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第七話 満月の廃市
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時間は真夜中にあと二分。
少しの欠けた所もない銀の円盤が、清浄な光でヒマラヤの峰々を照らし出していた。
「あの樹か?」
「そう、また派手な演出を考えたもんだな。
クロスますツリーかっての」
ポカラの街、ペワ湖のほとりにある元キャンプ場の端。
もっとも今はあたり一面藪なので、建物以外はもとが何かわからないが。
十字路に立つ、巨大な広葉樹は、大きな影を地面に落としていた。
おおらかに伸びた枝の先に、数えきれないほどの飾り灯篭が釣り下がっている。
どの枝にもどの枝にも、ゆらゆらと揺れて淡い光を放っていた。
小角達の忍んだ建物の陰からは、ちょうどその貴が正面に見る。
枝が風に揺らぐと、灯篭の光も揺らぐ、幻想的な光景がよく見えた。
「たしかに目立つよ、遠くからでも一目でわかるもんな。
これなら笑さんだって間違えようがない」
「尾鷹は?」
パトロール・プルバが、後ろから目だけ光らせて小角に囁く。
「さて、高僧とやらも、黒幕のシェルチャン氏も、全然姿が見えないけど…」
当の星野がいなければ助けられないではないか。
呪法を行うと言う話なのに、祭壇らしき物も見当たらない。
「妖魔は? 唱来てないか?」
そのまた後ろからハヌマンが遠慮もなく顔を出す。
「し、静かにしろよ、お前は唱の事以外考えられんのか?」
「そんなつまんない事考えらんないよ」
妖魔ハンターは、けろりとした顔で言った。
「唱」とはこのあたりの妖魔の首領的存在で、特に力が強いらしい。
ハヌマンの大のお気に入りで、長年付け狙っている。
小角の自殺した母親だという事がわかっても、態度は全く変わらない。
「もっと近寄れないかね」
小角達の隠れている場所からでは、大きな樹も藪に蛍がとまっているほどの大きさにしか見えない。
これでは何かあってもすぐに駆け付けられないのだ。
「せめて、あと半分は距離を縮めないと…」
「だめだよ、これ以上は。
湖まで何もないもの、この明るさじゃあ四方から丸見えだ」
「そうだなあ、でも樹に灯りがともってるってことは…。
誰か来たんだよなあ。いつもああなってるわけじゃないんだろう?」
小角が振り向くと、
「うん、あんなの初めて見た」
プルバが言った。一番目のいいハヌマンがじっと樹の下闇を見つめる。
「あそこ、何かいる」
「何か?」
「人間、樹の幹に…。あ、星野だ!」
「ええっ」
「ほら、あの低い枝の三番目の灯篭の下だ。
暗くなってて、ちょっと見づらいけど。
多分縛り付けられてるんだ」
「ああ、本当だ、微かに人間の形が見える」
プルバも目を凝らして言った。
「ええっ、俺見えないぜ」
「俺視力5.0あるもん」
ハヌマンは自慢そうな声を出した。
「3.5じゃそんなに役に立ちませんよねえ…」
プルバががっかりしたように言う。
「どうせ俺は1.5だよ、しかたないだろう。
ヒマラヤの山の中で育ったわけじゃないんだから。
これでも大和の中じゃ目のいいほうなんだぜ」
小角は視力に不便を感じた事はないが、ヒマラヤの山で仕事をしたら、そのくらいの視力は必須だろう。
「しっ、ほら、誰か…」
ハヌマンが指さす方向に振り向くと、ふわりと人の形をしたものが湖のほとりの藪の中から現れた。
「笑さん!」
道路から水面は見えない。
笑は水面すれすれに岩に乗って飛んできたのか。
地霊の加護を受けている妖魔は、土から出た者の上に乗ると飛べるのである。
または宝石のような物を身につけていてもおなじである。
それが一体どのような原理かは、人間である小角には謎のままだった。
「いかん、ハヌマン行くぞ」
小角はすかさずフライングマシーンを起動させた。
「おう」
後に二人の乗り物が続く。
「罠だ、逃げろ笑さん」
小角の声が届いたか、笑は微かに顔を上げてこちらを見た。
しかし、次の瞬間、鋭い空気を裂く音が静かな町に響き渡り、何かが、
どす、
と嫌な音を立てて、笑の体に当たった、見るとそれは一本の矢だ。
笑はぐらりと傾いてゆっくりと岩の上に倒れる。
同時に乗り手の石を失った岩が地響きを立てて地面に落ちた。
「笑さん!」
小角はマシーンから岩に飛び降り、彼女の体を抱え起こす。
背中から深々と赤い屋が突き刺さっている。
「畜生、誰だ、こんな事しやがって!」
小角は力任せに屋を引き抜こうとした。
たとえやが突き抜けていようと、刀できりさかれようと、妖魔である笑は居たくも痒くもない。
そして命に別状もない。
もともと死んでいるのだから、命に別状というのも変だが…。
「笑さん、笑さんっ!」
しかし矢はびくともしない、物理的問題以外に何かあるのか?
