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終焉の予兆
第2-5話
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「ユイト君……これって……」
「うん」
扉の先にあったのは暗くひんやりとした空気が流れている岩づくりの地下通路だった。
俺とメイアーは螺旋状の地下通路をのんびり話しながら歩いていた。
どのくらいの時間が経っただろうか。
初めの方はひんやりとした空気が気持ちよく思えていたが、いつの間にか凍えるほどの寒さに豹変していた。
なんか寒くなって来たな……
「なあ、なんか寒くなって来てないか?」
「え? あんまり寒くないんだけど……」
え? なんで寒くないの? もう感覚麻痺しちゃった?
メイアーは本当に寒くないのか、さっきから全く寒そうなそぶりを見せない。
けれど、俺のことを気にしてくれての事なのか、魔法で表面体温を上昇させてくれた。
なにこれ……あったかい……
「ありがとう……少し温まってきた気がするよ」
「そう? ならよかった……」
そして、それからしばらく時間が経ち、俺たちは最下層らしき場所に到着した。
「こ、これはああああああ~~~~こんなところにあったなんてええええええ」
最下層らしきこの空間は辺り一面が洞窟のような感じになっており、中央には巨大なクリスタルが辺り一面を青色の光で優しく照らしている。
メイアーは驚きかつ嬉しそうに巨大なクリスタルを見ていた。
めっちゃおっきい……
「ユイト君! これ、見て!」
メイアーはかなり古そうな本に綴られた中の一ページを見せてきた。
そこには鉱物の説明文と思われる文字列と、その文の鉱物らしきの絵が描かれていた。
この絵ってもしかして……
メイアーは突然目の前にある巨大クリスタルについて話し始めた。
「多分だけど、このクリスタルの名前はマナ・クリスタルって言って、膨大な魔力が大量に凝縮された、簡単に言えば魔力貯蔵庫みたいな役割を担っているクリスタルだよ。けど、わたしもこれまでいろんな大きさのマナ・クリスタルを見てきたけどこれは今まで見てきた中で一番の魔力をため込んでいる」
えっと……簡単に言えば、すごいってこと?
「私が思うにこのクリスタルは約五百年前にこの地で戦死したといわれる大英雄シュタインズ=ヒルデが残した『希望の雫』かもしれません!」
熱烈に語るメイアーは喋ることをやめずに延々と話し続ける。
ちょっと話が長い……
何回もその場から立ち去ろうとしたのだがそのたびにメイアーに止められ結局すべて聞く羽目になった。
「……といった物語の過程でこんなにも神秘的なクリスタルを作り出したのです!」
やっと終わった……
メイアーは話し終わると満足したのか、俺に物語の感想を聞いてきた。
「どうだった? シュタインズ=ヒルデの物語。わたしは今までにない最高の物語と思うんだけど……」
メイアーは目をキラキラさせている。
俺は言えるわけがない。聞いてませんでしたなんて……
「え、え~っと? そ、そうだなぁ~俺もいい話だと……思ったよ……?」
そう言うとメイアーは自分が褒められているわけでもないのにとても嬉しそうに笑った。
うっ――心が痛む……
すると、突然背後から少しハスキーな声が響いてきた。
俺たちはその声主の居るほうへ振り向いた。
「よくそんな昔話を覚えていたな……」
そこに居たのは、体の大きさが俺の胸の位置までしかなく、顎髭をもっさり生やしたドワーフのおじさんだった。
その横には先ほどメイアーを襲っていた? 犬型モンスターが姿勢よくお座りしていた。
「誰かと思って来てみたら、久しぶりだなメア!」
「お父さん! 会いたかった~~」
メイアーはドワーフを「お父さん」と呼びながら彼のもとへ走って行った。
ようやくメイアーはフィンデルと再会したのだ。
抱き着くメイアーにフィンデルは嬉しそうにしていた。
その光景を見ていると俺は微笑ましく思えた。
すると優しい声でフィンデルはメイアーに問いかけ始めた。
「元気にしてたか?」
「……うん」
「寂しくなかったか?」
「……大丈夫だった」
「腹は減ってないか?」
「……食べたい」
「お帰り。メア」
「……ただいま……お父さん」
二人の再開で少し俺は気まずくなってしまった。
……俺ってもしかしなくても邪魔じゃね⁉
とりあえず俺は邪魔にならないように二人の視界から消えようと後ずさった。
すると、俺の存在を忘れていたように、突然俺の方に顔を向けた。
「あっ——ごめんなさい……ユイト君の存在すっかり忘れてた……」
言わないで! それ悲しくなるから言わないで!
