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十五話 この子たち……ボクと同じような気がするんです
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明石川にかかる嘉永橋を越えて
大きなハカリ工場のコンクリートの壁沿いを進む。
そこを向かって左に曲がるとダイカンキホームセンターがある。
ドカンちゃんが自転車でエッチラオッチラ進んでいくと、
ホームセンターの巨大な駐車場があり、
そこの十本ほどの大きなサクラの巨木があった。
一面に咲き乱れる美しいソメイヨシノのサクラ。
「うわーキレイ!」
ドカンちゃんが目を輝かせた。
しかし、その直後、ドカンちゃんは首をかしげる。
「あれ?今何月だっけ?」
「こまけーことはいいんだよ、ここは、私の思念に影響された
ザ・ワールドだから、常にこの場所が一番キレイな花が咲き乱れるように
なっているんだよ!」
チカンちゃんが自転車のカゴをユサユサ揺らしながた言った。
「え?そうなの?チカンちゃんって、もしかしてお花の精霊?」
「まあ、そんなもんだな、エッヘン!」
チカンちゃんは腕組みをしてふんぞりかえった。
「ねえねえ、中に入ってみようよ!」
ドカンちゃんがわくわくしながら言った。
「そうだね!」
チカンちゃんが同意した。
「うわー広い!」
ドカンちゃんっは中を見て驚いた。
むちゃくちゃ
広い。
家に引きこもっていた時は、こんな世界が世の中に
ひろがっているなんて思ってもみなかった。
もし、無理矢理連れてこられても、きっと
何も目に映らなかっただろう。
建物を入ると右に自転車売り場、左に観葉植物が
売っている。
「わあ、キレイな花」
茎の上にオレンジ色でラッパ状の花が円形にマンマルに咲いている。
「これは君子蘭だよ、このお花は耐寒温度が5°Cだからお庭には
植えられないよ。室内用だね」
チカンちゃんが言った。
「ねえ、もっと先に行ってみようよ!」
「そうだね!」
その先に薬局、
薬局の向こうに熱帯魚売り場があった。
そこにはピンク色でマンマルの金魚が泳いでいた。
名前はピンポンボールだった。
「おもしろいね~」
「このお魚も温熱器がないとそだてられない
お魚だね。お庭の池にはなしちゃいけないんだよ」
「そうなんだ、じゃあ、どのお魚なら外飼いできるの?」
「錦鯉かな」
「えーそんなの高くて買えないよ」
「でも小さいのなら六〇〇円くらいであるよ、ほら」
チカンちゃんが指をさす方向に錦鯉の二十センチくらいの子供がいた。
たしかに六〇〇円だった。
「そうなんだ~」
ドカンちゃんには新鮮なことばかりだった。
そのを少し進むと、
六角形のプラスチックケースがあり、
その中に二匹のテグーが居た。
テグーは二匹一緒に一生懸命、ネズミ車を回していた。
「うわ~かわいい~」
ドカンちゃんは目を輝かせた。
「きてよかったね~」
チカンちゃんがニッコリ笑っていった。
「ね~」
ドカンちゃんは相づちをうった。
そこを右に曲がると、動物売り場だった。
「うわ~すごいよ、ワンちゃんと猫ちゃんがいっぱいいる~」
ドカンちゃんは大喜びだ。
ドカンちゃんは無意識に猫ちゃんが入っているショーケースに
手をついてしまった。
「ちょっと、あんた」
鋭い声にドカンちゃんはビクッとした。
「え、あ、はい、なんでしょうか」
誰もいない。
「こっちよ、こっちだってば」
声のする下のほうを見る。
チカンちゃんと同じくらいの大きさの髪の毛が黒と白と茶色の
猫耳がはえた女の子が立っていた。
女の子は絣の着物を着ている。
まるで江戸時代に出てくる村娘みたいな素朴な格好だ。
でも、髪型は大正時代みたいなおかっぱ。
「あなた、ガラスに手をついちゃだめでしょ、
ガラスを叩かないでねって書いてあるじゃない!」
「え、ごめんなさい、でも叩いてはいないですよ」
「手を付けるだけでも指紋がつくからだめなの!