彼女は妖魔である、だから矢などものともしない…はずだ。
なのに、目を開かない。
何故だ? おかしいじゃないか。
では、これが例の呪法というやつか?
「笑さん!」
.やっぱりきれいだ、優しそうで誰よりもたおやかだ。
他人の恋人とわかっていても、小角は彼女を見ると、血が騒ぐのを止められない。
くすくすという笑い声が聞こえた。
大きな樹の枝に頑丈な鎖で吊り下げられた星野だった。
普通あんな姿勢でいたら肩が外れてしまうのだが、今は腰のあたりを別の枝に固定されている。
腕に別状はなさそうで、痛みも感じていなさそうだ。
問題は頭のほうか、と小角は思う。
「なにだよ馬鹿野郎、笑ってんじゃねえや」
クスリに侵されているというのは、鼠の話でわかってはいたが…。
「ちっ、だめだな、溶接してある、金属切りがいるな」
星野の戒めを解こうとしていたハヌマンが、諦めたような表情で言った。
「星野!ばかたれーっ、しっかりしろお!」
小角は腹が立って叫んだ。
とろん、と夢見るような表情で星野が小角を見返す。
そんな時でも彼は美しいのだった。
「えーい、腹の立つ! てめえのせいで、笑さんが…」
それ以上言葉が続かない。
笑はまんまと誘き出されたのだ。そして今は倒れて目を開かない。
「プルバ、俺のマシーンに万能カッターがある、そいつでやって見ろ!」
「よしきた」
小角のマシーンに移ったプルバを目の端にとらえながら、赤い矢を引き抜こうと再び力を込めた。
「無駄ですよ、その矢には呪がかかっているんです。
矢じりに呪文が彫り込んであってね。
抜いても矢じりだけは体内に残るから、もう彼女はわたしのものです」
樹の上から聞き覚えのあり声が降って来た。
相変わらず嫌味な声だ。
できれば永遠に効きたくない声だよ。
でも、どのみち黒幕は彼だとわかっていたのだ。
出て来るだろうと、覚悟はしていたとも。
「インドラ・シェルチャン…」
「そう、お前の悔しそうな顔が見られて、私は嬉しいですよ、パトロール小角」
馬鹿丁寧な言葉つきが一層嫌味ったらしい。
彼は上流階級のお坊ちゃまなのだ。
話し方は星野だって丁寧だけどな、小角は心の中で悪態をついた。
おめえみたいに大仰じゃねえよ。
「てめえは、何て事しやがるんだよ、恩知らず。
笑さんに助けられた事もあるくせに!」
「さあ、そうでしたっけ? けれど、妖魔は退治しなければならないんですよ」
細い目が一層細く、楽しそうに笑っている。
仇敵とも思う小角がうろたえて、我を忘れて 怒っているのが嬉しいのだろう。
「笑さんを解放しろ!」
小角が仕入れた情報の中には完全な妖魔操りの呪法はないという事だった。
恐らくどこかの寺でひっそりと歓声された術なのだろう。
小角は遂にその対処法を準備できないまま、今夜を迎えてしまったのだ。
時間は真夜中にあと二分。
少しの欠けた所もない銀の円盤が、清浄な光でヒマラヤの峰々を照らし出していた。
「あの樹か?」
「そう、また派手な演出を考えたもんだな。
クロスますツリーかっての」
ポカラの街、ペワ湖のほとりにある元キャンプ場の端。
もっとも今はあたり一面藪なので、建物以外はもとが何かわからないが。
十字路に立つ、巨大な広葉樹は、大きな影を地面に落としていた。
おおらかに伸びた枝の先に、数えきれないほどの飾り灯篭が釣り下がっている。
どの枝にもどの枝にも、ゆらゆらと揺れて淡い光を放っていた。
小角達の忍んだ建物の陰からは、ちょうどその貴が正面に見る。
枝が風に揺らぐと、灯篭の光も揺らぐ、幻想的な光景がよく見えた。
「たしかに目立つよ、遠くからでも一目でわかるもんな。
これなら笑さんだって間違えようがない」
「尾鷹は?」
