甘え嬢ずな海部江さん。

あさまる

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「美味しいご飯作るから。ね?」

「……うん。」

あぁ……。
そんな顔すらも愛おしい。
姉である彼女にそう思う梨華。
起き上がった彼女の頬を撫でるのであった。


良かった。
この調子なら明日が楽しみだな。
そう思う梨華であった。


「おはよう、雨枝さん!」

「はい、おはようございます。」

真優が教室に着くと、すでに自身の席に座っていた翔子と目が合った。
そして、すぐさま挨拶されるのであった。

心なしか、彼女の目が輝いているように見える。
機嫌が良いようだ。
真優の目には、そんな彼女が人懐っこい大型犬のように見えた。

ピコピコと動く耳。
そして、ブンブンと目一杯揺れる尻尾。
つい、ふふふと笑みをこぼす真優であった。

「ど、どうしたの?」
真優に突然笑われてしまった。
何かおかしなことをしてしまったのだろうか。
少し心配になる翔子。

「何でもないよ、何でも……。」
ふふふ。
未だに笑みを浮かべている真優。

そっと、手を伸ばす真優。
それが向かう先は、翔子の頭。

しかし、届かない。
爪先立ちをしてみる。
それでも彼女の頭には届かない……。

真優の背の低さ。
そして、翔子の背の高さ。
それらを痛感する瞬間であった。

「……雨枝さん?」
何をしているのだろう?
間もなく真優の頭頂部が彼女の顎にぶつかりそうになる。

ヘッドバッドでもしたいのだろうか?
まさか、そんなわけはないよな。

「……いや、なんでもない……です。失礼しました。」
爪先立ちを止め、席へ戻る真優。

結局何をしたかったのだろう。
分からないままの翔子であった。


時は進み、昼休み。
休み時間になる度にぎこちないながらも会話をしていた二人。
いよいよだ。
ふんす。
鼻息荒く、気合いを入れるのであった。


「……よし、食べよう。」

「うんっ!」
真優の声に、頷く翔子。
ブンブンと勢い良く首を振った。


ざわざわ。
教室が騒がしい。
いつものそれとは違うものであった。

誰とも関わっていない高嶺の花。
近づくことすらおこがましい。
周囲からそんなことを考えられていた翔子。
そんな彼女が、クラスのマスコット的存在として可愛がられていた真優と昼を共にしているのだ。

その光景は瞬く間に別の教室にも知られることとなった。
昼食も早々にやって来た野次馬が廊下に溢れたのだ。

「……。」

「……。」
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