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妻達の弱みを握っていたのは……
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「何よそれ!? もう……お前みたいに使えない女を雇うのではなかったわ! 考えてもみなさいよ、私がレイモンド様の妻になっていたならお前は今でもフレン家の侍女長でいられたのよ? もっと早くにお前が気を利かせて侍女長という権限を駆使して私とレイモンド様を引き合わせてくれていたなら……こんなに悩むことはなかったのに!」
「ええっ!? お待ちください、それはあまりにもおかしい話ではありませんか? そもそも最初に貴女がそれを教えてくださっていたら私もそのように動きましたよ。何故、教えてくださらなかったのです?」
「お黙り! それくらい察して当然でしょう!? お前が鈍感なだけよ! 私のせいにしないで!」
正直どっちもどっちだ。エルザは肝心なこと、自分がレイモンドを好いているからそんな命令を下したということを『言わなくても分かるだろう』と勝手に思い込み、今の今まで黙っていたことは悪手である。
そして元侍女長はどうしてそんな命令をされたのかを知ろうともせず、考えもせず、ただ命じられた通りに動いた。何も考えない彼女はシスティーナの危険性も知ろうとせず、無礼な態度をとった挙句の結果がこれだ。
エルザの言う『察して当然』というのは聡明な人間相手に成り立つことである。
ただ、聡明な人間ならばこんな馬鹿げたことに加担する可能性は低い。お金だけ受け取って姿を消すか、もしくは命じられたことをやらずにしらばっくれたまま侍女長という立場を享受するかのどちらかだろう。
貴族家の婚姻を邪魔することがどれだけのことか、それを考える頭があれば分かるはずだ。貴族の婚姻は平民の婚姻とは違い政略である。家同士の利益が絡んでいるため、それを邪魔することは両家に損害を与えるも同然。
今まではレイモンドが鈍感で、妻達も事を荒立てたくなかったから元侍女長には何の被害も及ばなかった。だが、システィーナは違う。フレン家とベロア家の婚姻を邪魔し、得るはずの利益を損なわせようとする者は徹底的に排除する心構えなのだから。
「お前が使えないせいで私は主人に離婚を言い渡されたのよ!? どうしてくれるの!」
「はい……? あの、フレン伯爵様を好いているのですよね? なら、別に離婚してもいいのではありませんか?」
「よくないわよ! 離婚なんてしたらもうレイモンド様に会う機会なんて無くなるのよ!? そうなる前にあの御方と結ばれたかったのに……お前のせいよ!」
「? それが何故私のせいなのですか? おっしゃる意味がよく分かりません……」
エルザの滅茶苦茶な理論に元侍女長は不可解という表情で首を傾げた。
「お前がもっと早く私の真意を汲み取っていればよかったからよ! とにかく、お前のせいなのだからお前が何とかなさい!」
「ええ……それは無理ですよ。あのフレン伯爵夫人に仇成すような真似をしたら今度こそこの世から消されてしまいます……。そうでなくともアリーお嬢様達のように悲惨な末路を辿ることになってしまう……そんなのは嫌です」
「は? ……アリーって、パメラお従姉様の幼馴染よね? 彼女に何かあったの?」
「ご存じないのですか……? アリーお嬢様達は強制的に平民の家へ嫁入りさせられました」
「え!? 平民に? だって二人は男爵家の令嬢でしょう? それがどうして平民に……」
「……あの件がフレン伯爵夫人に知られてしまったからですよ。伯爵様の愛人を偽り、商会から勝手に商品を購入し、その支払いをフレン家に押し付けたあの件を……」
「はあ? だってあれはもう何年も前の話でしょう? しかもあの女が嫁ぐ前の話じゃない! なんで今更掘り返してくるのよ?」
