない男性達。
ヘラヘラとそう言う。

一方、翔子は何が起きているのか全く分からないようだ。
依然としてオロオロしているだけであったのだ。

時間の無駄だ。
真優は、今掴んでいる男性の手首をから手離した。
そして、別の物を掴んだ。
翔子の腕だ。

ぐいっ。
今度は腕だけでない。
体重をかけ、翔子を自身の元へと引き寄せる。

いくら翔子が細身とはいえ、彼女ら二人にはかなり身長差がある。
引っ張られた彼女に耐えられず、二歩三歩、後退してしまった。

「も、もう行きますよ!」
なりふり構っていられない。
翔子を乱暴に引きずるようにその場から連れ去るのであった。

途中、何度も人にぶつかって謝罪を繰り返した。
二人はなんとか人の少ない場所まで来れた。
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