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ハッピーデスデーをお祝いしよう
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こんなことばっか、ぐるぐるぐるぐるくだらねえことを考えていると、辺りが暗くなっていて、日が落ちていることに気づいた。手首もぐるぐるぐるぐる回していたせいで、腱鞘炎になりそうだ。太陽がいなくなって、「よっしゃ、俺の時間が来た」みたいな何処かの吸血鬼じゃないけれど、暗いところってのは、心が安らぐ。俺の汚れが目立たなくなる気がする。そのまま存在感が薄れていって、バースデーケーキのロウソクの火を消すように、ふっと俺が消えてしまえばいいのに。ハッピーバースデーじゃなくて、ハッピーデスデーをお祝いしよう。招待客は誰もいないけど。スマホ画面よりも目に有害そうな、車のヘッドライトを真正面から浴びて、目眩がしながら、赤い誘導棒をサイリウムのように振り回す。アイドルオタクみたいだ。アイドルなんていないけど。ヘッドライトに見蕩れて轢かれる鹿になりたい。誘導棒と反射テープが俺の命を守ってくれる頼りがいのある相棒である。
「お疲れさーん!」
この声を聞くことができる仕事終わりが、一日の中で最も気持ちが高ぶる瞬間。そして、達成感と疲労感に包まれて、頭ん中がスーッと真っ白になる。鈍痛がする。脳内の細胞がプチプチと潰れて死んでいく。緊張の糸が途切れて、足取りがおぼつかなくなっていることで、想像以上の疲れがあることに気づく。何もないところで、つまづきすぎて笑う。テンションが上がってんだから、笑っちゃうのはしょうがねえな。勢いと空元気で車に乗り込んだ次の瞬間、全身の力が抜けた人形のように落ちた。頭で車の揺れを感じる。鈍痛に響く。笑う。あははっ、俺の人生すげえ幸せじゃん!なんて、馬鹿なことしか考えられない。思考を制限してくれる極度の疲労が好きだ。単純なことしか考えられなくなるから。
「酒ですか?飲みますぅ」
と酔っているように答えて、コンビニに寄った。けど、車が止まった瞬間、俺の身体も止まってしまったように動かない。ドアを開ける気力も力もたぶんないし、狸寝入りしてしまおうか、なんて、するかしないか考えていると、勝手にドアが開いて、本当はヒロさんが開けてくれたんだけど、ドアに乗せていた頭が落ちて、そのまま頭から駐車場に落ちそうだった。シートベルトがあったから良かったものの、心臓に悪い。いや、別に俺の扱いなんてゴミと同じでいいんだけど。
「悪ぃ、寝てたか?」
とまったく悪びれる様子もなくヒロさんが笑うので、無理やりにでも起こしにかかったんだと察した。
「いいえ、起きてました」
と無意味に目を擦りながら、不貞腐れたように言った。いや、別にいいんだけど。足が重かったし、ふらついた。車止めにつまづいた。暗がりの中のコンビニの明かりは、スマホと車のヘッドライトの中間だと思った。瞼も重かったので、それぐらいの明かりで目覚めさせてくれるのは有難い。店内に入ると度数九パーセントのストロングチューハイを迷わず手に取って、サッとレジに通す。慣れた手つきで薬物の購入する人みたいだ。車に戻ってまた寝ようとすると、ツマミを選んでいるヒロさんに捕まった。
「テン、ツマミいらねえのか?」
俺の肩を肘置きにしながら、既に何個か手に持っているのにも関わらず、そう尋ねてきた。
「ああ、ツマミはあんま食わないっすね。俺、酔ったらすぐに寝ちゃうんで」
「なんだよそれ、つまんねえ」
と言いながらも、「これは?」と何故か俺のツマミの好みを探られた。帰する所、マカダミアナッツチョコレートが好きなのがバレた。
「お疲れさーん!」
この声を聞くことができる仕事終わりが、一日の中で最も気持ちが高ぶる瞬間。そして、達成感と疲労感に包まれて、頭ん中がスーッと真っ白になる。鈍痛がする。脳内の細胞がプチプチと潰れて死んでいく。緊張の糸が途切れて、足取りがおぼつかなくなっていることで、想像以上の疲れがあることに気づく。何もないところで、つまづきすぎて笑う。テンションが上がってんだから、笑っちゃうのはしょうがねえな。勢いと空元気で車に乗り込んだ次の瞬間、全身の力が抜けた人形のように落ちた。頭で車の揺れを感じる。鈍痛に響く。笑う。あははっ、俺の人生すげえ幸せじゃん!なんて、馬鹿なことしか考えられない。思考を制限してくれる極度の疲労が好きだ。単純なことしか考えられなくなるから。
「酒ですか?飲みますぅ」
と酔っているように答えて、コンビニに寄った。けど、車が止まった瞬間、俺の身体も止まってしまったように動かない。ドアを開ける気力も力もたぶんないし、狸寝入りしてしまおうか、なんて、するかしないか考えていると、勝手にドアが開いて、本当はヒロさんが開けてくれたんだけど、ドアに乗せていた頭が落ちて、そのまま頭から駐車場に落ちそうだった。シートベルトがあったから良かったものの、心臓に悪い。いや、別に俺の扱いなんてゴミと同じでいいんだけど。
「悪ぃ、寝てたか?」
とまったく悪びれる様子もなくヒロさんが笑うので、無理やりにでも起こしにかかったんだと察した。
「いいえ、起きてました」
と無意味に目を擦りながら、不貞腐れたように言った。いや、別にいいんだけど。足が重かったし、ふらついた。車止めにつまづいた。暗がりの中のコンビニの明かりは、スマホと車のヘッドライトの中間だと思った。瞼も重かったので、それぐらいの明かりで目覚めさせてくれるのは有難い。店内に入ると度数九パーセントのストロングチューハイを迷わず手に取って、サッとレジに通す。慣れた手つきで薬物の購入する人みたいだ。車に戻ってまた寝ようとすると、ツマミを選んでいるヒロさんに捕まった。
「テン、ツマミいらねえのか?」
俺の肩を肘置きにしながら、既に何個か手に持っているのにも関わらず、そう尋ねてきた。
「ああ、ツマミはあんま食わないっすね。俺、酔ったらすぐに寝ちゃうんで」
「なんだよそれ、つまんねえ」
と言いながらも、「これは?」と何故か俺のツマミの好みを探られた。帰する所、マカダミアナッツチョコレートが好きなのがバレた。
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