「過去のことだとしても、フレン家の財産を横領した罪は消えません。アリーお嬢様達はその償いとして、身売りのような形で嫁がれました……。そこで働いて借金を返すそうなので……もうこちらに戻ることはないでしょうね」
「身売り……? 働いて借金を返す? え……なに、それ……」
問い返したエルザの声はひどくかすれていた。
貴族令嬢が借金を返すために強制的に嫁に出されるという悲惨な有様を想像し、恐怖で背筋がこわばる。身の回りのことすら自分で出来ない令嬢が働くなんてどれだけ大変なことか、考えなくとも分かる。
「いや……ちょっと待って、だったらパメラお従姉様も同罪よね? でも、お従姉様は使った分のお金を返せと言われてなさそうよ……?」
あの従姉のことだ。そんな話がくればすぐにでもエルザの元に苦情を言いに来るに決まっている。そして、お前が唆したのだから代わりにその金を返せとも言いそうだ。
「それが何故かは私には分かりません……。ですが、フレン伯爵夫人はパメラお嬢様だけを見逃すような甘い方ではありません。エルザ様も、お嬢様達を唆した事について言及される恐れはあります」
元侍女長の言葉をエルザは馬鹿馬鹿しいと鼻で笑った。
「あら、私は彼女達に強制はしていないわよ? 勝手にレイモンド様の愛人を名乗って、勝手に商品の代金をフレン家へ請求したのは彼女達の意志よ。何より私はフレン家の財産を勝手に使うような真似はしていないもの。責められる筋合いはないわ!」
自信満々に言うエルザに元侍女長は力なく「そうですか……」と呟いた。
この人は分かっていない、フレン伯爵夫人の恐ろしさを。
責められることはなくても、あの御方に目をつけられること自体が恐ろしいのだ。
「パメラお従姉様がどうなろうと知ったことではないわ。それより、どうにかしてレイモンド様と会えるようにしなさい。邪魔な夫やあの女がいない場所で二人きりで話せば、レイモンド様はきっと私のことを好きになるはずよ!」
この人は何処からそんな自信が湧いてくるのだろう、と元侍女長は呆れた目線をエルザに向けた。確かに容姿は綺麗で艶やかだ。だが、長年フレン家にいたからこそ分かる。レイモンドの女性の好みというものを。
(伯爵様は儚げな美人以外見向きもしないのよね……)
レイモンドは好みではない女性には見向きもしないし、手も出さない。
そしてエルザは彼の好みからは外れている。
そうでなくとも晩餐会での奇行で引かれているというのに、どこからそんな自信が湧いてくるのか理解できない。
「お言葉ですが、もう諦めた方がよろしいかと……。フレン伯爵夫人に敵対するような真似は己の身を滅ぼすことになります」
「あんな小娘がなんだと言うの? いくら権力があろうとも、今までの妻のように弱みを握ってしまえばこちらの言いなりになるわ!」
「あの……その“弱みを握る”とは何なのですか?」
レイモンドのこれまでの妻の弱みを握っていたのはエルザだ。
しかし、元侍女長はエルザがどのような弱みを握ったのか、その詳細までは知らない。
「いいわ、教えてあげる。…………………………というものよ」
それを聞いた元侍女長の頬からはすっと血の気が引いていく。
あまりのおぞましさに顔色はみるみるうちに青白くなり、呼吸が乱れていった。
「そ……そのようなことをなさっていたのですか?」
知らなかったとはいえ、そんなおぞましいことを考え実行するような人に加担していた。それを今更自覚し、恐ろしさで体が小刻みに震えだす。
「ええ、あの小娘も同じ目に遭わせてやるわ」
それを聞いた瞬間、侍女長は反射的に「あ、あの!」と大声で叫んでいた。
「な、なに? うるさいわね! いきなり大きな声を出さないでちょうだい!」
「申し訳ございません……! でも、あの……どうにかして貴女と伯爵様が会えるように致しますので、どうかそれを実行に移すのは待っていただけませんか?」
