ロマンチック・トラップ

るっぴ

文字の大きさ
16 / 35

好きなもの・好きなこと

しおりを挟む
朝起きたとき、昨日のplayで使った首輪は外されていた。collarみたいで安心したのに、、少し寂しく思いながらふと目をやると柊さんは僕の隣で本を読んでいた。そういえば一人の時はいつも本を読んでいるような気がする。好きなのかな。寝起きでぱっとしない頭でそんなことを考える。

 「柊さん、」
 「蓮都、おはよう。」

 「おはよう、ございます。」
 「まだ寝てても大丈夫だよ。朝ご飯は一応用意できるけど。」
 「お、おきます。」
 「そう。」

立ち上がろうとすると、ふわっと浮遊感を感じた。気が付くと柊さんにお姫様抱っこされていた。
 
 「!」
 「昨日アフターケアが中途半端だったからね。」
 「お、おもいですよ、、」
 「羽のように軽いよ。」

息を吸うように否定された。そのままつむじにキスを落とされる。
お姫様抱っこなんて人生初かもしれない。ちゃんとつかまってないと落ちそうで、柊さんの服の裾をぎゅっとつかんだ。リビングまでそのまま移動すると、ソファーに座らされた。

 「ちょっと待っててね。」
そう言って柊さんはキッチンのほうへ移って朝ご飯を作っている。そういえば、昨日playしたんだよね、。途中から記憶がぼんやりとしかないけど、何かやらかしたような気がしなくもない。変なこと言ってない、、よね?

   「柊さん、僕変なこと言ってませんでした?」

朝ご飯をお盆に乗せて持ってきた柊さんに聞いてみた。

 「ううん?、かわいかったよ。」
 「ほ、ほんと、、?」
 「もちろん。」
 なぜだかとてもにっこにこで自信満々にそういわれた。まあ、言ってないならいいんだ。お礼を言って食べ始めようとすると、柊さんはお盆を二つとも自分のほうへ置いた。

 「蓮都、口開けて。」
 「えっ」
 「Open開けて

弱めのglareを出され、そういわれる。急でよくわからなかったけど、体はそうするのが当たり前かのように口を開けていた。今までと違って柊さんの声を聴いても、逆らおうなんて考えは全く浮かばない。むしろ逆らおうと考えたとしても柊さんには逆らえないだろう。きっと。

 「いいこ。」
柊さんは一口分のご飯をよそって、僕の口へ運び込む。
 「しゅうさん、一人でも食べられます、。」
全然嫌なわけではないが、まるで幼児にするかのようなその食べさせ方に、恥ずかしさが限界を達してそう言った。
 「言ったでしょ、これもアフターケアの一環だよ。僕も満たされているんだ。もう少しだけ付き合ってくれる?」

 柊さんもこれで満たされているのかぁ、、。それなら、すこし、いやだいぶ恥ずかしいけどやるしかない。そう思ってこくりとうなずく。柊さんは嬉しそうにありがとうと言ってその行為は食べ終わるまで続けられた。

 たった数回playをしただけなのに今までにないほどに体が軽い。ほんとに柊さんは痛いことをしないって約束を守ってくれている。しかも甘やかされてばかりで、こんなのでいいのかな、Subって。全然頑張ってなかったけど、、
 
 「蓮都は、好きなものとかある?」
 「え?」

あまりに突然の質問に疑問符が頭によぎる。

 「出会いも唐突だったのに、パートナーになるまで早かったでしょ?蓮都のことがもっと知りたいんだ。」
確かに。互いのことを深く知らないでplayしていたから。それにしても、すきなもの、かぁ。
 
 「ふわふわした、、手触りのいいものが好きです。」
 「クッションとか?」
 「そうですね、。触っていると安心するから、、。柊さんは、好きなものあるんですか?」
 「そうだなぁ、、あ、本は好きだよ。それと、最近はカフェ巡りにハマっているんだ。」

柊さんは楽しそうに話していて、自分の主人パートナーがうれしそうだと、僕も自然に笑顔になる。

 「あ、そういえばお店は今日は大丈夫なんですか?」
 「店は午後から営業することになっているから、ゆくっりしてて。」
 「僕、何か手伝えることありませんか?」
 「うーん、特にはないけど、お店に立ってみる?そんなに難しいことはしないし。」
 「!、したいです!」

家に泊めてもらって、ご飯も作ってもらって、手持無沙汰だったからできることがあるのはうれしくて勢い余って返事をしてしまった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

世界で一番優しいKNEELをあなたに

珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。 Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。 抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。 しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。 ※Dom/Subユニバース独自設定有り ※やんわりモブレ有り ※Usual✕Sub ※ダイナミクスの変異あり

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】俺だけの○○ ~愛されたがりのSubの話~

Senn
BL
俺だけに命令コマンドして欲しい 俺だけに命令して欲しい 俺の全てをあげるから 俺以外を見ないで欲しい 俺だけを愛して……… Subである俺にはすぎる願いだってことなんか分かっている、 でも、、浅ましくも欲張りな俺は何度裏切られても望んでしまうんだ 俺だけを見て、俺だけを愛してくれる存在を Subにしては独占欲強めの主人公とそんな彼をかわいいなと溺愛するスパダリの話です! Dom/Subユニバース物ですが、知らなくても読むのに問題ないです! また、本編はピクシブ百科事典の概念を引用の元、作者独自の設定も入っております。 こんな感じなのか〜くらいの緩い雰囲気で楽しんで頂けると嬉しいです…!

不透明な君と。

pAp1Ko
BL
Dom/Subユニバースのお話。 Dom(美人、細い、色素薄め、一人称:僕、168cm) 柚岡璃華(ユズオカ リカ) × Sub(細マッチョ、眼鏡、口悪い、一人称:俺、180cm) 暈來希(ヒカサ ライキ) Subと診断されたがランクが高すぎて誰のcommandも効かず、周りからはNeutralまたは見た目からDomだと思われていた暈來希。 小柄で美人な容姿、色素の薄い外見からSubだと思われやすい高ランクのDom、柚岡璃華。 この二人が出会いパートナーになるまでのお話。 完結済み、5日間に分けて投稿。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

処理中です...