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足元がふわふわとして、
身体は海翔さんに支えられ、
壁につかれていた筈の手は、
いつのまにか服の裾から滑り込んできて、
ひんやりとした冷たい感触に身体がびくっと跳ねるように反応した。
「芽依、ごめん」
それに気づいた海翔さんが、
ハッ……としたような表情で私の顔を覗き込んできたと思ったら、
ガバッと身体を強く抱きしめながら、苦しそうな声を搾り出した。
それが耳に流れ込んできたら、
なんだか切なくなってしまって、
涙がポロリと零れ落ちてしまった。
「海翔さんのバカ。なんで謝るの?」
海翔さんに謝って欲しくなくて、
ギュッと胸に抱きついて泣きながら言うことしかできない。
「芽依、ごめん。泣くなよ」
困ったような海翔さんの声を聞いていると、益々涙が零れてきてしまう。
海翔さんが私にしたこと全部を後悔してるんじゃないかと思ったから……。
「もう、海翔さん謝ってばっかり…」
「…芽依」
チーンって音を響かせて、
目的の階まで辿り着いたと告げられても、暫く抱きついたまま動くことができなかった。
***
私は今、
海翔さんの部屋のソファーに座って、あったかいコーヒーを飲ませてもらっている。
泣いたせいで興奮状態になってしまった私を、海翔さんが膝に乗せて後ろから抱っこしてる状態で。
あの後、
なかなか泣き止まない私を横抱きに抱き上げた海翔さんが、私の部屋に送るって言ってくれたんだけど、
泣きながら帰りたくない……って子供みたいにダダをこねるから、
予定通り海翔さんがここに連れて来てくれたのだった。
「海翔さんは、私とのこと後悔してるの?」
「違う、そんなんじゃない…」
「じゃぁ、なんで?なんで謝ったの?」
「芽依を泣かしてばっかだから」
「ホントに?」
「あぁ」
「良かったぁ」
そして、
気になってたことを聞いて、
後悔してたんじゃないことが解って、
ホッとした私は、振り返って勢いに任せて海翔さんに抱きついて現在に至るんだけど…。
それから少しして、
冷静になった私は、
今になって、海翔さんの部屋に居るんだってことに意識してしまい、緊張感に襲われている。
なんとか緊張してるのを落ち着けようと、抱きつくのをやめ、
あったかいカップを両手で持って、コーヒーを啜っているのだった。
身体は海翔さんに支えられ、
壁につかれていた筈の手は、
いつのまにか服の裾から滑り込んできて、
ひんやりとした冷たい感触に身体がびくっと跳ねるように反応した。
「芽依、ごめん」
それに気づいた海翔さんが、
ハッ……としたような表情で私の顔を覗き込んできたと思ったら、
ガバッと身体を強く抱きしめながら、苦しそうな声を搾り出した。
それが耳に流れ込んできたら、
なんだか切なくなってしまって、
涙がポロリと零れ落ちてしまった。
「海翔さんのバカ。なんで謝るの?」
海翔さんに謝って欲しくなくて、
ギュッと胸に抱きついて泣きながら言うことしかできない。
「芽依、ごめん。泣くなよ」
困ったような海翔さんの声を聞いていると、益々涙が零れてきてしまう。
海翔さんが私にしたこと全部を後悔してるんじゃないかと思ったから……。
「もう、海翔さん謝ってばっかり…」
「…芽依」
チーンって音を響かせて、
目的の階まで辿り着いたと告げられても、暫く抱きついたまま動くことができなかった。
***
私は今、
海翔さんの部屋のソファーに座って、あったかいコーヒーを飲ませてもらっている。
泣いたせいで興奮状態になってしまった私を、海翔さんが膝に乗せて後ろから抱っこしてる状態で。
あの後、
なかなか泣き止まない私を横抱きに抱き上げた海翔さんが、私の部屋に送るって言ってくれたんだけど、
泣きながら帰りたくない……って子供みたいにダダをこねるから、
予定通り海翔さんがここに連れて来てくれたのだった。
「海翔さんは、私とのこと後悔してるの?」
「違う、そんなんじゃない…」
「じゃぁ、なんで?なんで謝ったの?」
「芽依を泣かしてばっかだから」
「ホントに?」
「あぁ」
「良かったぁ」
そして、
気になってたことを聞いて、
後悔してたんじゃないことが解って、
ホッとした私は、振り返って勢いに任せて海翔さんに抱きついて現在に至るんだけど…。
それから少しして、
冷静になった私は、
今になって、海翔さんの部屋に居るんだってことに意識してしまい、緊張感に襲われている。
なんとか緊張してるのを落ち着けようと、抱きつくのをやめ、
あったかいカップを両手で持って、コーヒーを啜っているのだった。
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