美少女かと思ったらおっさんで、イケメンかと思ったら仏像モドキで、異世界かと思ったら俺の家が異世界みたいになってた。

zoubutsu

文字の大きさ
4 / 1,279

悟りの境地

しおりを挟む
 「ワシは悪くない!」
 「うおお!びっくりした!おっさん誰?!」
 さっき迄、しおらしく泣いていた美少女が消え、おっさんにすり替わっていた。
 おっさんは、ご老公!とでも言われそうな見た目をしていて、和風っぽい服装をしている。
 本当に何処から湧いて出た?
 美少女は何処へ?

 「ワシはミナトだ…」
 「ミナト?え、あー、さっき言ってた1億年前に創られたっていう?と言うか、美少女は?」
 「美少女なんて、そんな…」
 「うわ!」
 おっさんがあっという間に、恥ずかしそうに照れる美少女にすり替わった。
 もしや。
 「同一人物か!」
 「転生した今の肉体が美少女…そうね美少女ね、うふふ…」
 「オーマイガッ」
 おっさんと美少女の間を揺れ動きながら、悦に浸っている。
 何がそんなに嬉しいんだ?

 「ふざけんな、おっさん!」
 「何だと。お前に俺の気持ちが分かるか!自分が甘えたいからってこんなおっさんにしやがって!しかも、自分の代わりに造物主になって欲しいと宣いおった!お陰で、おじいさんなのに、造物主より劣るなんて情けないとせっつかれ、造物主より優れていなければと…」
 ミナトは、ブルブル震えたかと思うと、剣を抜き放った。
 「ワシは悪くない!お前を殺して俺が造物主に成り変わるのだ!」
 ミナトは剣を振りかぶった。
 「死ねえええー!」

 「結界!」
 ーキィィン!
 ミナトの剣は直前で弾き飛ばされた。

 「クソおっ!」
 ミナトは悔しげに顔を歪めると、飛んで逃げ出した。

 「待てや、こらぁ!」
 俺も後を追って飛び上がる。
 どうなってるんだか分からないが、飛べているようだ。
 さっき適当に言った結界も、攻撃を防いでいたようだ。
 念じた通りになるってことか?

 「捕らえろ!」
 ロープみたいなものがミナトの身体に巻き付き、マナトは自分の方へ引き寄せた。
 
 「があああっ!」
 手足を縛られ、動けないミナトがマナトの腕に噛み付いて来た。

 指を滑らせ念じ、剣を出現させる。
 マナトは、ミナトの首を掴みあげると、縦横無尽に切り裂いた。
 ボロボロになったミナトが、尚も暴れ、血を吐く様に喚く。
 
 「ワシは完璧なんだ!人類に高い文明を与えて、巨大な建造物を創らせたのだ!ワシの偉大さを世界に知らしめた!」

 マナトは、ミナトの首を掴んだまま、地面に押し付けた。

 「生命はお前の玩具じゃないし、この世界はお前の玩具箱じゃない。」
 「ー!!」 
 その途端、ミナトが穏やかな笑みを見せて、すうっと消えた。

 「隙あり!」
 と、思ったらミナトに、後ろから切りつけられる。
 無えわ!隙なんか!
 ちょっとだけ痛かったけど!
 「何なんだよ?!」
 「…もういい。気が済んだ。」
 「何がしたいんだよ、お前は?!」
 「少し一人で考えたい…」
 「俺はこのまま放置かよ?!」
 「もうすぐ目が覚める。そうすれば、何かが変わる筈だ。」
 「何かって…」
 「…ずっと罪悪感で押しつぶされそうになりながら生きて来たんだ。お前に…貴方にずっと言えずにいた。きっと理解してはくれないだろうと。今生の貴方なら言ってもいい気がした。俺は貴方に叩き伏せて欲しかったのだと思う。」
 「そうだったのか…」
 「超古代文明を勝手に創ったこと、どう思う?」
 「あ?あー。よく分からんけど、失敗は成功の母とも言うし。一度失敗を経験したなら、もっといい世界になった筈だとか欲を持たなくていい。寧ろ、良かったんじゃないか。」
 「…ありがとう。」
 キラキラと美少女にすり替わる。
 「私、ずっと貴方にコンプレックスがあって、言えなくて辛かった。だから、若くて綺麗な外国人に転生したの。そうしないと自分のプライドを克服出来なかった。やっと言えて良かった。」
 にっこり微笑む美少女。

 「さようなら。」
 美少女の姿が薄れていく。

 え?
 これで終わり?
 嘘でしょ?

 「ちょっ…」

 
 ーパチリ
 目が覚めた。

 「疲れた…」
 何故か汗だくだ。
 全然寝た気がしない。
 今日休みで良かった。
 「風呂入ってもっかい寝よう。」

 着替えを持って風呂場に向かう。
 ーガチャリ

 「もう、風呂かの?今日は早いのう。」
 「…」
 ーバタン
 速攻で扉を閉める。

 俺の家の風呂に仏像モドキが居た。
 


 


 

 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...