2 / 12
こちらはシェルター村です。
いや、ここどこ?
しおりを挟む
無音だ。音が聞こえない。目も開かない。
「あー。あー。あ、声は出るんだな」
はっきりと覚えてる。俺は通り魔に刺され、ほぼ確実に死んだ。
だから多分死後の世界だ。
ゲームとかだったらここで、「ゲームオーバー」の文字が画面いっぱいに書き出されていることだろう。
が、残念ながらここはゲームの世界ではない。現実世界なのだ。超絶美少女もいなければ、ゲームオーバーもない。
一つ一つ、出来ること、考えられることを探しながらようやく目を開けることに成功した。
「は?どこだよ。ここ……」
俺の目にうつっていたものはありえない世界だった。
普通の街のような、村のような。
しかし、日本ではないということははっきりと分かる。
どちらかというと、ドイツの民族的な村みたいな……中世のヨーロッパ的な雰囲気が流れている。
「人間じゃなくね?あいつら」
ワニのような顔(説明しにくいんだ)の奴や戦闘モノのコスプレのようなものをしている奴。
なんか分からないけど「召喚!」とか言ってる奴もいるし……。
本当に色々な人間(?)や設定で俺の思考回路はシャットダウンをしていた。
因みに、俺はというと、町にあるベンチに座って、ポテチとコーラを大切そうに抱えている。
……なんだ。なんなんだ。これ。
とりあえず今起きていることを整理したいのだが、生憎思考回路がシャットダウン改めログアウトしているのでとてもではないが考えられない。
「異世界召喚ってやつか?」
ようやく動き出したと思った脳はもう正常な判断が出来なくなっていた。
いや、異世界召喚!?確かに現実味を帯びてないしありえないかなとは思う。
しかし、先ほども言ったようにここは死後の世界だ。ありえなくもないかもしれない。
「すみません。ここの国ってなんて言う名前ですか?」
「あぁ?なんだぁ。兄ちゃん、旅人かぁ?」
「え、いや。まあ、そんなとこです」
ひとまず聞き込みを開始した。言葉は日本語で通じるらしい。でも、見渡す限りは日本語表記のものはない。
……読めない。ここから先結構困る気がする。
商店街にあった果物屋の店主にまず話を聞いてみた。
「ここはシェルター村だよ。世界の果てとも言われている」
店主は気さくな人らしく、丁寧に答えてくれた。
「シェルター村……」
「あぁ。シェルター村だよ。兄ちゃんはどっから来たんだ?」
え。これって日本です。って言って通じるやつ?それとも通じないやつ?
え、どうしよう。とりあえず言ってみるか……。自殺行為じゃん。
「に、日本です」
「は?日本?聞いたことねぇ村だな」
あ。やっぱり通じなかった。今更ながら後悔する。俺が硬直していると、店主は続けた。
「それかどっか小さな島みてぇなとこか?」
「あ、島です。小さい島」
「そうか。そんなとこからわざわざシェルターまで。長旅だっただろうな」
いや。長旅も何も死んで来たので。自分ではそんな長旅じゃなかったっす。……とはさすがに言えず。
丁寧に答えてくれた店主にお礼をいうと、どってことはない。
とにこやかに返してくれた。良い人だ。
立ち去ろうとすると、おい!と店主に呼び止められた。
「なんすか?」
「これは忠告つーかなんつーか。注意しろよって話なんだけどよ。ここらで道化師が出たって噂があるんだ。気をつけろよ」
「ピエロ?」
「あぁ?兄ちゃんそんなんもしらねぇで来たのか」
いやだから、目開けたらここだったんだよ。シェルター村とか意味分かんない村に飛んでたの!
