甘え嬢ずな海部江さん。

あさまる

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翔子に会えなかった。
そのせいなのだ。


「……う、嘘……。」
それに気づいた時、身体中が熱くなった。
それは、走ったからではない。

まさか。
そんなはずはない。
否定しても否定しても、いや、すればするほど明確なものになってしまう。


恋愛の類なのか、それとも友情の類なのか。
そのどちらなのかは分からない。
それでも、翔子のことが好きなのだ。
だから、気にしてしまう。
だから、会えないだけでおかしくなってしまうのだ。

ピーッ。
汽笛。
その音に、ハッとする真優。

しまった。
いつの間にか、電車が来てしまっていた。
彼女は、慌てて飛び乗った。


翔子の家に近づいていく。
それにより、心臓の高鳴りを感じるようになっていく。

翔子の最寄駅についた。
すぐさまホームから出て、彼女の家へ向かう。
一度しか行ったことのない場所だ。
それなのに、鮮明に覚えていた。

夕日のオレンジ色に照らさせる。
もうすぐだ。
もうすぐ到着する。
走っている為、息が苦しい。
それでも立ち止まることはなかった。

久々に全力疾走した気がする真優。
肩で息をして、倒れ込みそうになっていた。


何度か深呼吸する。
ようやく落ち着いた。

よし。
緊張しながらインターホンを鳴らす真優。


ドタドタドタ!
慌ただしい足音。
少しして、扉が開かれた。
そこにいたのは、翔子ではなく、梨華であった。

「翔子ちゃん!どこ行ってたの!?……あ、あれ?海……雨枝先輩?でしたっけ?」

「ど、どうも……。あの、海部江さんってもう帰って来てますか?」

「いえ……。あの、今日姉の学校から電話が来てたみたいなんですが、その……今日登校してないって本当なんですか?」

「うん、来てない。」

「そ、そうですか……。」
力なく、その場に座り込んでしまう梨華。

「り、梨華ちゃん!?大丈夫?」
彼女の姿に慌てて駆け寄る真優であった。

「は、はい。すみません、大丈夫です……。」
とても大丈夫だとは思えない姿の梨華。
弱々しい声で呟いた。

「と、取り合えず立てる?」

「……はい。あっ、すみません、良かったら上がって下さい……。」


とぼとぼと歩く梨華を支える真優。
リビングへ向かう二人であった。

「……姉が来るまでゆっくりしてて下さい。私、姉に連絡して来ます。」

「う、うん……。」
フラフラと立ち去る梨華へ言った。
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