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チュートリアル
第1-3話
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彼女が支度を終えるのを待っている間、俺はチキンGの討伐報奨金を受け取りに行った。
「チキンGってこんなにも高いんですね。たかがゴキブリと思ってバカにしてました」
そう、この時期のチキンGは高いのだ。繁殖期を終えたモンスターは本来安い値で買い取られるがこいつはそうではないようだ。チキンGは名前の通りチキンのゴキブリだ。ゴキブリということに抵抗を持つ人もいるようだが基本鶏肉の触感と風味で意外とうまい。俺も食べる前までは抵抗があったが食べてみると結構癖になってしまった。
見た目はあれだったけど意外とうまいなゴキ……いや、チキン。
「お待たせしました……」
俺が朝食を食べ終わると同時に彼女は俺のもとへ歩いてきた。
「なにをお食べになっていたのですか?」
俺はコップ内の水をすべて飲み干した後、彼女の方へ振り向いた。
その時の彼女の姿は言葉にできないくらいに美しかった。
彼女の容姿が可愛い……いや、美しいのは元からだが、綺麗なドレスに身をまとい腰まで伸びていた銀色の髪の毛を強調するかのようにガラス細工のようなもので作られた綺麗な髪飾りで髪をまとめていた。
「あの……どちら様でしょうか?」
「えっとフィルメル=クラウス……ではなくて! さっきまであなたと共にお話をしていた私です……ってあれ? そういえばお互い自己紹介まだでしたね」
彼女は話の途中でお互い名前が分からないということに気づき取りあえず自己紹介をすることになった。
「じゃあ、まず俺から名乗らせてくれ! 俺の名前はユイトだ。一応、冒険者見習いをやっている……のか? まあそこはいいや。取りあえずよろしく!」
「では次は私の番ですね。私の名は……フィルメル=システィーナと申します。現在魔法使いの卵です。以後お見知りおきを」
彼女は、身に着けているドレスの両裾をつまみ上げ丁寧で品のある自己紹介を見せた。
なんかこの人、物凄いお嬢様な気がするんだけど……
「ではさっそく行きましょう!」
俺は彼女に腕を引かれギルドを出た。
「これなんてどうですか? 私は似合っていると思うのですが」
何だこの状況……
「ユイトさん、こちらもいいと思いませんか?」
なあ……
「こちらも見てください! 大特価セールですって」
なあって……
「あれ? どうかしましたかユイトさん?」
なんで……なんでこんなにもデートっぽくなってるんだよぉぉ!
なぜこんな風になっているのかというと、遡ること二時間前。
「何かお礼をさせてはくれませんか?」
俺がチキンGを倒しそのお礼がしたいとのことで、断ってもおそらくいう事を聞かないと思って武器選びを手伝ってもらうことにした。が、しかし。彼女が外で俺の手を握りっぱなしだったということもあり周りからはカップルと間違えられていた。現にこの武器屋の店主も俺に向かって「彼女とデートかい? 若いっていいねえ~」と言い勘違いをしている。
武器屋を後にした俺たちは本通りにある市場に来ていた。
そこはとても賑わっていてお菓子もたくさん売っていた。
「ユイトさん! ユイトさん!「でーと」ってどういった意味の言葉なんですか?」
彼女は両手に美味しそうなお菓子を持ちそんなことを聞いてきた。
「……その言葉誰に聞いたんだ?」
「あの子たちがしつこく聞いてくるので一応「はい」とだけ答えました。」
まじか……まさかこの手の質問をされるとは想像できなかった。
「えーっと……それはですね……自分の好きな人と一緒に買い物をしたり同じものを食べたりすることをデートっていうんです……」
俺、リアルでは彼女なんて一人もできなかったからなぁ……ちゃんと説明できたか不安だな……
「えっと……じゃあ……」
彼女は何かを言おうとしている。
「じゃあ、私はユイトさんの事は好きなので「でーと」してますね」
俺はこの瞬間胸がドキッと跳ね上がった。
「それってどういう……」