「あら? どういう心境の変化かしら……。まあ、いいわ。レイモンド様にお会いできるのなら待ってあげる」
一気に機嫌が良くなったエルザを見て元侍女長は冷や汗を垂らして安堵した。
この人がもし今言ったようなことを実行すれば、自分も共犯と見做されかねない。
そうなったらどんな罰を受けることになるか……考えただけで恐ろしかった。
「ええっ!? お待ちください、それはあまりにもおかしい話ではありませんか? そもそも最初に貴女がそれを教えてくださっていたら私もそのように動きましたよ。何故、教えてくださらなかったのです?」
「お黙り! それくらい察して当然でしょう!? お前が鈍感なだけよ! 私のせいにしないで!」
正直どっちもどっちだ。エルザは肝心なこと、自分がレイモンドを好いているからそんな命令を下したということを『言わなくても分かるだろう』と勝手に思い込み、今の今まで黙っていたことは悪手である。
そして元侍女長はどうしてそんな命令をされたのかを知ろうともせず、考えもせず、ただ命じられた通りに動いた。何も考えない彼女はシスティーナの危険性も知ろうとせず、無礼な態度をとった挙句の結果がこれだ。
エルザの言う『察して当然』というのは聡明な人間相手に成り立つことである。
ただ、聡明な人間ならばこんな馬鹿げたことに加担する可能性は低い。お金だけ受け取って姿を消すか、もしくは命じられたことをやらずにしらばっくれたまま侍女長という立場を享受するかのどちらかだろう。
貴族家の婚姻を邪魔することがどれだけのことか、それを考える頭があれば分かるはずだ。貴族の婚姻は平民の婚姻とは違い政略である。家同士の利益が絡んでいるため、それを邪魔することは両家に損害を与えるも同然。
今まではレイモンドが鈍感で、妻達も事を荒立てたくなかったから元侍女長には何の被害も及ばなかった。だが、システィーナは違う。フレン家とベロア家の婚姻を邪魔し、得るはずの利益を損なわせようとする者は徹底的に排除する心構えなのだから。
「お前が使えないせいで私は主人に離婚を言い渡されたのよ!? どうしてくれるの!」
「はい……? あの、フレン伯爵様を好いているのですよね? なら、別に離婚してもいいのではありませんか?」
「よくないわよ! 離婚なんてしたらもうレイモンド様に会う機会なんて無くなるのよ!? そうなる前にあの御方と結ばれたかったのに……お前のせいよ!」
「? それが何故私のせいなのですか? おっしゃる意味がよく分かりません……」
エルザの滅茶苦茶な理論に元侍女長は不可解という表情で首を傾げた。
「お前がもっと早く私の真意を汲み取っていればよかったからよ! とにかく、お前のせいなのだからお前が何とかなさい!」
「ええ……それは無理ですよ。あのフレン伯爵夫人に仇成すような真似をしたら今度こそこの世から消されてしまいます……。そうでなくともアリーお嬢様達のように悲惨な末路を辿ることになってしまう……そんなのは嫌です」
「は? ……アリーって、パメラお従姉様の幼馴染よね? 彼女に何かあったの?」
「ご存じないのですか……? アリーお嬢様達は強制的に平民の家へ嫁入りさせられました」
「え!? 平民に? だって二人は男爵家の令嬢でしょう? それがどうして平民に……」
「……あの件がフレン伯爵夫人に知られてしまったからですよ。伯爵様の愛人を偽り、商会から勝手に商品を購入し、その支払いをフレン家に押し付けたあの件を……」
「はあ? だってあれはもう何年も前の話でしょう? しかもあの女が嫁ぐ前の話じゃない! なんで今更掘り返してくるのよ?」
「過去のことだとしても、フレン家の財産を横領した罪は消えません。アリーお嬢様達はその償いとして、身売りのような形で嫁がれました……。そこで働いて借金を返すそうなので……もうこちらに戻ることはないでしょうね」
「身売り……? 働いて借金を返す? え……なに、それ……」
