私達の物語

歌魅音娘-utamineko-

文字の大きさ
12 / 15

拾弐「小さな劣等感・改『壱』」

しおりを挟む
拾弐「小さな劣等感・改『壱』」
 
 
 
 私には、五つ程離れた姉がいます。
姉は小さな頃から、自分も幼いと言うのに、仕事ばかりの両親に変わり、私のお世話をしてくれていました。
例えば、公園に連れて行ってくれたり、勉強を教えてくれたり、掃除洗濯などの家事を全てこなすのです。
保育園に行く時とかも、朝早く起きて、自分の小学校の準備と私の準備までしてくれた。
 悪い事をしたら叱って、良い事をしたら褒めてくれる。そんな姉が大好きで、私はいつも姉の後ろをついて回っていました。
 
 とても大好きで、素晴らしい自慢の姉に対して、嫉妬や劣等感を抱いていると感じ始めたのは、小学校高学年辺りからでした。
ずっと、姉について回っていて、だから自分のお友達、と言うものが居ませんでした。嫉妬や劣等感を抱き始めるまで、その事に気が付きませんでしたし、そんなのどうでもよかったのです。
特に悩んだり、落ち込んだりすることもないそれまでの人生だったのもあったけど、悩んだりしたら、母親より先に姉に聞くし、両親は揃って仕事ばかりなので、小さい頃に聞きに行った時
 
「「忙しいから後にして」」
 
と言い、仕事に行ってしまってからは、距離感が良くわからなくて両親に相談する事をしなくなりました。結果、姉にばかり相談するようになって、だから、姉に対する感情の悩みじゃなかったら、今回も姉に相談していたでしょう。
 
 学校で姉はとても優秀で美人で、そして、とても優しい人だから。卒業しても、先生達に覚えていてもらえる。知らない先生でも
 
〇〇姉の名前ちゃんの妹ちゃん」
 
と言います。
たったそれだけの事がなのです。
姉と比べられたわけでもない、姉の方が優秀で、妹は出来損ないだと悪口を言われた訳でもない。今まで、名前で呼ばれる機会が少なく、名前でなく、妹ちゃんと言われる事が多くて、他人の中で、【お姉ちゃんの妹】でしかなくて、【私】じゃない。
 その事実が私の心には深く深く突き刺さって、、それに気づいてしまってから、とても大好きだった姉に嫉妬や劣等感を抱くきっかけになってしまいました。
 それからと言えば何かと言って、自分と姉を比べては落ち込んで、姉を避けました。姉の側にいれば姉の妹でしかないから。それが嫌で嫌で仕方なかったのです。
 姉はとても悲しそうにしていたのが、今でもついこの間の事のように思い出せます。今思えば、普段ついて回っていた妹が急に無視し出して悲しかったのだろうと思えますが、、当時は自分が優越感を感じるための道具が居なくなったからとしか思えませんでした。そんな悪い人などではない事は自分が一番わかっていたはずだったのに、、、。

 
私はなんで褒めてもらえないのだと
姉はなぜそんなに褒めてもらえるのだと
私は思っていましたが、今思えば当たり前だと思います。
 
 
 だって私は努力しなかったから。
 
 
 勉強も運動も得意ではないし、器用でもない。
確かに姉より劣っていた。話しかけてもないのに話しかけてもらえるわけないのに、一人で、孤独だ、不幸だと、出来損ないだと、自分で比べては、努力したわけでもないのに、諦めて、自分が努力しない言い訳に、姉への劣等感を利用して、、
 
 何がしたかったんだろうね?
姉と自分の間にはとてつもない溝が開いてます。

「ああ、私はその溝を埋めることすら諦めた」
 
 今もバカだな、バカなだなと思いながら動こうとはしないのです。
 
 
 この物語は【小さな劣等感】の少し違ったお話。
 如何だったでしょうか??
この物語の少女は劣っていた少女。
その少女は諦めることを覚えてしまった。
後悔しても後悔しても、意味がない。
なぜって?
 それは努力しないからさ。
全部が全部、努力しないからではないでしょう。
ですが、後悔しても意味がないのです、動かなければ何も変わらない同じことの繰り返し、停滞です。
 愚かな行為だと理解していても、動くことはやめてしまったそんな少女のお話。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...