パトロール・プルバが、後ろから目だけ光らせて小角に囁く。
「さて、高僧とやらも、黒幕のシェルチャン氏も、全然姿が見えないけど…」
当の星野がいなければ助けられないではないか。
呪法を行うと言う話なのに、祭壇らしき物も見当たらない。
「妖魔は? 唱来てないか?」
そのまた後ろからハヌマンが遠慮もなく顔を出す。
「し、静かにしろよ、お前は唱の事以外考えられんのか?」
「そんなつまんない事考えらんないよ」
妖魔ハンターは、けろりとした顔で言った。
「唱」とはこのあたりの妖魔の首領的存在で、特に力が強いらしい。
ハヌマンの大のお気に入りで、長年付け狙っている。
小角の自殺した母親だという事がわかっても、態度は全く変わらない。
「もっと近寄れないかね」
小角達の隠れている場所からでは、大きな樹も藪に蛍がとまっているほどの大きさにしか見えない。
これでは何かあってもすぐに駆け付けられないのだ。
「せめて、あと半分は距離を縮めないと…」
「だめだよ、これ以上は。
湖まで何もないもの、この明るさじゃあ四方から丸見えだ」
「そうだなあ、でも樹に灯りがともってるってことは…。
誰か来たんだよなあ。いつもああなってるわけじゃないんだろう?」
小角が振り向くと、
「うん、あんなの初めて見た」
プルバが言った。一番目のいいハヌマンがじっと樹の下闇を見つめる。
「あそこ、何かいる」
「何か?」
「人間、樹の幹に…。あ、星野だ!」
「ええっ」
「ほら、あの低い枝の三番目の灯篭の下だ。
暗くなってて、ちょっと見づらいけど。
多分縛り付けられてるんだ」
「ああ、本当だ、微かに人間の形が見える」
プルバも目を凝らして言った。
「ええっ、俺見えないぜ」
「俺視力5.0あるもん」
ハヌマンは自慢そうな声を出した。
「3.5じゃそんなに役に立ちませんよねえ…」
プルバががっかりしたように言う。
「どうせ俺は1.5だよ、しかたないだろう。
ヒマラヤの山の中で育ったわけじゃないんだから。
これでも大和の中じゃ目のいいほうなんだぜ」
小角は視力に不便を感じた事はないが、ヒマラヤの山で仕事をしたら、そのくらいの視力は必須だろう。
「しっ、ほら、誰か…」
ハヌマンが指さす方向に振り向くと、ふわりと人の形をしたものが湖のほとりの藪の中から現れた。
「笑さん!」
道路から水面は見えない。
笑は水面すれすれに岩に乗って飛んできたのか。
地霊の加護を受けている妖魔は、土から出た者の上に乗ると飛べるのである。
または宝石のような物を身につけていてもおなじである。
それが一体どのような原理かは、人間である小角には謎のままだった。
「いかん、ハヌマン行くぞ」
小角はすかさずフライングマシーンを起動させた。
「おう」
後に二人の乗り物が続く。
「罠だ、逃げろ笑さん」
小角の声が届いたか、笑は微かに顔を上げてこちらを見た。
しかし、次の瞬間、鋭い空気を裂く音が静かな町に響き渡り、何かが、
どす、
と嫌な音を立てて、笑の体に当たった、見るとそれは一本の矢だ。
笑はぐらりと傾いてゆっくりと岩の上に倒れる。
同時に乗り手の石を失った岩が地響きを立てて地面に落ちた。
「笑さん!」
小角はマシーンから岩に飛び降り、彼女の体を抱え起こす。
背中から深々と赤い屋が突き刺さっている。
「畜生、誰だ、こんな事しやがって!」
小角は力任せに屋を引き抜こうとした。
たとえやが突き抜けていようと、刀できりさかれようと、妖魔である笑は居たくも痒くもない。
そして命に別状もない。
もともと死んでいるのだから、命に別状というのも変だが…。
「笑さん、笑さんっ!」
しかし矢はびくともしない、物理的問題以外に何かあるのか?