せっかく家族愛溢れていた雰囲気だったのに、なんか申し訳ない。
フィンデルも俺の方を目を見開きながら見ていた。
「えーっと、紹介するね。こちらの青年がユイト君。わたしと一緒にお父さんのお店探しを手伝てくれたんだよ」
メイアーは俺の代わりに説明してくれた。
「は、初めまして!」
俺が少し会釈するときちんと返してくれた。
「で、こっちがフィンデル、わたしのお父さんだよ」
「娘がお世話になっています」
「は、はあ……」
今日会ったばかりなんだけどな……
「ところで……お父さん?」
メイアーは中央に立っている大きなクリスタルを指さした。
「あのクリスタルって『希望の雫』で間違いないよね?」
「ああ、正真正銘本物の『希望の雫』だ」
そう聞くとメイアーはゆっくりと希望の雫へ向かい何やらぶつぶつ喋りだした。
そんな彼女の姿を俺とフィンデルは遠くから見守る。
「ユイト君や、今から起こることをしっかり見ときなさい」
フィンデルは俺にそんなことを言い優しい笑顔でメイアーを見ていた。
そして次の瞬間希望の雫の周りに巨大な魔法陣が現れた。
ななな、なんだあああ⁉
驚いたのもつかの間だった。
巨大な魔法陣が見事に破られ魔法陣は跡形もなく消えていった。
「え? 魔法陣が割れた⁉」
俺が驚いているとフィンデルは突然笑い出した。
え? 何が起こったんだよ……
「ユイト君は反応が初々しくて面白ですなあ~」
「はあ……」
フィンデルは今起こったことを教えてくれた。
「希望の雫はため込んでいる魔力が膨大過ぎる故に結界魔法が張られているのです。それも、超級魔法以上の結界で守られており、ある一定の条件を満たし習得した神聖魔法ではないと傷一つつけることが出来ないのです。」
神聖魔法って……確かこの世界の最上級魔法だよな。
「ある一定の条件ってどういったものなんですか?」
「そうですね~アイテムですかね」
フィンデルはあっさりとそう言い切りポケットから大きい巻物のようなものを取り出した。
「これはシュタインズ=ヒルデが書き残したと思われる文書です」
いやいや、そんな価値あるものあっさりポケットに入れてちゃまずいでしょうが!
危うくそんなことを突っ込みそうになってしまった。
「それで、その内容は?」
そう言うとフィンデルは文書の内容を口に出して読んでくれた。
「我、戦場去る時、我が神器四つ各なる大陸にて封印す。我が魂この地にて封印せしむ。汝、我が力開放すならば我が神器にて我が魂に刻め」
なんかこう言った形の文章高校時代にやった覚えが……
「ところどころ掠れていたのであいまいな部分も多いのですが、希望の雫を開放する条件というものが少なくとも、大英雄シュタインズ=ヒルデの神器をすべて揃えなければいけないということが分かりました」
フィンデルは冷静に分析しているが考えてみて欲しい。
この文章中に書かれている大陸がどれほど広いのか分からないがその中からたった四つの神器を探し出すなんてどうかしてる。
「そういう事なら早く言ってよ……」
メイアーはガッカリしながらこちらに戻ってきた。
「そんなカリカリしないでくれメア、わたしだってお前の成長を見たいからな」
フィンデルは笑いながら優しく謝る。
「そういえばずっと気になってたんだけど、希望の雫どうやって見つけたの? こんな地中深く掘って行ってたまたま当たったって訳でもないだろうし……」
すると、フィンデルは横に居るモンスターの頭をポンポンと叩いた。
「この子が見つけたんだよ」
この言葉を聞いた瞬間、俺とメイアーは驚いてしまった。
「こ、こいつがああ?」
「ワンッ」
メイアーは嫌そうな顔でシッシと離れるように命令したが、全く通じていないみたいでモンスターは首を傾げていた。
「絶対にありえない! こんなペロペロモンスターが英雄の魂を見つけられるはずがないわよ、偶然! 偶然に決まってるわ!」
