甘え嬢ずな海部江さん。

あさまる

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それは一体どういう意味なのだろう。
馬鹿正直に、額面通りに受けとっても良いのだろうか。
もしそうなのであれば、ただ内緒にしていてほしいというだけのことだろう。

ただ秘密にすべきことということなのだろう。
しかし、とてもそんな様子ではなかった。
切羽詰まっている。
真優には、そんな気がしてならなかった。

なぜそうしなければならないのか?
ギャップが好き。
そういう人達もいるだろう。
その為、それが必ずしもマイナスになるわけではないはずだ。
それなのに、梨華は是が非でもバレたくなさそうだった。

「……ま、真優ちゃん?大丈夫?どうしたの?」

「……え?あ、すみっ、すみません、何でもありません。」
再び聞こえた声。
翔子のそれに反応する真優。

思考が深くなればなるほど、周りの声が聞こえなくなっていく。
それだけでなく、何も見えなくもなってしまうようだ。
最近気づいた彼女自身の悪いところだ。

「……ご、ごめんね、やっぱり迷惑だったかな?」
おずおず。
目を泳がせ、申し訳なさげな翔子。

「……え?迷惑?な、何がですか?」
翔子が口にした謝罪の意味が、まるで分からない。
首をかしげる真優であった。

「……な、名前で……。そ、そのぉ……。」

「……はい?」

「名前で呼んでることなんだけどさ……。その、心ここにあらずって感じだったから……。迷惑だったのかなって……。」

「いえ、別に迷惑ではないのですが……。」
少し、昨日のことを考え込んでしまっただけです。
そう言いかけ、それを引っ込めた。

もしもそれを言ってしまえば、彼女は十中八九、それに興味を示すだろう。
そうなれば、当然それが話題の中心となる。
そして、その内容について、深く聞かれることとなるだろう。

昨日梨華に言われたことの意味。
それについて考えていた。
馬鹿正直にそう答えると、そうなってしまうだろう。

「何か悩んでたら言ってね。」

「はい、ありがとうございます。」
ぎこちなく微笑む。

嘘をついてしまった。
チクリ。
罪悪感に、真優の胸が痛んだ。

それでも、彼女に言うわけにはいかない。
聞いてはいけない。
なぜだかそう思うのであった。


やや鈍感な翔子。
自身の美貌、そしてそれに対する周囲からの視線。
それらを十分に認識することが出来ない。
それでも、そんな彼女でも今日は何かがおかしいと気づいた。
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