彼女は妖魔である、だから矢などものともしない…はずだ。
なのに、目を開かない。
何故だ? おかしいじゃないか。
では、これが例の呪法というやつか?
「笑さん!」
.やっぱりきれいだ、優しそうで誰よりもたおやかだ。
他人の恋人とわかっていても、小角は彼女を見ると、血が騒ぐのを止められない。
くすくすという笑い声が聞こえた。
大きな樹の枝に頑丈な鎖で吊り下げられた星野だった。
普通あんな姿勢でいたら肩が外れてしまうのだが、今は腰のあたりを別の枝に固定されている。
腕に別状はなさそうで、痛みも感じていなさそうだ。
問題は頭のほうか、と小角は思う。
「なにだよ馬鹿野郎、笑ってんじゃねえや」
クスリに侵されているというのは、鼠の話でわかってはいたが…。
「ちっ、だめだな、溶接してある、金属切りがいるな」
星野の戒めを解こうとしていたハヌマンが、諦めたような表情で言った。
「星野!ばかたれーっ、しっかりしろお!」
小角は腹が立って叫んだ。
とろん、と夢見るような表情で星野が小角を見返す。
そんな時でも彼は美しいのだった。
「えーい、腹の立つ! てめえのせいで、笑さんが…」
それ以上言葉が続かない。
笑はまんまと誘き出されたのだ。そして今は倒れて目を開かない。
「プルバ、俺のマシーンに万能カッターがある、そいつでやって見ろ!」
「よしきた」
小角のマシーンに移ったプルバを目の端にとらえながら、赤い矢を引き抜こうと再び力を込めた。
「無駄ですよ、その矢には呪がかかっているんです。
矢じりに呪文が彫り込んであってね。
抜いても矢じりだけは体内に残るから、もう彼女はわたしのものです」
樹の上から聞き覚えのあり声が降って来た。
相変わらず嫌味な声だ。
できれば永遠に効きたくない声だよ。
でも、どのみち黒幕は彼だとわかっていたのだ。
出て来るだろうと、覚悟はしていたとも。
「インドラ・シェルチャン…」
「そう、お前の悔しそうな顔が見られて、私は嬉しいですよ、パトロール小角」
馬鹿丁寧な言葉つきが一層嫌味ったらしい。
彼は上流階級のお坊ちゃまなのだ。
話し方は星野だって丁寧だけどな、小角は心の中で悪態をついた。
おめえみたいに大仰じゃねえよ。
「てめえは、何て事しやがるんだよ、恩知らず。
笑さんに助けられた事もあるくせに!」
「さあ、そうでしたっけ? けれど、妖魔は退治しなければならないんですよ」
細い目が一層細く、楽しそうに笑っている。
仇敵とも思う小角がうろたえて、我を忘れて 怒っているのが嬉しいのだろう。
「笑さんを解放しろ!」
小角が仕入れた情報の中には完全な妖魔操りの呪法はないという事だった。
恐らくどこかの寺でひっそりと歓声された術なのだろう。
小角は遂にその対処法を準備できないまま、今夜を迎えてしまったのだ。
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