メイアーが否定気味に言うと意味が通じていたのかいきなりメイアーに向かって走り出しさっきみたいにメイアーはペロペロされた。
「分かったからあああ~~~あなたが見つけたってことにするからあああ~~~もうやめてええええ」
泣きじゃくるメイアーの言葉が通じているのかすんなり彼女から離れくつろぎだした。
メイアーは魔法で体を綺麗にすると話を再開した。
「ところで話は変わるけど、魔王軍進軍について考えなきゃ」
突然の話の変わりように俺はすぐには理解できなかった。
「魔王軍進軍? いきなりファンタジー感半端ないんだけど……」
「ふぁんたじー? って何か分からないけど、とにかく! 魔王復活まで時間がないから急いで神器を集めなきゃ」
メイアーが頭を抱えてそんなことを言っている。
「魔王軍か……」
俺も結局のところゲームの世界に入ってるわけだから関係はあるよな……
「俺にできる事ってないですかね……」
できることが無いか聞いてみると、二人が少し顔を明るくした。
「ユイト君! 私を君のパーティーメンバーに加えて大陸中で旅をしよう!」
メイアーがなんの突拍子もなく驚愕のことを言って来た。
「ぱ、俺のパーティーにメイアーが⁉」
「そう!」
冗談と思ったが彼女は本気らしい。
微笑んでいるが目がマジだ。
「分かった! 分かった! 俺は歓迎しよう!」
そう言うとメイアーは「良かった」と小さな声で呟いていた。
そして、フィンデルとのお別れの時間がやって来た。
「お父さん、今日はありがと……たまにだけど手紙送るからね」
「ああ、報告楽しみにしてるぞ」
「フィンデルさん、今日はどうもありがとうございました」
「ああ、ユイト君も元気であまり無茶はしないようにね」
俺とメイアーはフィンデルのお店『土竜の穴倉』を後にした。
「うん」
扉の先にあったのは暗くひんやりとした空気が流れている岩づくりの地下通路だった。
俺とメイアーは螺旋状の地下通路をのんびり話しながら歩いていた。
どのくらいの時間が経っただろうか。
初めの方はひんやりとした空気が気持ちよく思えていたが、いつの間にか凍えるほどの寒さに豹変していた。
なんか寒くなって来たな……
「なあ、なんか寒くなって来てないか?」
「え? あんまり寒くないんだけど……」
え? なんで寒くないの? もう感覚麻痺しちゃった?
メイアーは本当に寒くないのか、さっきから全く寒そうなそぶりを見せない。
けれど、俺のことを気にしてくれての事なのか、魔法で表面体温を上昇させてくれた。
なにこれ……あったかい……
「ありがとう……少し温まってきた気がするよ」
「そう? ならよかった……」
そして、それからしばらく時間が経ち、俺たちは最下層らしき場所に到着した。
「こ、これはああああああ~~~~こんなところにあったなんてええええええ」
最下層らしきこの空間は辺り一面が洞窟のような感じになっており、中央には巨大なクリスタルが辺り一面を青色の光で優しく照らしている。
メイアーは驚きかつ嬉しそうに巨大なクリスタルを見ていた。
めっちゃおっきい……
「ユイト君! これ、見て!」
メイアーはかなり古そうな本に綴られた中の一ページを見せてきた。
そこには鉱物の説明文と思われる文字列と、その文の鉱物らしきの絵が描かれていた。
この絵ってもしかして……
メイアーは突然目の前にある巨大クリスタルについて話し始めた。
「多分だけど、このクリスタルの名前はマナ・クリスタルって言って、膨大な魔力が大量に凝縮された、簡単に言えば魔力貯蔵庫みたいな役割を担っているクリスタルだよ。けど、わたしもこれまでいろんな大きさのマナ・クリスタルを見てきたけどこれは今まで見てきた中で一番の魔力をため込んでいる」
えっと……簡単に言えば、すごいってこと?
