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ダイナミクス診断
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二月になると六年生はダイナミクスの診断が始まる。
その説明会、医師の手配、打ち合わせ、診断の準備……どう見たって忙しそうなのに、更に熱を出す子も増えていて小走りする先生を何度見かけたか。
しかも、先生はこの地域のダイナミクス関連の担当も兼任しているため、近隣の学校に出掛けることも多い。
そのため、臨時の養護教諭も派遣されていたが、多忙な先生の姿を見ることさえできないのは少し寂しかった。
再び別々の車で出勤するようになって、無意識のうちに増えるため息。
「航生さん、今夜はプレイしましょうね?」
今朝そうやってキスはしてくれたが、不安が消えない。
寂しい……それはどうしたらいいのだろうか?
最近うちの学校で先生を見たのはいつか……を考えながら机に突っ伏す。
児童も居ない、先生方ももうみんな帰って俺だけになった職員室は恐いくらいに静かだ。
「……ダメだ。堕ちそう……」
「させません」
ゴンと机に頭をぶつけると、すぐにその机と俺の額の間に手を入れられて体も起こされた。
「あ、先生……」
名前を、といつも少し拗ねる先生もさすがに学校では言わずに俺の手を握る。
「寂しかったですか?」
聞かれて素直に頷くと、先生は微笑んだ。
「嬉しいって言ったら……怒りますか?」
「え?」
本当に嬉しそうなその顔を見てどう答えたらいいのかわからない。
その説明会、医師の手配、打ち合わせ、診断の準備……どう見たって忙しそうなのに、更に熱を出す子も増えていて小走りする先生を何度見かけたか。
しかも、先生はこの地域のダイナミクス関連の担当も兼任しているため、近隣の学校に出掛けることも多い。
そのため、臨時の養護教諭も派遣されていたが、多忙な先生の姿を見ることさえできないのは少し寂しかった。
再び別々の車で出勤するようになって、無意識のうちに増えるため息。
「航生さん、今夜はプレイしましょうね?」
今朝そうやってキスはしてくれたが、不安が消えない。
寂しい……それはどうしたらいいのだろうか?
最近うちの学校で先生を見たのはいつか……を考えながら机に突っ伏す。
児童も居ない、先生方ももうみんな帰って俺だけになった職員室は恐いくらいに静かだ。
「……ダメだ。堕ちそう……」
「させません」
ゴンと机に頭をぶつけると、すぐにその机と俺の額の間に手を入れられて体も起こされた。
「あ、先生……」
名前を、といつも少し拗ねる先生もさすがに学校では言わずに俺の手を握る。
「寂しかったですか?」
聞かれて素直に頷くと、先生は微笑んだ。
「嬉しいって言ったら……怒りますか?」
「え?」
本当に嬉しそうなその顔を見てどう答えたらいいのかわからない。
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