可愛い猫ちゃんの顔がぼんやりしか見えなくなるでしょ!」
「ご、ごめんなさい」
ドカンちゃんは謝った。
「私の名はキャリ子、この敷地の地霊よ、これからここに来る時は、
私に挨拶することね」
「はい、わかりました、よろしくお願いします。
「分かればいいのよ、分かれば、おほほほほ」
格好は町娘みたいなのに、態度がむっちゃ高飛車。
すごいギャップがある。
「ところで、今日は何を見にいらしたのかしら」
「はい、マンションの屋上に植えるお花をしらべに来たんです」
「あら、それならちょうどいいわ、いい子がいるのよ、いらっしゃい」
キャラ子はいそいそと歩き出した。
ドカンちゃんはトコトコとついていった、チカンちゃんはヨチヨチと歩いた。
外に出て、お花売り場の一番端っこ、肥料売り場との境目までキャリ子は来た。
「この子たちよ、ばばーん!」
キャリ子が紹介したのは、売れ残りの植物たちだった。
「早く植えて~、しむ~、しんでしまう~」
何か呻いている。
「え~」
チカンちゃんがすごいイヤな顔をした。
「イヤな顔してんじゃないの!あんたもお花の地霊なら、
率先してこの子たちを救うべきでしょ」
「しらんがな!」
チカンちゃんは言い返した。
「ちょっと待って下さい!」
ドカンちゃんが言った。
「川崎さん!」
チカンちゃんが言葉を続けた。
「あんた、話の腰折ってんじゃないわよ」
キャリ子はチカンちゃんの胸ぐらをつかんだ。
「ぎゃ~やめてよ~やめてよ~」
チカンちゃんは手をバタバタさせる。
「この子たち……ボクと同じような気がするんです。
誰からも買ってもらえなくて、しおれて、
あとは死を待つばかり、だから、
ボクが買ってあげないといけないと思うんです!」
その言葉を聞いてキャリ子の目が輝く。
「すっごーい!この子すごいわ!」
「すごいでしょ~ドカンちゃんはすっごいんだよ!エッヘン!」
チカンちゃんは胸を張った。
ドカンちゃんは値札を見る。
元々一二〇〇円の植木が二〇〇円とか三〇〇円とか。
「うわっ、やすい」
「はっきり言って、仕入れ値を下回っているわ、でも、それでも
ここのお店の人も、捨てるより、少しでも誰かに買ってほしい
という思いがあるから、この値段で売っているのよ」
キャリ子は毅然とした態度でそう言った。
「分かりました、買います!」
ドカンちゃんは二〇〇円の梅、三〇〇円の照手桃二本、菊桃一本を買った。
全て大きさは十五センチくらい。
枯れかけていて、どんな花かも分からない。それでも買った。
ドカンちゃんはレジでお会計を済ませると、いそいで
木戸さんの家に向かった。
(二〇〇円で買った梅は今では2メートルを超えました)
大きなハカリ工場のコンクリートの壁沿いを進む。
そこを向かって左に曲がるとダイカンキホームセンターがある。
ドカンちゃんが自転車でエッチラオッチラ進んでいくと、
ホームセンターの巨大な駐車場があり、
そこの十本ほどの大きなサクラの巨木があった。
一面に咲き乱れる美しいソメイヨシノのサクラ。
「うわーキレイ!」
ドカンちゃんが目を輝かせた。
しかし、その直後、ドカンちゃんは首をかしげる。
「あれ?今何月だっけ?」
「こまけーことはいいんだよ、ここは、私の思念に影響された
ザ・ワールドだから、常にこの場所が一番キレイな花が咲き乱れるように
なっているんだよ!」
チカンちゃんが自転車のカゴをユサユサ揺らしながた言った。
「え?そうなの?チカンちゃんって、もしかしてお花の精霊?」
「まあ、そんなもんだな、エッヘン!」
チカンちゃんは腕組みをしてふんぞりかえった。
「ねえねえ、中に入ってみようよ!」
ドカンちゃんがわくわくしながら言った。
「そうだね!」
チカンちゃんが同意した。
「うわー広い!」
ドカンちゃんっは中を見て驚いた。
むちゃくちゃ
広い。
家に引きこもっていた時は、こんな世界が世の中に
ひろがっているなんて思ってもみなかった。
もし、無理矢理連れてこられても、きっと
何も目に映らなかっただろう。
建物を入ると右に自転車売り場、左に観葉植物が
売っている。
「わあ、キレイな花」
茎の上にオレンジ色でラッパ状の花が円形にマンマルに咲いている。
「これは君子蘭だよ、このお花は耐寒温度が5°Cだからお庭には
植えられないよ。室内用だね」
チカンちゃんが言った。
「ねえ、もっと先に行ってみようよ!」
「そうだね!」
その先に薬局、
薬局の向こうに熱帯魚売り場があった。
そこにはピンク色でマンマルの金魚が泳いでいた。