「私が思うにこのクリスタルは約五百年前にこの地で戦死したといわれる大英雄シュタインズ=ヒルデが残した『希望の雫』かもしれません!」
熱烈に語るメイアーは喋ることをやめずに延々と話し続ける。
ちょっと話が長い……
何回もその場から立ち去ろうとしたのだがそのたびにメイアーに止められ結局すべて聞く羽目になった。
「……といった物語の過程でこんなにも神秘的なクリスタルを作り出したのです!」
やっと終わった……
メイアーは話し終わると満足したのか、俺に物語の感想を聞いてきた。
「どうだった? シュタインズ=ヒルデの物語。わたしは今までにない最高の物語と思うんだけど……」
メイアーは目をキラキラさせている。
俺は言えるわけがない。聞いてませんでしたなんて……
「え、え~っと? そ、そうだなぁ~俺もいい話だと……思ったよ……?」
そう言うとメイアーは自分が褒められているわけでもないのにとても嬉しそうに笑った。
うっ――心が痛む……
すると、突然背後から少しハスキーな声が響いてきた。
俺たちはその声主の居るほうへ振り向いた。
「よくそんな昔話を覚えていたな……」
そこに居たのは、体の大きさが俺の胸の位置までしかなく、顎髭をもっさり生やしたドワーフのおじさんだった。
その横には先ほどメイアーを襲っていた? 犬型モンスターが姿勢よくお座りしていた。
「誰かと思って来てみたら、久しぶりだなメア!」
「お父さん! 会いたかった~~」
メイアーはドワーフを「お父さん」と呼びながら彼のもとへ走って行った。
ようやくメイアーはフィンデルと再会したのだ。
抱き着くメイアーにフィンデルは嬉しそうにしていた。
その光景を見ていると俺は微笑ましく思えた。
すると優しい声でフィンデルはメイアーに問いかけ始めた。
「元気にしてたか?」
「……うん」
「寂しくなかったか?」
「……大丈夫だった」
「腹は減ってないか?」
「……食べたい」
「お帰り。メア」
「……ただいま……お父さん」
二人の再開で少し俺は気まずくなってしまった。
……俺ってもしかしなくても邪魔じゃね⁉
とりあえず俺は邪魔にならないように二人の視界から消えようと後ずさった。
すると、俺の存在を忘れていたように、突然俺の方に顔を向けた。
「あっ——ごめんなさい……ユイト君の存在すっかり忘れてた……」
言わないで! それ悲しくなるから言わないで!
せっかく家族愛溢れていた雰囲気だったのに、なんか申し訳ない。
フィンデルも俺の方を目を見開きながら見ていた。
「えーっと、紹介するね。こちらの青年がユイト君。わたしと一緒にお父さんのお店探しを手伝てくれたんだよ」
メイアーは俺の代わりに説明してくれた。
「は、初めまして!」
俺が少し会釈するときちんと返してくれた。
「で、こっちがフィンデル、わたしのお父さんだよ」
「娘がお世話になっています」
「は、はあ……」
今日会ったばかりなんだけどな……
「ところで……お父さん?」
メイアーは中央に立っている大きなクリスタルを指さした。
「あのクリスタルって『希望の雫』で間違いないよね?」
「ああ、正真正銘本物の『希望の雫』だ」
そう聞くとメイアーはゆっくりと希望の雫へ向かい何やらぶつぶつ喋りだした。
そんな彼女の姿を俺とフィンデルは遠くから見守る。
「ユイト君や、今から起こることをしっかり見ときなさい」
フィンデルは俺にそんなことを言い優しい笑顔でメイアーを見ていた。
そして次の瞬間希望の雫の周りに巨大な魔法陣が現れた。
ななな、なんだあああ⁉
驚いたのもつかの間だった。
巨大な魔法陣が見事に破られ魔法陣は跡形もなく消えていった。
「え? 魔法陣が割れた⁉」
俺が驚いているとフィンデルは突然笑い出した。
え? 何が起こったんだよ……
「ユイト君は反応が初々しくて面白ですなあ~」
「はあ……」
フィンデルは今起こったことを教えてくれた。
「希望の雫はため込んでいる魔力が膨大過ぎる故に結界魔法が張られているのです。それも、超級魔法以上の結界で守られており、ある一定の条件を満たし習得した神聖魔法ではないと傷一つつけることが出来ないのです。」
神聖魔法って……確かこの世界の最上級魔法だよな。
「ある一定の条件ってどういったものなんですか?」
「そうですね~アイテムですかね」
フィンデルはあっさりとそう言い切りポケットから大きい巻物のようなものを取り出した。
「これはシュタインズ=ヒルデが書き残したと思われる文書です」
いやいや、そんな価値あるものあっさりポケットに入れてちゃまずいでしょうが!
