わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

水ノ瀬 あおい

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変化

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 テーブルを挟んだ向こうに立つマニエルと目を合わせると目線が上を向くことになる。
 前はほぼ同じで僅かに俺の方が高かったのに!?

「兄さんもお帰りなさい」

 微笑むマニエルの顔つきも子供っぽさが抜けて大人びている気がした。

「あぁ」

 戸惑いながらも父さんに促されて俺たちも席に着く。

「びっくりしただろう?」

 父さんに軽く笑われて目をやると、マニエルは腕の関節を擦る。

「成長期らしくて常にミシミシと音を立てている気がします」

 その声も少し低くなっていた。
 俺はもう身長も伸びていなくて、声もそんなに変わらず、顔も中性的だと言われてしまうのに。

「成長に必要な痛みだな」

 父さんが笑うと、ちょうどリックたちが料理を運んでくる。

「できればもう少し痛みも和らいで欲しいですが」
「それでリティナ様に揉んでもらっていたと?」
「は!?」

 俺も思わず声が出てしまうと、マニエルはチラッと俺を見てから肩を竦めた。

「見られていました?」

 ペロッと舌を出すその仕草は昔と変わらない。
 だが……どういうことだ?

「あの東側の庭は人通りは少ないが城の中からよく見えるからやめておけ」

 言ってサラダを口にする父さんの発言も微妙に気になる。
 先王ともそうやって会う場所を?なんて変に勘繰りそうになってやめておいた。

「全く……うちの息子たちは何でこうも王家に関わるんだか」

 ため息を吐く父さんに突っ込んでいいのだろうか?
 まぁ、父さんは先王と、俺は現在の王であるリューラと。
 そして、マニエルまで王の妹であるリティナとなんて……もう笑うしかない。
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