その怒りを店主にみられないように必死に抑えた。
「道化師つーのは、人の腹わたをえぐったり、首を狩ったりする捻くれ者だ。特に夜は出歩くな。気をつけたほうがいいぜ」
腹わたって……。物騒すぎるだろ。シェルター村。もう少し心穏やかに過ごせないのか。
しかし、困った。夜出歩くなと言われても家などないし、泊まれる場所も見当たらない。
「ここって泊まれる場所とかないんですか?」
「あぁ。ないぜ」
「……は?」
「だから、泊まれる場所はねぇんだよ。仕事して家建てるか、テントか。でも道化師はテントの中にいても入ってくるからな。まあ、兄ちゃん早めにこの村を出ることだな」
いや、そう言われても。どっから帰ればいいか分からないし。そんな適当過ぎる返答ならなんで呼び止めたんだよ。
「分かりました。ご忠告、ありがとうございます」
礼をして、果物屋を後にした。
てか、もう夕方じゃねぇか。送られてきた時間がどうやら昼過ぎだったらしい。ピエロとかなんとかにやられるかも……。これはガチでやばい。
「ねぇ、そこのお兄さん。少しマジックを見ていかないかい?」
あ、死亡フラグたった。
「あー。あー。あ、声は出るんだな」
はっきりと覚えてる。俺は通り魔に刺され、ほぼ確実に死んだ。
だから多分死後の世界だ。
ゲームとかだったらここで、「ゲームオーバー」の文字が画面いっぱいに書き出されていることだろう。
が、残念ながらここはゲームの世界ではない。現実世界なのだ。超絶美少女もいなければ、ゲームオーバーもない。
一つ一つ、出来ること、考えられることを探しながらようやく目を開けることに成功した。
「は?どこだよ。ここ……」
俺の目にうつっていたものはありえない世界だった。
普通の街のような、村のような。
しかし、日本ではないということははっきりと分かる。
どちらかというと、ドイツの民族的な村みたいな……中世のヨーロッパ的な雰囲気が流れている。
「人間じゃなくね?あいつら」
ワニのような顔(説明しにくいんだ)の奴や戦闘モノのコスプレのようなものをしている奴。
なんか分からないけど「召喚!」とか言ってる奴もいるし……。
本当に色々な人間(?)や設定で俺の思考回路はシャットダウンをしていた。
因みに、俺はというと、町にあるベンチに座って、ポテチとコーラを大切そうに抱えている。
……なんだ。なんなんだ。これ。
とりあえず今起きていることを整理したいのだが、生憎思考回路がシャットダウン改めログアウトしているのでとてもではないが考えられない。
「異世界召喚ってやつか?」
ようやく動き出したと思った脳はもう正常な判断が出来なくなっていた。
いや、異世界召喚!?確かに現実味を帯びてないしありえないかなとは思う。
しかし、先ほども言ったようにここは死後の世界だ。ありえなくもないかもしれない。
「すみません。ここの国ってなんて言う名前ですか?」
「あぁ?なんだぁ。兄ちゃん、旅人かぁ?」
「え、いや。まあ、そんなとこです」
ひとまず聞き込みを開始した。言葉は日本語で通じるらしい。でも、見渡す限りは日本語表記のものはない。
……読めない。ここから先結構困る気がする。
商店街にあった果物屋の店主にまず話を聞いてみた。
「ここはシェルター村だよ。世界の果てとも言われている」
店主は気さくな人らしく、丁寧に答えてくれた。
「シェルター村……」
「あぁ。シェルター村だよ。兄ちゃんはどっから来たんだ?」
え。これって日本です。って言って通じるやつ?それとも通じないやつ?
え、どうしよう。とりあえず言ってみるか……。自殺行為じゃん。
「に、日本です」
「は?日本?聞いたことねぇ村だな」
あ。やっぱり通じなかった。今更ながら後悔する。俺が硬直していると、店主は続けた。
「それかどっか小さな島みてぇなとこか?」
「あ、島です。小さい島」
「そうか。そんなとこからわざわざシェルターまで。長旅だっただろうな」
いや。長旅も何も死んで来たので。自分ではそんな長旅じゃなかったっす。……とはさすがに言えず。
丁寧に答えてくれた店主にお礼をいうと、どってことはない。
とにこやかに返してくれた。良い人だ。
立ち去ろうとすると、おい!と店主に呼び止められた。
「なんすか?」
「これは忠告つーかなんつーか。注意しろよって話なんだけどよ。ここらで道化師が出たって噂があるんだ。気をつけろよ」
「ピエロ?」
「あぁ?兄ちゃんそんなんもしらねぇで来たのか」
いやだから、目開けたらここだったんだよ。シェルター村とか意味分かんない村に飛んでたの!
その怒りを店主にみられないように必死に抑えた。
「道化師つーのは、人の腹わたをえぐったり、首を狩ったりする捻くれ者だ。特に夜は出歩くな。気をつけたほうがいいぜ」
腹わたって……。物騒すぎるだろ。シェルター村。もう少し心穏やかに過ごせないのか。
しかし、困った。夜出歩くなと言われても家などないし、泊まれる場所も見当たらない。
「ここって泊まれる場所とかないんですか?」
「あぁ。ないぜ」
「……は?」
「だから、泊まれる場所はねぇんだよ。仕事して家建てるか、テントか。でも道化師はテントの中にいても入ってくるからな。まあ、兄ちゃん早めにこの村を出ることだな」
いや、そう言われても。どっから帰ればいいか分からないし。そんな適当過ぎる返答ならなんで呼び止めたんだよ。
「分かりました。ご忠告、ありがとうございます」
礼をして、果物屋を後にした。
てか、もう夕方じゃねぇか。送られてきた時間がどうやら昼過ぎだったらしい。ピエロとかなんとかにやられるかも……。これはガチでやばい。
「ねぇ、そこのお兄さん。少しマジックを見ていかないかい?」
あ、死亡フラグたった。
0
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で
重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。
魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。
案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる