ロマンチック・トラップ

るっぴ

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来客 1

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 長いと感じていた冬休みもあと一週間に差し掛かった。僕はたまにお店のお手伝いをしながら日々を過ごしていた。でも、たまに少しだけしんどくなる時があって、柊さんは僕が少しでも疲れた様子を見せると、お店のお手伝いはさせてもらえなかった。

 柊さんの力になれなくて歯がゆい気持ちもあったけど、それよりちゃんと自分のことを見てくれていることがうれしくて仕方がなかった。そういう日は柊さんは早めにお店を切り上げて、ずっと僕のそばにいてくれるのだ。一緒にご飯を食べ、一緒のベッドで抱きしめて寝てくれた。
 これまでにないほどの温かい日々に、ずるずると浸っていった。


 「蓮都、今日は来客があるんだ。だからお店は休みだよ。」
 
 朝、お店の清掃の準備をしていた時に、そう言われた。来客?仁さんだろうか。今まで来客など少なかったから首を傾げた。

 「そうだね、、まぁ来れば分かるよ。」
 僕の様子を見て、柊さんは楽しそうにくすくすと笑っていた。





 

 お昼時、ピンポーンとチャイムが鳴った。

 「来たみたいだね、一緒に行こうか。」
 
 柊さんはそう言って僕の手を引き、扉を開けた。そこにいたのは、、前に診察してくれた福先生だった。

 「福先生!」

 「蓮都くん、久しぶりだねぇ」

 先生は白いひげを揺らしおおらかに笑った。
 
 (ん?でも、どうして福先生が柊さんの家に?)

 「家で診察をしてもらえる訪問診療のサービスがあったからね。頼んでみたんだ。」
 「そうなんだよ。蓮都君。お家のほうがリラックスできるしねぇ。」
 
 訪問診療、、そういうサービスがあること自体は知っていたが、初めて見たときにかなり値段がかかるため、選択肢に入れなかった記憶がある。いま診療に来ているということは、柊さんがその高額なお金を支払ったということだろう。 
 ちらりと柊さんを見ると、柊さんはさわやかな笑みを浮かべた。


―――――


 「――それだったら、抑制剤はいまの強さのままで様子を見ようか。」

 「はい、おねがいします!」
 「体重はどう?前より増えた?」
 「少しだけ増えました」

 「ならよかった。おいしいものたくさん食べて健康になるんだよ。あとはちゃんと寝ることだね。」
 「、、はい、、」

 柊さんの隣で問答を続けていると、だんだん眠くなってくる。まだ全然夜ってわけでもないんだけど、、。最近何もしていないのに眠くなることが増えてきていた。うとうとしていると、柊さんが頭を撫でてくれた。

 「眠い?」

 「はい、、すこしだけ、、。」
 「すまないねぇ、質問ばかりで疲れただろう。休んできたほうがいいよ。」

 申し訳なさそうに福先生が言った。謝るのは僕のほうだ。せっかく家まで来てもらったのに寝こけるなんて失礼だろう。

 「ご、ごめんなさい、、」
 「大丈夫、ベッドまで運ぶから。」

 そういって柊さんが僕のことを抱っこしてベッドがある部屋まで運ぼうとする。福先生がいる前で気恥ずかしいけど、あまりの眠気にそんなことを考える余裕はなくなっていて、揺られるうちに眠ってしまった。
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