名前はピンポンボールだった。
「おもしろいね~」
「このお魚も温熱器がないとそだてられない
お魚だね。お庭の池にはなしちゃいけないんだよ」
「そうなんだ、じゃあ、どのお魚なら外飼いできるの?」
「錦鯉かな」
「えーそんなの高くて買えないよ」
「でも小さいのなら六〇〇円くらいであるよ、ほら」
チカンちゃんが指をさす方向に錦鯉の二十センチくらいの子供がいた。
たしかに六〇〇円だった。
「そうなんだ~」
ドカンちゃんには新鮮なことばかりだった。
そのを少し進むと、
六角形のプラスチックケースがあり、
その中に二匹のテグーが居た。
テグーは二匹一緒に一生懸命、ネズミ車を回していた。
「うわ~かわいい~」
ドカンちゃんは目を輝かせた。
「きてよかったね~」
チカンちゃんがニッコリ笑っていった。
「ね~」
ドカンちゃんは相づちをうった。
そこを右に曲がると、動物売り場だった。
「うわ~すごいよ、ワンちゃんと猫ちゃんがいっぱいいる~」
ドカンちゃんは大喜びだ。
ドカンちゃんは無意識に猫ちゃんが入っているショーケースに
手をついてしまった。
「ちょっと、あんた」
鋭い声にドカンちゃんはビクッとした。
「え、あ、はい、なんでしょうか」
誰もいない。
「こっちよ、こっちだってば」
声のする下のほうを見る。
チカンちゃんと同じくらいの大きさの髪の毛が黒と白と茶色の
猫耳がはえた女の子が立っていた。
女の子は絣の着物を着ている。
まるで江戸時代に出てくる村娘みたいな素朴な格好だ。
でも、髪型は大正時代みたいなおかっぱ。
「あなた、ガラスに手をついちゃだめでしょ、
ガラスを叩かないでねって書いてあるじゃない!」
「え、ごめんなさい、でも叩いてはいないですよ」
「手を付けるだけでも指紋がつくからだめなの!
可愛い猫ちゃんの顔がぼんやりしか見えなくなるでしょ!」
「ご、ごめんなさい」
ドカンちゃんは謝った。
「私の名はキャリ子、この敷地の地霊よ、これからここに来る時は、
私に挨拶することね」
「はい、わかりました、よろしくお願いします。
「分かればいいのよ、分かれば、おほほほほ」
格好は町娘みたいなのに、態度がむっちゃ高飛車。
すごいギャップがある。
「ところで、今日は何を見にいらしたのかしら」
「はい、マンションの屋上に植えるお花をしらべに来たんです」
「あら、それならちょうどいいわ、いい子がいるのよ、いらっしゃい」
キャラ子はいそいそと歩き出した。
ドカンちゃんはトコトコとついていった、チカンちゃんはヨチヨチと歩いた。
外に出て、お花売り場の一番端っこ、肥料売り場との境目までキャリ子は来た。
「この子たちよ、ばばーん!」
キャリ子が紹介したのは、売れ残りの植物たちだった。
「早く植えて~、しむ~、しんでしまう~」
何か呻いている。
「え~」
チカンちゃんがすごいイヤな顔をした。
「イヤな顔してんじゃないの!あんたもお花の地霊なら、
率先してこの子たちを救うべきでしょ」
「しらんがな!」
チカンちゃんは言い返した。
「ちょっと待って下さい!」
ドカンちゃんが言った。
「川崎さん!」
チカンちゃんが言葉を続けた。
「あんた、話の腰折ってんじゃないわよ」
キャリ子はチカンちゃんの胸ぐらをつかんだ。
「ぎゃ~やめてよ~やめてよ~」
チカンちゃんは手をバタバタさせる。
「この子たち……ボクと同じような気がするんです。
誰からも買ってもらえなくて、しおれて、
あとは死を待つばかり、だから、
ボクが買ってあげないといけないと思うんです!」
その言葉を聞いてキャリ子の目が輝く。
「すっごーい!この子すごいわ!」
「すごいでしょ~ドカンちゃんはすっごいんだよ!エッヘン!」
チカンちゃんは胸を張った。
ドカンちゃんは値札を見る。
元々一二〇〇円の植木が二〇〇円とか三〇〇円とか。
「うわっ、やすい」
「はっきり言って、仕入れ値を下回っているわ、でも、それでも
ここのお店の人も、捨てるより、少しでも誰かに買ってほしい
という思いがあるから、この値段で売っているのよ」
キャリ子は毅然とした態度でそう言った。
「分かりました、買います!」
ドカンちゃんは二〇〇円の梅、三〇〇円の照手桃二本、菊桃一本を買った。
全て大きさは十五センチくらい。
枯れかけていて、どんな花かも分からない。それでも買った。
ドカンちゃんはレジでお会計を済ませると、いそいで
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