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六十一話 タイコンデロガ砦
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演説が終わったあと、サーバルは俺を商館の一室に呼び出した。
「悪いけど、お前らボストンから出て行ってくれへんか」
「都合の悪い質問をしたからですか? 」
「違うで。実はこのボストンな、占領したとはいえ、補給部隊が王国軍のドーベルマンとかいう将軍に
襲われてな、すでに包囲されかかっとるのや。正直言うてお前らに食わせるメシはない。
既存駐屯軍を食わせるだけで精一杯や。その正規軍も物資調達のために各地に派遣しとる始末や」
「なら、ぜひ僕たちにもその調達部隊に参加させてください」
「ええんか? そら、ありがたいけどな、そうや、それやったらお前と同郷の奴の
部隊に配属したるわ。
それにしてもお前もアホやなあ。素直にボストン攻略戦に参加しとったら、
今頃指揮官にでもなれとったのに」
「自分の信念があってやったことです。後悔はありませんよ」
俺は笑顔でそう言って、商館を出た。
「おお! 増援部隊を申請してたけど、お前たちか。これは心強いな」
背後から女の声がした。
振り返ると、そこにトラ子がいた。
「トラ子か! 」
俺たちははガッシリと握手をした。
「今は長靴部隊の部隊長さ。長靴部隊は元々傭兵隊長だったお前の父親の部隊だったから
心苦しかったんだが、いずれお前が出世したらこの部隊はお前に返せるよう、上に
申請するつもりだ」
「気にしないでくれ、今は我々の国、猫の国のために全力で戦おう」
俺たちは終始笑顔でそんな会話をした。
俺たちが向かう先はタイコンデロガ砦だ。
王国側の物資と弾薬が貯蔵していある貯蔵庫でもある」
タイコンデロガ砦はタイコンデロガの町より東の川縁にあった。
地元のレジスタンス組織、グリーンマウンテンガールズの手引きで砦が見える場所まで
いってきたが、がっちりとした石垣で囲まれ、レンガ作りの要塞で、けっこう手ごわそうだった。
そこからレジスタンスのアジトまで帰った。
アジトは地下の洞窟の中にあり、俺はレジスタンスのリーダーと会った。
俺は目を見開いた。
「おい、シアンちゃんじゃないか」
「あら、タケじゃない、おひさしぶり」
「レジスタンスなんてやってたの?」
「内乱で学校も閉鎖されるし、私も猫だから猫の国のためなら、
なにかしたくなるじゃない」
「ほんとに迷惑だよね~」
横に居たシアンちゃんが能天気にそう言った。
この二人はいつ見ても変わらない。
早速、俺の部隊が潜伏している場所までシアンちゃんたちを案内した。
森の中でシアンちゃんたちを指揮官のトラ子に紹介する。
「あら、あなた学校に居たトラ子さんね」
「はい」
「よろしく」
「こちらこそよろしく」
覚めた表情でシアンちゃんとトラ子が挨拶した。
あとでシアンちゃんが俺のところに来た。
「悪いけど、あのこのには近づかないほうがいいわ。あの子には反骨の相がある」
「なんですかその、相ってのは」
「東洋呪術の人相というやつよ」
「何か証拠があるわけじゃないんでしょ? 」
「証拠は無いわ。いわば直観みたいなものね」
「そんなのこで決めつけないでくださいよ、トラ子はいい子ですよ」
俺はそう言って、シアンちゃんをたしなめた。
「私の予感がはずれてくれればいいんだけどね」
シアンちゃんは少しアンニュイな表情でそう呟いた。
「悪いけど、お前らボストンから出て行ってくれへんか」
「都合の悪い質問をしたからですか? 」
「違うで。実はこのボストンな、占領したとはいえ、補給部隊が王国軍のドーベルマンとかいう将軍に
襲われてな、すでに包囲されかかっとるのや。正直言うてお前らに食わせるメシはない。
既存駐屯軍を食わせるだけで精一杯や。その正規軍も物資調達のために各地に派遣しとる始末や」
「なら、ぜひ僕たちにもその調達部隊に参加させてください」
「ええんか? そら、ありがたいけどな、そうや、それやったらお前と同郷の奴の
部隊に配属したるわ。
それにしてもお前もアホやなあ。素直にボストン攻略戦に参加しとったら、
今頃指揮官にでもなれとったのに」
「自分の信念があってやったことです。後悔はありませんよ」
俺は笑顔でそう言って、商館を出た。
「おお! 増援部隊を申請してたけど、お前たちか。これは心強いな」
背後から女の声がした。
振り返ると、そこにトラ子がいた。
「トラ子か! 」
俺たちははガッシリと握手をした。
「今は長靴部隊の部隊長さ。長靴部隊は元々傭兵隊長だったお前の父親の部隊だったから
心苦しかったんだが、いずれお前が出世したらこの部隊はお前に返せるよう、上に
申請するつもりだ」
「気にしないでくれ、今は我々の国、猫の国のために全力で戦おう」
俺たちは終始笑顔でそんな会話をした。
俺たちが向かう先はタイコンデロガ砦だ。
王国側の物資と弾薬が貯蔵していある貯蔵庫でもある」
タイコンデロガ砦はタイコンデロガの町より東の川縁にあった。
地元のレジスタンス組織、グリーンマウンテンガールズの手引きで砦が見える場所まで
いってきたが、がっちりとした石垣で囲まれ、レンガ作りの要塞で、けっこう手ごわそうだった。
そこからレジスタンスのアジトまで帰った。
アジトは地下の洞窟の中にあり、俺はレジスタンスのリーダーと会った。
俺は目を見開いた。
「おい、シアンちゃんじゃないか」
「あら、タケじゃない、おひさしぶり」
「レジスタンスなんてやってたの?」
「内乱で学校も閉鎖されるし、私も猫だから猫の国のためなら、
なにかしたくなるじゃない」
「ほんとに迷惑だよね~」
横に居たシアンちゃんが能天気にそう言った。
この二人はいつ見ても変わらない。
早速、俺の部隊が潜伏している場所までシアンちゃんたちを案内した。
森の中でシアンちゃんたちを指揮官のトラ子に紹介する。
「あら、あなた学校に居たトラ子さんね」
「はい」
「よろしく」
「こちらこそよろしく」
覚めた表情でシアンちゃんとトラ子が挨拶した。
あとでシアンちゃんが俺のところに来た。
「悪いけど、あのこのには近づかないほうがいいわ。あの子には反骨の相がある」
「なんですかその、相ってのは」
「東洋呪術の人相というやつよ」
「何か証拠があるわけじゃないんでしょ? 」
「証拠は無いわ。いわば直観みたいなものね」
「そんなのこで決めつけないでくださいよ、トラ子はいい子ですよ」
俺はそう言って、シアンちゃんをたしなめた。
「私の予感がはずれてくれればいいんだけどね」
シアンちゃんは少しアンニュイな表情でそう呟いた。
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