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寂しい
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リューラから離れてディオー村に来て二ヶ月。
また集まった職人たちは精力的に作業に取り組んでくれて、予定より早く道路の整備は終了した。
宿も改装だけだったところは出来上がり、村の家に分かれて泊めてもらっていた連中もだいぶその宿で寝泊まりできるようになった。
「……不機嫌過ぎません?」
俺とエミリオはまだ領主の屋敷で世話になっていて、その部屋に入ってきたエミリオはサイドテーブルにティーセットを置く。
「うるせぇ」
書き上がった書類の束をペッと投げて俺はイスの背に凭れた。
目を閉じて深く息を吐く。
香ってきたフルーティーな香りで目を開けると、エミリオは書類を片付けてそっとカップを置いた。
一緒に出された皿の上には鮮やかなピンクのパウンドケーキ。
トロリとクリームが掛けられてそのピンクと白の色合いは美しかった。
「……これは?」
聞くと、エミリオは片付けを始めていた手を止めてこっちを向く。
「ジョン様はご存知ですか?」
「ジョン?……知らねぇ」
聞いたことがあるような気もするが、よくある名前で顔はいくつも浮かんでパッとは閃かない。
「ジョン・ブライアント。ブライアント伯爵の次子でこの北の……」
「あぁ!あのオレンジの髪の奴か!」
長期休みに入る前、一緒に飲んだ父さんと先王によってこの村に身を寄せることになった奴だ。
リューラとは同性同士であることもこいつらの話を聞いて和らいだのは事実。
もう一度ゆっくり話してみたい相手ではあった。
また集まった職人たちは精力的に作業に取り組んでくれて、予定より早く道路の整備は終了した。
宿も改装だけだったところは出来上がり、村の家に分かれて泊めてもらっていた連中もだいぶその宿で寝泊まりできるようになった。
「……不機嫌過ぎません?」
俺とエミリオはまだ領主の屋敷で世話になっていて、その部屋に入ってきたエミリオはサイドテーブルにティーセットを置く。
「うるせぇ」
書き上がった書類の束をペッと投げて俺はイスの背に凭れた。
目を閉じて深く息を吐く。
香ってきたフルーティーな香りで目を開けると、エミリオは書類を片付けてそっとカップを置いた。
一緒に出された皿の上には鮮やかなピンクのパウンドケーキ。
トロリとクリームが掛けられてそのピンクと白の色合いは美しかった。
「……これは?」
聞くと、エミリオは片付けを始めていた手を止めてこっちを向く。
「ジョン様はご存知ですか?」
「ジョン?……知らねぇ」
聞いたことがあるような気もするが、よくある名前で顔はいくつも浮かんでパッとは閃かない。
「ジョン・ブライアント。ブライアント伯爵の次子でこの北の……」
「あぁ!あのオレンジの髪の奴か!」
長期休みに入る前、一緒に飲んだ父さんと先王によってこの村に身を寄せることになった奴だ。
リューラとは同性同士であることもこいつらの話を聞いて和らいだのは事実。
もう一度ゆっくり話してみたい相手ではあった。
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