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あなたの香り 4
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早くあのやさしい香りを堪能したかったのに、望むものが与えられないことに困惑して自室に逃げてきてしまった。柊さんが与えてくれた僕の部屋には簡素で、もう住み始めて時間がたつというのにベッドが一つと、クローゼットに服がぽつぽつとあるぐらい。
一日のほとんどを柊さんの部屋で過ごしていたから、それもそうだろう。
――それにしても、急に逃げるとか、感じ悪かったかな....。
さっきの行動を振り返り、閉めた扉の前でずるずると座り込む。正直柊さんの香りひとつでこんなに乱されてしまう自分にすこし驚いていた。
扉の外に耳を傾けると、誰かと話している様子だった。怒っているような声でさらにどっと心臓が音を鳴らした。今どんな顔をしているの?もしかして愛想が無かったことに怒ってたりする?
しばらくすると、ジャーとシャワーの音がした。お風呂に入ったのだろう。匂いが無理だったって事が伝わっちゃたのかもしれない。
「、、、、」
ずっと床に座っているのはあまりにも寒くて、置いていただけで全く使っていなかったベッドに入り目をつむった。
いつから寝ていたのか、目を開けたときに見えた空はもうだいぶ暗くなっていた。
起きようとすると、お腹に不思議な力がこもっているのに気付いた。何かと思って布団をまくって確かめると、腕でがっちり抱きしめられている。そして、あのいつもの柊さんの、穏やかな深いパチュリの香りがふわりと香った。驚いて振り返ると僕の隣に柊さんが眠っていて。
「.....っ!」
寝る前の不安定な感情はすべてかき消されたように、柊さんを抱きしめていた。
「ん...蓮都?」
「柊さん、、勝手に部屋逃げちゃってごめんなさい、、。」
勇気をだして吐いた言葉は想像していた自分の声よりも弱々しくて、ちゃんと聞こえているのかも分からないほど掠れた声だった。
本当はちゃんと目を合わせて謝るべきなのはわかっていた。でもまだ怒らせてしまったかどうかが気がかりだったのだ。
顔を見ることが出来ず、柊さんの胸に顔を埋めたまま謝罪の言葉を口にする。でも、いつもの香りが戻ってきたおかげで、眠る前まで感じていた孤独感や悲壮感は少ない。
「、、、」
返事が返ってこない。やはり怒らせてしまったかも、、。数秒の沈黙でも、涙が出そうなほど不安になった。
「あ、の、、」
もう一度謝ろうと口を開くと、さっきよりずっと強い力で抱きしめられる。
「ごめんね。謝るのは僕のほうだ。蓮都の心はまだ治りかけなんだ、すぐに不安定になると考慮していなかった。本当にごめん。」
まさか謝られるとは思っていなかった。びっくりして柊さんの顔を覗き込む。さみしいような、うれしいようなよく分からない顔だ。
「ぁ、、」
――glareだ。
ずっと与えられたいと望んでいた彼のglareと香りにひどく安堵して、ぽろぽろと涙がこぼれてくる。
「う”ぅ、、」
「お留守番出来て偉かったね。Good boy」
「ん、、、」
撫でようとしていた手にすりすりとすり寄る。いつもならこんなことしない、きっと柊さんをこまらせてしまうから。でもなぜか今日は歯止めがきかなかった。甘えたい。自分の主人に。
(もっと撫でて、もっと。)
理性がきかない頭で柊さんにくっつく。すると近くでふふ、と控えめに笑う声が聞こえる。
「今日はお詫びにたくさん甘えていいよ。」
甘えていいんだ、、ならいっかぁ、、。
僕は大好きな香りに包まれながら眠りに落ちた。
一日のほとんどを柊さんの部屋で過ごしていたから、それもそうだろう。
――それにしても、急に逃げるとか、感じ悪かったかな....。
さっきの行動を振り返り、閉めた扉の前でずるずると座り込む。正直柊さんの香りひとつでこんなに乱されてしまう自分にすこし驚いていた。
扉の外に耳を傾けると、誰かと話している様子だった。怒っているような声でさらにどっと心臓が音を鳴らした。今どんな顔をしているの?もしかして愛想が無かったことに怒ってたりする?
しばらくすると、ジャーとシャワーの音がした。お風呂に入ったのだろう。匂いが無理だったって事が伝わっちゃたのかもしれない。
「、、、、」
ずっと床に座っているのはあまりにも寒くて、置いていただけで全く使っていなかったベッドに入り目をつむった。
いつから寝ていたのか、目を開けたときに見えた空はもうだいぶ暗くなっていた。
起きようとすると、お腹に不思議な力がこもっているのに気付いた。何かと思って布団をまくって確かめると、腕でがっちり抱きしめられている。そして、あのいつもの柊さんの、穏やかな深いパチュリの香りがふわりと香った。驚いて振り返ると僕の隣に柊さんが眠っていて。
「.....っ!」
寝る前の不安定な感情はすべてかき消されたように、柊さんを抱きしめていた。
「ん...蓮都?」
「柊さん、、勝手に部屋逃げちゃってごめんなさい、、。」
勇気をだして吐いた言葉は想像していた自分の声よりも弱々しくて、ちゃんと聞こえているのかも分からないほど掠れた声だった。
本当はちゃんと目を合わせて謝るべきなのはわかっていた。でもまだ怒らせてしまったかどうかが気がかりだったのだ。
顔を見ることが出来ず、柊さんの胸に顔を埋めたまま謝罪の言葉を口にする。でも、いつもの香りが戻ってきたおかげで、眠る前まで感じていた孤独感や悲壮感は少ない。
「、、、」
返事が返ってこない。やはり怒らせてしまったかも、、。数秒の沈黙でも、涙が出そうなほど不安になった。
「あ、の、、」
もう一度謝ろうと口を開くと、さっきよりずっと強い力で抱きしめられる。
「ごめんね。謝るのは僕のほうだ。蓮都の心はまだ治りかけなんだ、すぐに不安定になると考慮していなかった。本当にごめん。」
まさか謝られるとは思っていなかった。びっくりして柊さんの顔を覗き込む。さみしいような、うれしいようなよく分からない顔だ。
「ぁ、、」
――glareだ。
ずっと与えられたいと望んでいた彼のglareと香りにひどく安堵して、ぽろぽろと涙がこぼれてくる。
「う”ぅ、、」
「お留守番出来て偉かったね。Good boy」
「ん、、、」
撫でようとしていた手にすりすりとすり寄る。いつもならこんなことしない、きっと柊さんをこまらせてしまうから。でもなぜか今日は歯止めがきかなかった。甘えたい。自分の主人に。
(もっと撫でて、もっと。)
理性がきかない頭で柊さんにくっつく。すると近くでふふ、と控えめに笑う声が聞こえる。
「今日はお詫びにたくさん甘えていいよ。」
甘えていいんだ、、ならいっかぁ、、。
僕は大好きな香りに包まれながら眠りに落ちた。
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