わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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対面

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「それ、どんな技だよ?」

 見た感じは令嬢ってイメージそのものなのに、声と怠そうな言い方は振る舞いや表情とチグハグ過ぎて脳がパニックを起こす。

「何が?」

 半歩引いて微笑むように見える俺の目がおかしいのだろうか?

「そんな淑やかなご令嬢から聞こえるとは思えない声が聞こえんだけどな?」

 そもそも今の姿でさえあの鍛錬場で見たサフィナと同一人物とは思えない。

「あー、女がいつも着飾って微笑んでいるわけないでしょ?こんなのコルセットで締め付けて苦しいったらないし」

 フワリとドレスの裾を持ちつつ微笑んで言われて頬がヒクつく。

「そーいうもんか?」
「当たり前!これ着る時、引くほどギューギューよ?すぐにでもヒールも邪魔なドレスも脱いでコルセット外して大の字で寝っ転がりたいもの!」

 ちょっと食い気味な気もするくらいマジなんだとは理解はできた。

「そんなことしたら凄ぇだろーな」

 それがきっと鍛錬場での姿なんだろう。

「まぁ、そんなことしたらお父様なんて死んじゃうんじゃないかしら?」
「そんなにか……」

 俺自身、母さんはガキの頃から居なかったし、メイドは居るが直接関わることも少なかった。
 父さんとマニエル、あとはリックとエミリオがこの屋敷でのほとんどで、城に行って初めてリューラとロットル……そして、前王様と王妃様とリューラの妹のリティナに会う程度だったから。
 それに王妃様はリティナと部屋に居ることが多く話したこともあまりない。
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