社会の落ちこぼれから最強パーティーのリーダーになるお話

佐藤大芽

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終焉の予兆

第3-2話

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「メイアー、俺たちが今向かっている場所......えっと......何だっけ......」
「......グロスキア大陸」

メイアーは竜車に揺られながらシスティーナとカード遊びをしながら答える。

「そうそう! グロスキア大陸! 一つ聞いときたいんだが、そのグロスキア大陸ってどんな所なんだ?」
「どんな所って言われると難しいわね......まぁ、一つ言えるのは多数の国が衝突し合っている紛争地とだけ言えるかしら......」

——紛争地......⁉︎ ゴクッ......

「な、なぁ。今からでも遅くないから別の場所を目指さないか?」
「負けました~うぅぅぅ......」

メイアーがシスティーナにとどめを刺すと俺の顔を見て嫌そうに「紛争地って言ってもね今は休戦してるの! パーティーのリーダーがそんなんじゃすぐに壊滅しちゃうじゃない! ユイト君はリーダーなんだからもうちょっと自覚を持ちなさい!」と説教をしてきた。

まぁ、確かに俺は怖がりだし? そこまで気も強くないし? そりゃリーダーになんて性格上向いてないよ。けど、俺はやる時はやる男だと信じたい!

「そこまで言われたら、俺の座った肝っ玉見せてやるよ!」

俺がそういうとメイアーは双眼鏡を取り出し辺りを見回した。

「ほら見てユイト君。 あそこにビッグファングの群れがいるわよ。さぁ、君のその座った肝っ玉とやらを私に見せて頂戴!」
「わぁ、ホントですねーあのモンスターに襲われたら大変ですよ」

システィーナもメイアーから双眼鏡を借りるとそのビッグファングの群れとやらを見てこんな事を言っている。

「俺にも見せてくれ。どれどれ......えーっと......あれか!」

俺はわざわざ竜車を止めシスティーナから双眼鏡を受け取ってそのビッグファングの群れとやらを見てみると、予想以上にでかい狼の群れが横になったり走り回ったりしていた。

「わーい、つよーそーなモンスターが沢山いるねーって、アホか! 俺があんなにも馬鹿でかいモンスターに勝てるわけがないだろ! レベル差を知れ! レベル差を‼︎」
「冗談よ冗談。だけど、いつかはああいったモンスターを倒していかないと私達も一応冒険者の端くれなんだから生活がかかってるのよ?」

そっか......モンスターを倒さないとお金はないんだよな......今まで酒場のバイトやら鍛冶屋での店番とかで生計立ててたからな......

「なぁ、この森出たら村とかあるかあるか?」
俺は再び竜車を走らせると村があるのかメイアーに聞いた。
「そうねー普通だったら森の近くに村があるはずよ」
「そっか......なぁシスティーナ、メイアー今日までにこの森も抜けると思うからさ、村に着いたら魔法とか教えてくれないか? 出来れば攻撃魔法だとありがたいんだけど......」

俺がそういうと二人とも笑顔で了承してくれた。

「約束な!」


そして、夕暮れになった頃俺たちはようやく森を抜け開けた道に出た。
野宿できるような場所を探すためしばらく竜車を進めていると大きな湖が見えてきた。

「ここ良いかもな。よっし! ひとまず今日はここで野宿だ」

「メイアーとシスティーナは近くで木の枝をたくさん拾ってきてくれ。俺は魚を釣ってくる!」

俺は二人に枝を集めるように指示をすると旅に出る前に一応自分で作っておいた木製の竿を竜車から取り出し網目状の籠を持って釣りをしやすい場所を探して歩き出す。

「ユイトさーん! あまり遠くに行っちゃダメですよー!」
「分かってるー!」

システィーナの注意に言葉を返すと俺は湖のすぐ横を歩きながら探し始めた。

「メイアーさん。ユイトさんが何故かとても嬉しそうにしてましたよ。なぜかわかりますか?」

システィーナは不思議そうに頭を傾げている。

「ええ、そのようね......私達も枝を拾ってきましょう!」
「そうですね! 行きましょう!」

俺は釣り、メイアーとシスティーナは火を起こすための枝集め。
俺は鼻歌を交えながらついさっき見つけた丁度良い高さの岩の上に座ると釣りの準備をし始めた。

「にしてもこんな所に丁度いい岩があって助かったなぁ~。立ちっぱなしでやるのは意外と体力使うからあってよかったよ!」

俺はそう言いながらミミズに見せた餌を投げる。

「久しぶりに釣りをするけどまさか日本以外で釣りするなんて思っても居なかったな。ここでモンスター級のデカさの魚を釣った時にはワールドクラスで有名人になれるかもな! あはははは!」

独り言を呟いては黙りまた、独り言を呟いては黙り。この言動を何回も繰り返すと俺は黙り帰った。

何にも釣れねー......ていうか、そもそもあたりが来ない......

「この湖ホントに魚いるのか? 確かに地球上には魚のいない湖もあるって言うけどこんなにも自然豊かで綺麗な空気のある湖に魚がいないっておかしい!」

俺はしばらくの間待ち続けたが一向に当たりはない。

「はぁ......そろそろ戻るか......あの二人なんて言うか......俺だけ何にも成果がないって知ったら絶対にサボっていたって勘違いするよな......はぁ......あ」

俺が帰る準備をしている時、カンカンと木が硬いものに当たる音がした。

......ん? ハッ——キターー‼︎

音の正体は木でできた釣竿が置いていた岩に当たって鳴っていた音だった。

「一体どんな奴がかかってるんだろ? これがラストチャンスだ。絶対に釣って見せるぞ!」

俺は湖の奥に行こうとするかかった獲物を必死に引っ張っている。

くっそぉぉぉ! こうなったらしかない!

俺は即座に自分自身の腕、腰の部分に身体能力強化魔法をかけた。

「覚悟しろよ! うおっしゃぁぁぁぁ!」

長い格闘の末、獲物が弱った隙を逃さず釣り上げた。

——バキッ‼︎
——っげ⁉︎

釣り上げたと同時に俺お手製の釣竿が呆気なく折れてしまった。
しかし今はそんな事で驚いて居る場合じゃない。
今問題なのは俺が釣り上げたある動物だ。

「シャァァァ~~‼︎」

なんと俺が釣り上げたのはホホジロザメの2倍近くの大きさの巨大なサメだった。

「ぎゃあぁぁぁ! なんでサメが湖に居るんだよ! それよりもデカすぎるだろ! マジで!」

釣り上げたサメは暗くて分かりにくいが目元や背びれその他いろんな所に大きな切り傷が刻まれていた。

と、とりあえずこれどうすれば良い?

大きいから食べる場所は沢山ありそうだけど大きすぎるから運べないし......そもそも、コイツまだ生きてるから近付こうにも近づけないし......どうしようかな......

俺がこの巨大サメをどうしようか考えていると、サメはジタバタしながら湖に戻っていった。

——あっ!

気付いた時にはすでにサメは姿を消していた。

「やっちまった~~‼︎ うわ~どうしよう......けど、どうせ何もできなかったし今回は諦めるか......」

俺は開き直るとシスティーナ達が待っている竜車に手ぶらで向かった。
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