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番外編~ミルクと海翔先生のお留守番~
#3
しおりを挟む「ミルク、休憩行くぞ?」
「ニャーン」(はーい)
さっきの処置に使った色んなものを片付けた海翔先生に呼ばれて、いつものように、私が窓際のクッションからピョンと飛び降りると、
「ミルクはクッションがえらくお気に入りだよな。 そのクッション、そんなに寝心地が良いのか?」
しゃがみこんで、足元の私に柔らかい笑みを浮かべて聞いてくるから、海翔先生の脚にスリスリと頭を擦り付けて、
「にゃ~♪」 (寝心地なら最高だよ)
「ハハ、どうした? 甘えてんのか?」
海翔先生の顔を真っ直ぐ見上げてそっと呟いた。
それに、寝心地が良いだけじゃないんだよ?
このクッションの位置からなら、大好きな海翔先生と芽依ちゃんの幸せそうに寄り添う姿が見られるし。
何よりふたりの傍で居られることが、嬉しくて堪らないんだもん。
いつも大事にしてくれて本当にありがとう。
ふたりのお陰で幸せなんだよ。
この想いが少しでも届いてくれますようにって願いながら……。
休憩室。
芽依ちゃんがここで働くようになってから、 お休みの日のお昼になると、芽依ちゃん特製のお弁当を食べるのが楽しみになっている。
海翔先生がお弁当箱を開けると、美味しそうな卵焼きの匂いが辺り一杯に広がった。
「ニャーン」 (わぁ! 美味しそう……)
思わず感嘆の声をあげてしまった。
だって、私の大好物なんだもん……。
そして、海翔先生がその美味しそうな卵焼きを私専用のお皿に入れてくれたもんだから、
「いただきます」を言うのも忘れて食べるのに夢中になってしまった。
「ハハ、ミルク。そんなに慌てて食うなって……。 芽依がミルクの分も作ってくれたから、ほら? 砂糖と塩抜きのミルク専用のだから一杯食えるぞ。良かったなぁ?」
そんな食いしん坊な私のことを、海翔先生はとっても楽しそうに笑いながら頭を撫でてくれている。
「ニャ~ン」 (美味しい。おかわり)
私がそう言って、頭を撫でてくれている海翔先生を見上げてみると、とっても柔らかい笑顔を浮かべた海翔先生の顔が待っていて。
「ハハ、ホントにミルクは美味《うま》そうに食うよな?
ほら、ゆっくり味わって食えよ……」
「ニャーン」(はーい)
さっきと同じように、楽しそうに笑いながらお皿に入れてくれた後、海翔先生も芽依ちゃん特製のお弁当を食べ始めた。
少し空腹を満たした私が、いつものように海翔先生の様子をうかがっていると、
「愛情がこもった弁当って、冷めてもスッゲー美味ぇよな…」
凄く幸せそうに微笑みながら、小さな声で呟いたと思ったら、ソッと手の甲で目元を拭っているようだった。
どうやら、泣くほど美味しかったようだ……。
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