11 / 15
拾壱「死にたがりだった私」
しおりを挟む
拾壱「死にたがりだった私」
沢山の絵の具を自分の箱に入れて、入れて、箱がいっぱいになって、開いた頃には、その色は一つ一つわからない、でも外には出る。涙は出るし、イライラもする、無性に腹立って、胸がきゅってなるの。
真っ黒の絵の具は水で流すの。
何回も繰り返すとさ、箱は、漏れやすくなったり、蓋は開きやすくなる。
補修はするんだけどね。
元々の形じゃない。
だから、そこは穴が空きやすくなったりする。
治すのも、ボロボロになる箱を見るのも嫌で、箱を洗う度に、水じゃ落ちないほどに染まったり、手は絵の具で染まる。染まったところから、放置すると痛んだり、腐り始めちゃう。箱を治して、私も治すの、疲れたよ。
「死にたいな」
そう言った。
「わたしが変わりになってあげるよ」
そのこころから人形が生まれた。
新しい箱を持って、私の事を見て、聞いていた人形はいつしか、私を忘れた。
私も本物を忘れた。
人形は死にたがりだった。
ずっと死にたいって思ってた。
首を絞めて死のうとした。
薬をいっぱい飲んで死のうとした。
自分の壊れた心を癒したかった。
出来なかった、辛かった、苦しかった。
自分を救うには、死ぬしかないって思ってた。
死にたいって、死にたいって、思ってた。
でも、途中からなんで死にたいのか、わからなくなった。
いじめられてたからかな?
自分が嫌いだったからかな?
辛い時に泣けばよかった。喚けばよかった。
なのに、その時は飲み込んで、それがなんでそう思ったのかわからなくなってから泣くの。本物と一緒。
目を覚ました本物は笑ってる。
とある方向を見ながらニコニコしてるの。
そっちには鏡がある。
向こう側ではお母さんが泣いていた。
「死んでほしくないと」
ずっと無視してた言葉。
人形が死にたいからと、いらないと言った言葉。
本物は人形に向かって言う。
「あなたはわたし。わたしもあなた。死にたいと思ったから生まれたあなたは本当に死にたい?」
そう聞いてくる。
人形はどうしたいのかな。
「死にたいって思ったから生まれたの、人形は死ぬために生まれたの」
「そうかな?本当にそうなの?じゃぁ、なんであなたは今、生きてるの?」
「邪魔されたから」
「ううん、違うよ、生きたいから、笑いたいからだよ。」
「そんな訳無い!人形は死にたいんだ!」
「違うことはないよ。死ねるチャンスはいくらでもあったよ、認めたくないよね。だって自分の生まれを否定しちゃうから、変わるのは怖い、怖いから逃げたい」
「言わないで」
「ほら逃げる。」
「本物に何がわかるの!?」
「わかるよ、私だから、痛いのは怖い、怖いから逃げたい、傷付きたくないから本物は人形を作ったの、見たくないから、眠ったの。けど、ずっと痛いの、苦しいの」
本物は泣きそうな顔で笑う。
「傷付きたくないって言うよりもさ、笑いたかったんだよ。死にたいって思わなかったことはないよ、でもね、楽しさから辛さに落ちるのが嫌だからって、楽しさを隠すのはもうやめよう?」
「でも人形は?消えたくないよ、死にたい私が人形なんだよ!?」
「『あなたはわたし、わたしはあなた』だよ。消えるんじゃないよ、一つに戻るだけ、本物も人形もないんだよ、どれもわたしだから、今のあなたはどうしたい?生まれた理由はどうでもいいじゃない」
「生きたい、笑いたいよぅ」
ポロポロとわたしの目から涙が溢れる。
「今は死にたくないよ」
二人は光に包まれて、一人に戻った。もうどちらか、区別する必要はない。
「私はわたし、わたしは私」
もう、箱に詰めるのはやめようかなぁ。
したいことはしたいと言おう!
嫌なことは嫌と言おう!
好きなことは好きと言おう!
まぁ、言っては駄目なときはあるだろうけど、出来るだけ変に我慢しないようにしよう!
私はそう思うのたった。
如何だったでしょうか?
