ロマンチック・トラップ

るっぴ

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壊れた自身 side??

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 私には、あの人のすべてを受け入れる力がなかった。

 きっかけは、不運にもバイト先が一緒だったことだ。あの色素の薄いセピアの瞳を見た瞬間、運命だと確信して疑わなかった。シフトもかぶることが多く、高ランクの私と同じ高ランクのあの人との関りはただでさえ多かったのだから、私はみるみるうちに彼に惹かれ、パートナーになるまでそこまで時間はかからなかった。

 調だった。ランクが同じおかげか、playは快楽を伴い、心地よく、強い依存性を持つものだった。彼だって少なくとも私のことを想ってくれていると、そう信じていた。


 高ランク同士のパートナーはお互いの独占欲が強く、playや触れ合いを強めるほど依存性は増すという。だから、お互いの行動には常に気を付けていたし、付き合いは順調だったと思う。
 だが、ある日、私のほうが失敗してしまったのだ。いつものようにバイトの終盤、一人でレジ締めをしていた時のことだった。普段は彼がいつも最後まで付き添ってくれていたのだが、あの日は用事があり、早上がりしてしまっていた。そして、Domの店長と二人きりだったことに、気づかなかったのだ。

 ランクの高いSubは、同じくランクの高いDomはもちろん、自分よりランクの低いDomも惹きつけてしまう厄介な体質だった。バイト終わりに近づいたころ、私は店長に突然glareを浴びせられ、なんとか逃げようとしたが腕を強い力でひねりあげられて身動きが取れなくなってしまった。

 その時、彼がすごい形相で飛び出してきたのだ。安心はしなかった。そこにあるのは恐怖と憎しみを抱いた一匹の猛獣Domだった。私はそこで気を失ってしまい、気が付いたら、病院のベッドの上にいた。
 
 後から聞いた話によると店長は彼のglareで精神にダメージを負い、まともに対話ができない状態にまで陥ってしまったそうだった。

 それでも、私は彼が来てくれたことに悦びを感じていた。もちろん彼に対する愛情も枯れていなかったし、変わらず交際を続けていけると思っていた。


 

 ――でも、お見舞いに来てくれた彼の瞳は私を映していなかった。


 『、、別れよう、僕は君では満たされない。』

 力のない声でそう言った。



 
 今思えば、そもそも私と彼との間にあったのは強い執着心だけであって、そこに愛や恋などというものはなかったのかもしれない。


 彼と別れたあの日からずっと、満たされない生活が続いていた。彼と出会う前はどのように暮らしていたか忘れるほど。

 本当に、ひどい人だ。

 処方された薬を飲み、仕事をし、食事をし、眠り、、、いっそdropでもすれば彼はもう一度こちらに来てくれるのかもしれない。何もかもめんどくさい。

 色が無くなっていく世界で、ただ彼の支配を求めていた。
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