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初恋編【破】
親友は私が守る!
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私は学校に到着して早々、教師から職員室への呼び出しを喰らった。言うまでもなく、遅刻に関してだ。こんなことはいつものことである。慣れたものだ。しかし、今日はいつもと違うことが一つあった。それは教師からのお説教を、瑠衣も一緒になって受けているという点であった。学力も上位の成績であり、遅刻など今までしたことのないような瑠衣がなぜか私の隣で一緒に怒られている。
しばらく、教師からの話が続き、ようやく解放された。私は教室に向かう廊下で瑠衣に聞いた。
「どうしたの?珍しいじゃん。瑠衣が遅刻するなんて」
すると瑠衣は、浮かない表情で私の方を見る。
「実はね…。昨日、私のSNSに知らないアカウントからメッセージで写真が送られてきてさ…」
そう言って、瑠衣はおもむろにスマホを取り出す。見せてくれた画面には、瑠衣が自宅から学校へ向かう様子の写真数枚と『いつでも君を見てるよ』というメッセージが表示されていた。
「えっ…、これって」
私は驚く。まさに、ストーカーの類だとすぐに分かった。瑠衣は可愛い。スタイルもよく、誰が見ても美少女と言って差し支えない。一方的な恋心を持ってしまうのも無理はない。それにしてもだ。これは悪質な手口すぎる。
「瑠衣、これ…」
「なんか…ずっと監視されてる気がして…。家の場所もバレてるみたいだし、私怖くて…」
―そうか。これが原因だったのか。瑠衣が遅刻した理由。自分一人では親にも教師にも警察にも相談できずに、怯えながら昨日は眠れなかったようだ。そんな重大なことをまず私に相談してくれた。親友が私を頼ってくれている。
「瑠衣!」
私は瑠衣の手を握る。
「よく私に相談してくれたね!大丈夫!!私も協力する!何とかしよう!」
正直、何ができるかなんてことはわからない。しかし、私は咄嗟にそう口に出していた。そして本心でもあった。
「あ、ありがとう…光莉」
瑠衣は私の手を握り返し、震えた声でそう言った。その時だった。瑠衣のスマホに一件の通知が入った。瑠衣はそれを開く。
「キャッ!?」
瑠衣は画面を見るや、短い悲鳴を上げスマホを床に落とした。画面が上向きに落ちたスマホを私はのぞき込む。そこには、今日の瑠衣の登校の様子の写真と『遅刻はいけないよ。明日はちゃんと時間に間に合うように登校しなきゃね。もしよかったら僕が起こしてあげようか?』というメッセージ。瑠衣は震えて、スマホを拾えない様子だった。私は瑠衣のスマホを拾い、写真を送ってきているアカウントのプロフィールへと飛んだ。アカウントは3日前に作られたもので過去の投稿などは一切なし。アイコンも設定されておらず、IDも初期設定のまま。どうやら捨てアカウントのようだ。
「卑怯者…」
私の中で、沸々と怒りが込み上げてくる。私の親友を苦しめるこのクソ野郎に。姿も見せずこそこそとやるこの手口に。すべてが私の勘に触った。私はスマホを瑠衣に返し言った。
「瑠衣!こんな卑怯なクズ野郎に負けちゃダメ!私も一緒になって戦う!こいつがどんな奴か知らないけど、私の親友にはこれ以上近づけさせないから!!」
「光莉…」
瑠衣は目に涙を溜め、私に抱き着く。
―親友は私が守る!
私は、今朝の恋の進展を後回しに、このストーカー男の撃退を誓ったのだった。
しばらく、教師からの話が続き、ようやく解放された。私は教室に向かう廊下で瑠衣に聞いた。
「どうしたの?珍しいじゃん。瑠衣が遅刻するなんて」
すると瑠衣は、浮かない表情で私の方を見る。
「実はね…。昨日、私のSNSに知らないアカウントからメッセージで写真が送られてきてさ…」
そう言って、瑠衣はおもむろにスマホを取り出す。見せてくれた画面には、瑠衣が自宅から学校へ向かう様子の写真数枚と『いつでも君を見てるよ』というメッセージが表示されていた。
「えっ…、これって」
私は驚く。まさに、ストーカーの類だとすぐに分かった。瑠衣は可愛い。スタイルもよく、誰が見ても美少女と言って差し支えない。一方的な恋心を持ってしまうのも無理はない。それにしてもだ。これは悪質な手口すぎる。
「瑠衣、これ…」
「なんか…ずっと監視されてる気がして…。家の場所もバレてるみたいだし、私怖くて…」
―そうか。これが原因だったのか。瑠衣が遅刻した理由。自分一人では親にも教師にも警察にも相談できずに、怯えながら昨日は眠れなかったようだ。そんな重大なことをまず私に相談してくれた。親友が私を頼ってくれている。
「瑠衣!」
私は瑠衣の手を握る。
「よく私に相談してくれたね!大丈夫!!私も協力する!何とかしよう!」
正直、何ができるかなんてことはわからない。しかし、私は咄嗟にそう口に出していた。そして本心でもあった。
「あ、ありがとう…光莉」
瑠衣は私の手を握り返し、震えた声でそう言った。その時だった。瑠衣のスマホに一件の通知が入った。瑠衣はそれを開く。
「キャッ!?」
瑠衣は画面を見るや、短い悲鳴を上げスマホを床に落とした。画面が上向きに落ちたスマホを私はのぞき込む。そこには、今日の瑠衣の登校の様子の写真と『遅刻はいけないよ。明日はちゃんと時間に間に合うように登校しなきゃね。もしよかったら僕が起こしてあげようか?』というメッセージ。瑠衣は震えて、スマホを拾えない様子だった。私は瑠衣のスマホを拾い、写真を送ってきているアカウントのプロフィールへと飛んだ。アカウントは3日前に作られたもので過去の投稿などは一切なし。アイコンも設定されておらず、IDも初期設定のまま。どうやら捨てアカウントのようだ。
「卑怯者…」
私の中で、沸々と怒りが込み上げてくる。私の親友を苦しめるこのクソ野郎に。姿も見せずこそこそとやるこの手口に。すべてが私の勘に触った。私はスマホを瑠衣に返し言った。
「瑠衣!こんな卑怯なクズ野郎に負けちゃダメ!私も一緒になって戦う!こいつがどんな奴か知らないけど、私の親友にはこれ以上近づけさせないから!!」
「光莉…」
瑠衣は目に涙を溜め、私に抱き着く。
―親友は私が守る!
私は、今朝の恋の進展を後回しに、このストーカー男の撃退を誓ったのだった。
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