今夜君にキスをしよう

アールグレイ

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先輩

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「見つかって欲しいの」
私の大切なキーホルダーのスプーン。そう言うとまた漁りはじめる。
「そうか、それは大事だな」
何て言ったってこのキャラクターの王子たちは熊のスプーンで元のの姿に戻れる事が出来る。それまではぬいぐるみ生活を強いられるとか。何だか今の自分のような気もしてきて気が付くと夢中で探していた。土に触れるのはいつぶりだろう。幼い頃に兄ちゃんと一緒にカブトムシを採ったのを思い出した。木に向かってタックルして落とそうとしても突進先がずれて木のささくれでかすり傷作ったり。
「なんか楽しそうね」
「え?…ああ、思い出して」
「何を?」
「いや小さい頃兄貴と遊んでた頃の記憶」
気が付くと鼻唄を歌いながら、探していた。チューリプとかコスモスとか虫取りに夢中で大事に育ててたばあちゃんに怒られたっけ。
「良いね、大切にしなきゃ」
そう言うと隣のアニメ好きの陽気な女の子も喜んでた。
「俺もさ漫画とかアニメ大好きだよ」
「そう?」
「ああ、だからさこそこそするんじゃなくて堂々としてなよ」
「けど、何だか言いにくくて」
「そうかな、誇るべき文化だと思う。面白いし、勇気だってくれる」
「そうね、そうよね。王子も私に勇気をくれたの」
「良かったな、なら尚更だ」
一緒にスプーンを探す。一センチしかないらしい。砂漠の中からひとつの砂金を見つけるみたに急にめんどくさい。
「面倒くさくなってきた?」
「正直」
「知ってる?習慣化されてることをするにはブドウ糖つまり前頭葉は使わないんだってほとんど。けど、新しいことをするには前頭葉を使わないといけない。昔の人は必要以上の脳の消費を恐れてた。狩人時代の名残で新しいことは定着しないってさ」
「何が言いたい」
「ここで諦めたらあなたは原始人てこと」
「極端な物言いだな」
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