訳あって、推しに激似のクールな美容外科医と利害一致のソロ活婚をしたはずが溺愛婚になりました

羽村 美海

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推しとの切なくも甘い新婚生活

②※

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 央輔に変化があったのは、初夜の翌日、報酬のための子作りに励むようになってからだ。

 あの日を境に、央輔は溺愛モードのアーサー王子になりきっている。

 雰囲気は甘いしこれまで以上に優しくなった。

 一番の変化はスキンシップである。

 手つなぎやエスコートは当たり前。常に杏璃の傍に寄り添い、片時も離れようとしないのだ。

 食事のときにも隣に陣取り、隙あらばスプーン片手に「杏璃。ほら、これも美味いぞ」餌付けまでしようとした。

 挙げ句の果てには、杏璃を散々翻弄した後、バスルームにまで着いてこようとする始末。

 全力で阻止したものの「無理させたお詫びを兼ねて洗ってやるから遠慮するな」そう言ってくる央輔に、脱力した杏璃は為す術もない。

 それでも、羞恥には敵わず杏璃は俯いて縮こまっていた。

『杏璃、そんなに俯いたら洗えないだろ』

 央輔に指摘されたところで、羞恥で顔を上げられない。

 そうでないと、央輔の裸体が視界に入ってくるのだ。ましてや、明るいバスルームである。美術館に展示されている彫刻もかくやと見違えるほど、程よく筋肉のついた逞しい肉体美は刺激が強すぎる。

 そんなの当然だ。

 理想の男性を体現したアーサー王子と瓜二つどころか、正真正銘、推し本人なのだから。

 しかも、推しに自身の裸体も晒しているのだ。恥ずかしいに決まっている。

 だから『顔を上げられない』と伝えたくて、杏璃は消え入りそうな声で正直に答えたのだ。

『……だって……恥ずかしくて、目のやり場が……』
『なら、こうしようか』

 ――わかってもらえたようで、よかった。

 央輔の言葉に安堵しかけた杏璃の身体がクルッと反転させられ、背後から包み込まれた。

 もちろん、それで終わりではない。

 背中に密着した央輔が耳元で『これなら、見えないだろ』と囁きながら項にキスを落とす。

 それから杏璃の身体にボディーソープをかけ、大きな手で隈なく丁寧に清めはじめた。

 冷たい感触に思わず『ひゃんっ』と高い声を漏らした杏璃の乳房を手のひらで揉みくちゃにする。

 ボディーソープのにゅるにゅるとした感触がえもいわれぬ快感を湧き起こす。おかげで、指で乳首をピンッと弾かれただけで、身体が仰け反ってしまう。

『あっ、やぁん……!』

 自身のあられもない声がバスルームに反響して羞恥心が煽られる。

 恥ずかしくてどうしようもない。

 声を抑えようにも、央輔が休みなく快感を与えてくるため叶わない。ましてや、寝室で何度も愛され身体は敏感になってしまっている。

 少し触れられただけで快感を得てしまう。

 容赦のない愛撫から逃れようにも、央輔に背後からホールドされているので無理だ。央輔の逞しい腕の中で、甘すぎる快感に悶えながら身を捩り喘ぐことしかできない。

 ふいに愛撫が途絶えた。

 杏璃が乱れた呼吸を整えていると太腿に何かが触れる。それが央輔の腕だと理解したときには、央輔の手が股間へと到達していた。

『あっ、やあだ。ソコ……だめぇ』

 胸への愛撫だけで軽く達したのだ。今触れられたら、すぐに絶頂を極めてしまうに違いない。

 これ以上快感を与えられたら、自分はどうなってしまうのだろうか――脳裏に不安が過る。

 何より、自身のはしたない反応に気づかれてしまう。

 杏璃のささやかな抵抗も虚しく、央輔にすべて曝かれてしまうのだった。

『こんなにグチャグチャにして、嫌なんて言っても説得力がないぞ』

 耳元で意地悪な台詞を囁きながら、溢れた蜜を掬った指を杏璃の眼前に掲げてくる。

 男らしく節くれ立った指に愛蜜がベールのように纏わり付いている。

 その様がとてつもなく淫靡だ。

 意地悪な声で『素直になれ、ほら』そう視線を促されても、直視できない。

 パッと目をそらしたまま真っ赤になって慄く杏璃に、央輔が意外な言葉を囁いた。
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