これは死にたいと思っていた少女が生きたいと思う物語。
一つ自分を決めてしまうと、それを変えることは前の自分を否定することにもなってしまう。そう言う気持ちがまた、自分の首を締める。何かを決めて、それに向かって突き進むのは良いことでしょうが、物事を決めすぎてしまうと、結果的に首を締める事になってしまうのかもしれません。周りに縛られることはありますが、自分に縛られるのもよくあるのではないでしょうか?周りに縛られてると思っていたら実は自分に縛られてる、なんてこともあるのかもしれませんね。
沢山の絵の具を自分の箱に入れて、入れて、箱がいっぱいになって、開いた頃には、その色は一つ一つわからない、でも外には出る。涙は出るし、イライラもする、無性に腹立って、胸がきゅってなるの。
真っ黒の絵の具は水で流すの。
何回も繰り返すとさ、箱は、漏れやすくなったり、蓋は開きやすくなる。
補修はするんだけどね。
元々の形じゃない。
だから、そこは穴が空きやすくなったりする。
治すのも、ボロボロになる箱を見るのも嫌で、箱を洗う度に、水じゃ落ちないほどに染まったり、手は絵の具で染まる。染まったところから、放置すると痛んだり、腐り始めちゃう。箱を治して、私も治すの、疲れたよ。
「死にたいな」
そう言った。
「わたしが変わりになってあげるよ」
そのこころから人形が生まれた。
新しい箱を持って、私の事を見て、聞いていた人形はいつしか、私を忘れた。
私も本物を忘れた。
人形は死にたがりだった。
ずっと死にたいって思ってた。
首を絞めて死のうとした。
薬をいっぱい飲んで死のうとした。
自分の壊れた心を癒したかった。
出来なかった、辛かった、苦しかった。
自分を救うには、死ぬしかないって思ってた。
死にたいって、死にたいって、思ってた。
でも、途中からなんで死にたいのか、わからなくなった。
いじめられてたからかな?
自分が嫌いだったからかな?
辛い時に泣けばよかった。喚けばよかった。
なのに、その時は飲み込んで、それがなんでそう思ったのかわからなくなってから泣くの。本物と一緒。
目を覚ました本物は笑ってる。
とある方向を見ながらニコニコしてるの。
そっちには鏡がある。
向こう側ではお母さんが泣いていた。
「死んでほしくないと」
ずっと無視してた言葉。
人形が死にたいからと、いらないと言った言葉。
本物は人形に向かって言う。
「あなたはわたし。わたしもあなた。死にたいと思ったから生まれたあなたは本当に死にたい?」
そう聞いてくる。
人形はどうしたいのかな。
「死にたいって思ったから生まれたの、人形は死ぬために生まれたの」
「そうかな?本当にそうなの?じゃぁ、なんであなたは今、生きてるの?」
「邪魔されたから」
「ううん、違うよ、生きたいから、笑いたいからだよ。」
「そんな訳無い!人形は死にたいんだ!」
「違うことはないよ。死ねるチャンスはいくらでもあったよ、認めたくないよね。だって自分の生まれを否定しちゃうから、変わるのは怖い、怖いから逃げたい」
「言わないで」
「ほら逃げる。」
「本物に何がわかるの!?」
「わかるよ、私だから、痛いのは怖い、怖いから逃げたい、傷付きたくないから本物は人形を作ったの、見たくないから、眠ったの。けど、ずっと痛いの、苦しいの」
本物は泣きそうな顔で笑う。
「傷付きたくないって言うよりもさ、笑いたかったんだよ。死にたいって思わなかったことはないよ、でもね、楽しさから辛さに落ちるのが嫌だからって、楽しさを隠すのはもうやめよう?」
「でも人形は?消えたくないよ、死にたい私が人形なんだよ!?」
「『あなたはわたし、わたしはあなた』だよ。消えるんじゃないよ、一つに戻るだけ、本物も人形もないんだよ、どれもわたしだから、今のあなたはどうしたい?生まれた理由はどうでもいいじゃない」
「生きたい、笑いたいよぅ」
ポロポロとわたしの目から涙が溢れる。
「今は死にたくないよ」
二人は光に包まれて、一人に戻った。もうどちらか、区別する必要はない。
「私はわたし、わたしは私」
もう、箱に詰めるのはやめようかなぁ。
したいことはしたいと言おう!
嫌なことは嫌と言おう!
好きなことは好きと言おう!
まぁ、言っては駄目なときはあるだろうけど、出来るだけ変に我慢しないようにしよう!
私はそう思うのたった。
如何だったでしょうか?
これは死にたいと思っていた少女が生きたいと思う物語。
一つ自分を決めてしまうと、それを変えることは前の自分を否定することにもなってしまう。そう言う気持ちがまた、自分の首を締める。何かを決めて、それに向かって突き進むのは良いことでしょうが、物事を決めすぎてしまうと、結果的に首を締める事になってしまうのかもしれません。周りに縛られることはありますが、自分に縛られるのもよくあるのではないでしょうか?周りに縛られてると思っていたら実は自分に縛られてる、なんてこともあるのかもしれませんね。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる