わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

寂しい

3

　リューラに抱き締められてもなかなか眠れず胸に擦り寄ると、リューラもそっと俺の額にキスを落としてくれた。

「このままサラを閉じ込めておけたらいいのにね」

　囁かれて唇を噛む。
　本当に閉じ込めて欲しい気もしてしまうが、そんなことをしたら大騒ぎだ。
　ディオー村の開発に関わる人数はパッと数えられないほどだし、開発が遅れればそれだけ村の整備も遅れることになる。
　あんなに素晴らしい自然と果物の加工技術がある村をそのまま国の外れにある寂れた村にはしたくない。
　それにリューラがあの宣言もした今、山の更に人が近寄らないような場所に隠れて住む人々も少しは生きやすくなるはずだ。
　急には無理でも少しずつ……その準備もしていきたい。

「サラ……」

　そっと髪を撫でられて顔を上げると、リューラは眉を少し下げて微笑んでいた。

「俺はいつもサラのことを想っているから……サラも俺のこと考えてくれたら嬉しい」

　キュンとしつつもフィッと顔を背ける。

「な、何言って……お前には大事な仕事いっぱい……」
「サラのこと、それだけ大事なんだよ」

　その胸を押してやると、リューラは上半身を起こして腕で逃げ場を塞いできた。
　上から覗き込まれて、リューラの肩から垂れた髪が俺の頬に触れる。
　
「狂いそうなくらい……愛してるよ」

　青い目にまつ毛が影を落とすのがやけに綺麗だ。
　見つめてしまうと鼻先にキスをされる。
　それがもどかしくて薄く唇を開くと、リューラは微笑んでそっと重ねてくれた。