危うくそんなことを突っ込みそうになってしまった。
「それで、その内容は?」
そう言うとフィンデルは文書の内容を口に出して読んでくれた。
「我、戦場去る時、我が神器四つ各なる大陸にて封印す。我が魂この地にて封印せしむ。汝、我が力開放すならば我が神器にて我が魂に刻め」
なんかこう言った形の文章高校時代にやった覚えが……
「ところどころ掠れていたのであいまいな部分も多いのですが、希望の雫を開放する条件というものが少なくとも、大英雄シュタインズ=ヒルデの神器をすべて揃えなければいけないということが分かりました」
フィンデルは冷静に分析しているが考えてみて欲しい。
この文章中に書かれている大陸がどれほど広いのか分からないがその中からたった四つの神器を探し出すなんてどうかしてる。
「そういう事なら早く言ってよ……」
メイアーはガッカリしながらこちらに戻ってきた。
「そんなカリカリしないでくれメア、わたしだってお前の成長を見たいからな」
フィンデルは笑いながら優しく謝る。
「そういえばずっと気になってたんだけど、希望の雫どうやって見つけたの? こんな地中深く掘って行ってたまたま当たったって訳でもないだろうし……」
すると、フィンデルは横に居るモンスターの頭をポンポンと叩いた。
「この子が見つけたんだよ」
この言葉を聞いた瞬間、俺とメイアーは驚いてしまった。
「こ、こいつがああ?」
「ワンッ」
メイアーは嫌そうな顔でシッシと離れるように命令したが、全く通じていないみたいでモンスターは首を傾げていた。
「絶対にありえない! こんなペロペロモンスターが英雄の魂を見つけられるはずがないわよ、偶然! 偶然に決まってるわ!」
メイアーが否定気味に言うと意味が通じていたのかいきなりメイアーに向かって走り出しさっきみたいにメイアーはペロペロされた。
「分かったからあああ~~~あなたが見つけたってことにするからあああ~~~もうやめてええええ」
泣きじゃくるメイアーの言葉が通じているのかすんなり彼女から離れくつろぎだした。
メイアーは魔法で体を綺麗にすると話を再開した。
「ところで話は変わるけど、魔王軍進軍について考えなきゃ」
突然の話の変わりように俺はすぐには理解できなかった。
「魔王軍進軍? いきなりファンタジー感半端ないんだけど……」
「ふぁんたじー? って何か分からないけど、とにかく! 魔王復活まで時間がないから急いで神器を集めなきゃ」
メイアーが頭を抱えてそんなことを言っている。
「魔王軍か……」
俺も結局のところゲームの世界に入ってるわけだから関係はあるよな……
「俺にできる事ってないですかね……」
できることが無いか聞いてみると、二人が少し顔を明るくした。
「ユイト君! 私を君のパーティーメンバーに加えて大陸中で旅をしよう!」
メイアーがなんの突拍子もなく驚愕のことを言って来た。
「ぱ、俺のパーティーにメイアーが⁉」
「そう!」
冗談と思ったが彼女は本気らしい。
微笑んでいるが目がマジだ。
「分かった! 分かった! 俺は歓迎しよう!」
そう言うとメイアーは「良かった」と小さな声で呟いていた。
そして、フィンデルとのお別れの時間がやって来た。
「お父さん、今日はありがと……たまにだけど手紙送るからね」
「ああ、報告楽しみにしてるぞ」
「フィンデルさん、今日はどうもありがとうございました」
「ああ、ユイト君も元気であまり無茶はしないようにね」
俺とメイアーはフィンデルのお店『土竜の穴倉』を後にした。
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