溺愛Domの優しいコマンド

してみませんか？

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　たまに深谷先生からの視線は感じた。
　それでも話し掛けられることはなかったし、俺も気づかないフリをする。
　そして、毎日のように続いたテストも今日でラスト。
　明日からはプールで、天気も良さそうなことにホッとしていた。
　各学年、プール使用時間をもう一度確認して、補助の教員が授業とカブっていないかチェックする。
　今年、初めて体育科主任になってプール、運動会、縄跳び週間……特にそれらには気を遣いそうだ。
　とりあえず、大丈夫そうで一旦プール関連のものを片付けると、俺は集めたテストを開いた。
　採点をして明日は返却したら、三時間目のプールの前に着替えて俺は教室で着替える男子たちを三クラス分全部並ばせて連れて行かなければいけない。
　思い浮かぶヤンチャなメンバーの顔。
　要注意の児童たちをそれぞれ思い浮かべると一度ゆっくりと息を吐いた。すると、

「周防先生！明日のプールですが」

　タイミングよく教頭に声を掛けられて立ち上がる。
　瞬間にめまいを感じでガタンとイスを倒しそうになった。

「ちょっ!!大丈夫ですか!?」

　教頭の声は聞こえるのに反応ができない。
　頭痛も襲ってきて何とか机にしがみつく。

「周防先生っ!?」
「保健室！誰か深谷先生を呼んで！」

　色んな声は聞こえるのに返事さえできなくて、俺の意識はそこで途切れた。