その時だった。
アイスのような形をしたお菓子を持って走っている女の子が俺たちの目の前で転んでしまった。その女の子は泣いてしまいお菓子もぐちゃぐちゃに潰れてしまってた。
俺はその女の子に声をかけようとすると先に彼女が女の子に話しかけた。
「大丈夫ですか? ほら、泣かないでください。はい、ハンカチどうぞ?」
彼女は優しく女の子に話しかけしっかり目線の高さを合わしていた。
「おかし潰れちゃった……」
女の子は少し泣き止むと悲しそうな声でお菓子が潰れてしまったことを彼女に話す。
「ほんとですね……分かりました! お姉ちゃんに任せてください!」
彼女は女の子にそう言い残すと走って人ごみに消えていった。
しばらくの間待つと彼女は戻ってきて女の子にお菓子を渡した。
「はい、これをあなたにあげます。その代わり走ってまた転ばないでくださいね? 約束ですよ?」
女の子は嬉しそうにはしゃぎお礼を言ってどこかへ行ってしまった。
「なあ、なんであの女の子を助けようと思ったんだ?」
俺は気が付くと彼女に質問していた。
「なぜ……ですか……」
彼女は少しの間考え口を開いた。
「だって……皆さんにはいつでも笑顔で居て欲しいですから!」
その時の彼女の笑顔はおそらくこの先忘れないだろう。
「なあ、一つお願いがあるんだけど聞いてくれるか?」
「はい。何でしょう?」
「俺とパーティーを組んでくれないか?」
少しの間俺と彼女の間に沈黙が生まれた。
何言ってるんだ俺! なんか今無意識に言っちゃってたみたいだけどスゲー恥ずかしい。
脳内でぐちぐち考えていると彼女が口を開いた。
「もちろんです……だってそのために私は今、こうしてあなたと一緒にいるのですから」
彼女のこの言葉を聞いた瞬間、俺は決意した。
世界一の冒険者になって世界最強のパーティーになるということを。
「チキンGってこんなにも高いんですね。たかがゴキブリと思ってバカにしてました」
そう、この時期のチキンGは高いのだ。繁殖期を終えたモンスターは本来安い値で買い取られるがこいつはそうではないようだ。チキンGは名前の通りチキンのゴキブリだ。ゴキブリということに抵抗を持つ人もいるようだが基本鶏肉の触感と風味で意外とうまい。俺も食べる前までは抵抗があったが食べてみると結構癖になってしまった。
見た目はあれだったけど意外とうまいなゴキ……いや、チキン。
「お待たせしました……」
俺が朝食を食べ終わると同時に彼女は俺のもとへ歩いてきた。
「なにをお食べになっていたのですか?」
俺はコップ内の水をすべて飲み干した後、彼女の方へ振り向いた。
その時の彼女の姿は言葉にできないくらいに美しかった。
彼女の容姿が可愛い……いや、美しいのは元からだが、綺麗なドレスに身をまとい腰まで伸びていた銀色の髪の毛を強調するかのようにガラス細工のようなもので作られた綺麗な髪飾りで髪をまとめていた。
「あの……どちら様でしょうか?」
「えっとフィルメル=クラウス……ではなくて! さっきまであなたと共にお話をしていた私です……ってあれ? そういえばお互い自己紹介まだでしたね」
彼女は話の途中でお互い名前が分からないということに気づき取りあえず自己紹介をすることになった。
「じゃあ、まず俺から名乗らせてくれ! 俺の名前はユイトだ。一応、冒険者見習いをやっている……のか? まあそこはいいや。取りあえずよろしく!」
「では次は私の番ですね。私の名は……フィルメル=システィーナと申します。現在魔法使いの卵です。以後お見知りおきを」
彼女は、身に着けているドレスの両裾をつまみ上げ丁寧で品のある自己紹介を見せた。
なんかこの人、物凄いお嬢様な気がするんだけど……
「ではさっそく行きましょう!」
俺は彼女に腕を引かれギルドを出た。
「これなんてどうですか? 私は似合っていると思うのですが」
何だこの状況……
「ユイトさん、こちらもいいと思いませんか?」
なあ……
「こちらも見てください! 大特価セールですって」
なあって……
「あれ? どうかしましたかユイトさん?」
なんで……なんでこんなにもデートっぽくなってるんだよぉぉ!