問い返したエルザの声はひどくかすれていた。
貴族令嬢が借金を返すために強制的に嫁に出されるという悲惨な有様を想像し、恐怖で背筋がこわばる。身の回りのことすら自分で出来ない令嬢が働くなんてどれだけ大変なことか、考えなくとも分かる。
「いや……ちょっと待って、だったらパメラお従姉様も同罪よね? でも、お従姉様は使った分のお金を返せと言われてなさそうよ……?」
あの従姉のことだ。そんな話がくればすぐにでもエルザの元に苦情を言いに来るに決まっている。そして、お前が唆したのだから代わりにその金を返せとも言いそうだ。
「それが何故かは私には分かりません……。ですが、フレン伯爵夫人はパメラお嬢様だけを見逃すような甘い方ではありません。エルザ様も、お嬢様達を唆した事について言及される恐れはあります」
元侍女長の言葉をエルザは馬鹿馬鹿しいと鼻で笑った。
「あら、私は彼女達に強制はしていないわよ? 勝手にレイモンド様の愛人を名乗って、勝手に商品の代金をフレン家へ請求したのは彼女達の意志よ。何より私はフレン家の財産を勝手に使うような真似はしていないもの。責められる筋合いはないわ!」
自信満々に言うエルザに元侍女長は力なく「そうですか……」と呟いた。
この人は分かっていない、フレン伯爵夫人の恐ろしさを。
責められることはなくても、あの御方に目をつけられること自体が恐ろしいのだ。
「パメラお従姉様がどうなろうと知ったことではないわ。それより、どうにかしてレイモンド様と会えるようにしなさい。邪魔な夫やあの女がいない場所で二人きりで話せば、レイモンド様はきっと私のことを好きになるはずよ!」
この人は何処からそんな自信が湧いてくるのだろう、と元侍女長は呆れた目線をエルザに向けた。確かに容姿は綺麗で艶やかだ。だが、長年フレン家にいたからこそ分かる。レイモンドの女性の好みというものを。
(伯爵様は儚げな美人以外見向きもしないのよね……)
レイモンドは好みではない女性には見向きもしないし、手も出さない。
そしてエルザは彼の好みからは外れている。
そうでなくとも晩餐会での奇行で引かれているというのに、どこからそんな自信が湧いてくるのか理解できない。
「お言葉ですが、もう諦めた方がよろしいかと……。フレン伯爵夫人に敵対するような真似は己の身を滅ぼすことになります」
「あんな小娘がなんだと言うの? いくら権力があろうとも、今までの妻のように弱みを握ってしまえばこちらの言いなりになるわ!」
「あの……その“弱みを握る”とは何なのですか?」
レイモンドのこれまでの妻の弱みを握っていたのはエルザだ。
しかし、元侍女長はエルザがどのような弱みを握ったのか、その詳細までは知らない。
「いいわ、教えてあげる。…………………………というものよ」
それを聞いた元侍女長の頬からはすっと血の気が引いていく。
あまりのおぞましさに顔色はみるみるうちに青白くなり、呼吸が乱れていった。
「そ……そのようなことをなさっていたのですか?」
知らなかったとはいえ、そんなおぞましいことを考え実行するような人に加担していた。それを今更自覚し、恐ろしさで体が小刻みに震えだす。
「ええ、あの小娘も同じ目に遭わせてやるわ」
それを聞いた瞬間、侍女長は反射的に「あ、あの!」と大声で叫んでいた。
「な、なに? うるさいわね! いきなり大きな声を出さないでちょうだい!」
「申し訳ございません……! でも、あの……どうにかして貴女と伯爵様が会えるように致しますので、どうかそれを実行に移すのは待っていただけませんか?」
「あら? どういう心境の変化かしら……。まあ、いいわ。レイモンド様にお会いできるのなら待ってあげる」
一気に機嫌が良くなったエルザを見て元侍女長は冷や汗を垂らして安堵した。
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