今夜君にキスをしよう

アールグレイ

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林檎

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「ママ、何時にお家に帰ったらいい?」
    靴を履きながらママに問う。
「あと30分後かしら」
    本当に少しの間だけれど、外で遊んできてちょうだいね。くれぐれも車には気をつけてね。そう言って、ママに外に出された。少し不安だった。外には沢山私と同じ年齢の子供たちがはしゃいでいる。草の上を走ったり、ブランコでガンガン漕いで靴飛ばしをしたり。下を見るとマジックテープが剥がれかかっており、止めようと片手で頑張る。小さな手では、靴のマジックテープさえ抑えるのが困難な時がある。少しよろめき転びそうになる。
「まちこちゃん」
    上をむくと、さっきお話していた颯太くんがいた。
「颯太くん」
「何してるの?靴が出来ないの?」
「うん」
「座って、僕がしてあげる」
    言われた通りに座る。颯太くんは、手に持っていた泥団子をそっと床に置いて崩れてないか確認した。そして、後ろの草っ原の方に行き手をパンパンして泥を落としてきた。その様子を座って見ていた。
「ありがとう」
    少しドロの着いた手で靴のテープを剥がして、綺麗に貼り直してくれた。
「颯太くんは、凄いね。ありがとう」
「どういたしまして、僕はね弟が居るから」
「弟がいたらちゃんと出来るようになるの?」
「そうだよ、僕お兄ちゃんだから」
    えへへと誇らしげに笑う颯太くんに座ったまま、抱き着いた。
「まちこちゃん、どうしたの。抱っこ?」
「違うよ」
「なら放して、僕まだドロ団子作ってる途中なんだ」
「まちこも一緒に遊びたい」


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