なぜこんな風になっているのかというと、遡ること二時間前。
「何かお礼をさせてはくれませんか?」
俺がチキンGを倒しそのお礼がしたいとのことで、断ってもおそらくいう事を聞かないと思って武器選びを手伝ってもらうことにした。が、しかし。彼女が外で俺の手を握りっぱなしだったということもあり周りからはカップルと間違えられていた。現にこの武器屋の店主も俺に向かって「彼女とデートかい? 若いっていいねえ~」と言い勘違いをしている。
武器屋を後にした俺たちは本通りにある市場に来ていた。
そこはとても賑わっていてお菓子もたくさん売っていた。
「ユイトさん! ユイトさん!「でーと」ってどういった意味の言葉なんですか?」
彼女は両手に美味しそうなお菓子を持ちそんなことを聞いてきた。
「……その言葉誰に聞いたんだ?」
「あの子たちがしつこく聞いてくるので一応「はい」とだけ答えました。」
まじか……まさかこの手の質問をされるとは想像できなかった。
「えーっと……それはですね……自分の好きな人と一緒に買い物をしたり同じものを食べたりすることをデートっていうんです……」
俺、リアルでは彼女なんて一人もできなかったからなぁ……ちゃんと説明できたか不安だな……
「えっと……じゃあ……」
彼女は何かを言おうとしている。
「じゃあ、私はユイトさんの事は好きなので「でーと」してますね」
俺はこの瞬間胸がドキッと跳ね上がった。
「それってどういう……」
その時だった。
アイスのような形をしたお菓子を持って走っている女の子が俺たちの目の前で転んでしまった。その女の子は泣いてしまいお菓子もぐちゃぐちゃに潰れてしまってた。
俺はその女の子に声をかけようとすると先に彼女が女の子に話しかけた。
「大丈夫ですか? ほら、泣かないでください。はい、ハンカチどうぞ?」
彼女は優しく女の子に話しかけしっかり目線の高さを合わしていた。
「おかし潰れちゃった……」
女の子は少し泣き止むと悲しそうな声でお菓子が潰れてしまったことを彼女に話す。
「ほんとですね……分かりました! お姉ちゃんに任せてください!」
彼女は女の子にそう言い残すと走って人ごみに消えていった。
しばらくの間待つと彼女は戻ってきて女の子にお菓子を渡した。
「はい、これをあなたにあげます。その代わり走ってまた転ばないでくださいね? 約束ですよ?」
女の子は嬉しそうにはしゃぎお礼を言ってどこかへ行ってしまった。
「なあ、なんであの女の子を助けようと思ったんだ?」
俺は気が付くと彼女に質問していた。
「なぜ……ですか……」
彼女は少しの間考え口を開いた。
「だって……皆さんにはいつでも笑顔で居て欲しいですから!」
その時の彼女の笑顔はおそらくこの先忘れないだろう。
「なあ、一つお願いがあるんだけど聞いてくれるか?」
「はい。何でしょう?」
「俺とパーティーを組んでくれないか?」
少しの間俺と彼女の間に沈黙が生まれた。
何言ってるんだ俺! なんか今無意識に言っちゃってたみたいだけどスゲー恥ずかしい。
脳内でぐちぐち考えていると彼女が口を開いた。
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彼女のこの言葉を聞いた瞬間、俺は決意した。
世界一の冒険者になって世界最強のパーティーになるということを。
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