はりぼてスケバン弐

あさまる

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数秒か。
それとも数分か。

そのどちらかは、両者分からない。
しかし、一刻も早くこの状況を打開したいというのは二人とも同じだった。
そんな静寂を先に破ったのは秋姫であった。

「え、えっと……取り敢えず、入る?」

「……う、うん、ありがとう。」

ぎこちない。
しかし、華子の目的の第一段階は完了した。
後は流れでどうにかしよう。
前を歩く秋姫の背中を見て決意する華子であった。


「え、えっと……急だね……。」
きこちない声で秋姫が言う。

「あっ、ごめん……。」

「あっ、違っ、そういう意味じゃ……。」

「あはは……。」

「……あはは。」


「えっと、今日はどうしたの?」
秋姫からの疑問。
当たり前といえば当たり前だろう。

わざわざ彼女が来る理由が分からない。
いや、違う。
分かっている。

先に裏切ったのは秋姫だ。
報復に来たのだろう。

今さらじたばたすることはない。
甘んじて受け入れよう。

「その……学校に行ったんだけどね……秋姫、いなかったから……。」

「え?き、来たの?……その、白百合に……?」
秋姫は彼女のその言葉に驚いた。
黒龍高校の制服を着たままである。

白百高校に、黒龍高校の生徒が近づけば注目の的だろう。
そんなもの、人見知りな華子には苦痛なはずだ。
それなのに彼女は秋姫を待っていた。
彼女の口振りから、きっと何日か行っていたのだろう。

「うん、だけど秋姫……何日探してもいなかったから……。校門から出てくる子に聞いたら休んでるって言ってたから……。」

「そ、そっか……。」
予想外。
まさか話しかけることもしていたとは思わなかった。

「その……迷惑ってのは分かってたけど……どつしても直接会って話したくて……。」

「話……。」
来た。
本題だ。

「うん。……えっと……。」

「ま、待って!」

「っ!?」
突然の大声に驚く華子。

「ごめん……先に……華子に先に言っておかなきゃいけないことがある……。」

「……うん。」

「いや、言っておくことというより……謝らなきゃいけないことというか……。」

「……うん。」

「私……その……。」

「大丈夫、ゆっくりで良いよ。」

「……うん……ありがとう。」

全て打ち明けた。
文字通り、全てだ。
黒龍高校、そして白辰高校への襲撃を画策した一人であること。
その理由が華子への嫉妬や、不良への嫌悪感であること。
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