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第七章 片翼の天使
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「ママ……」
ママは、ぎゅ、と私を抱きしめた。
「芹香……」
「お願い、藤崎さん。この子を……美優を、私から取り上げないで。この子がいなかったら、私……生きていけない。だから……!」
叫ぶようなママの声に、胸が痛くなる。それに、私だって、ママから離れるなんて考えられない。ママと一緒に、いたい。
そんな私たちを、藤崎さんはとても優しい目で見ていた。
「安心して。片翼では飛ぶことができないから、天界に行くことはできない。だから、彼女を連れて行くことはしないよ」
それを聞いて、ほ、としたようにママが息を吐いた。藤崎さんは、優しい目をしたまま続ける。
「ただ、こうなった以上、天界としても彼女の存在を無視することはできないだろう。そこで、提案がある」
「提案?」
「僕に、この子の指導をさせて欲しい」
私を抱きしめたまま、ママはきょとんとした顔になった。
「片翼とはいえ、美優は目覚めてしまった。実は、この一ヶ月ほどこっそりと美優のことを監視していたんだ。君に関係のある子供だと思ったから……美優、君は人の持つ闇が見えているね?」
「はい」
うなずいた私に、ママはいっぱいに目を見開いた。と、同じように、萌ちゃんも驚いた顔をして言った。
「闇って……美優ちゃん、それ、本当? 人の闇って、ある程度大きくなるまでは私にも見えないのに」
「え? そうなの」
「うん。見えていたら、もっと早く宮崎さんを見つけられていた。……というより、それが見えるのって、それこそ、上級天使様のクラスでないとできないのよ?」
「ええ? じゃ、なんで……?」
「……美優ちゃんが、大天使様の娘だから……?」
萌ちゃんは、呟くように言った。
「美優、いつからなの?」
「萌ちゃんが、転校しちゃった頃から……かな。黙っててごめんなさい」
ううん、とママは言うけど、かなりびっくりしたみたいだ。
「中途半端に天使の力を持つということは、とても危険なことだ。僕も片翼というのは初めてみるけれど……それでも、この子には見える力があり、闇をはらう力がある。このままでは、下手をすると力が暴走してしまうかもしれない。逆に、どんどんその力が弱くなって、翼も消えてただの人間になってしまうかもしれない。今の段階では、まったく予想がつかないんだ。美優」
藤崎さんは、ママを見ていたような優しい目で私をみつめた。
「これから、僕が君の天使としての力を安定するように指導していこうと思う。もちろん、その結果、君の力は天使には向かない、となる可能性もある。それはやってみなければわからないけれど……芹香、それまで、僕と彼女に美優の指導をさせて欲しい」
そう言って藤崎さんは、目で萌ちゃんを示した。萌ちゃんは笑って、ママにぺこりと頭をさげる。
「萌ちゃん……あなたも、天使だったの……」
「少しまずい状況になりそうだったのでね。あの闇を止めるために、この子たちに強い絆を持つ彼女を連れてこようと思って少し目を離したら、こんなことになっていた。近くにいたら美優にけがをさせることもなかったのに……本当にすまない。それと」
戸惑うママに、藤崎さんは微笑んだ。
「僕は、今でも芹香を愛しているよ。……子供がいたなんて、知らなかった。だから、君は僕の前から姿を消したのか」
は、とママは目を見開いてからうなだれてしまう。
ママは、ぎゅ、と私を抱きしめた。
「芹香……」
「お願い、藤崎さん。この子を……美優を、私から取り上げないで。この子がいなかったら、私……生きていけない。だから……!」
叫ぶようなママの声に、胸が痛くなる。それに、私だって、ママから離れるなんて考えられない。ママと一緒に、いたい。
そんな私たちを、藤崎さんはとても優しい目で見ていた。
「安心して。片翼では飛ぶことができないから、天界に行くことはできない。だから、彼女を連れて行くことはしないよ」
それを聞いて、ほ、としたようにママが息を吐いた。藤崎さんは、優しい目をしたまま続ける。
「ただ、こうなった以上、天界としても彼女の存在を無視することはできないだろう。そこで、提案がある」
「提案?」
「僕に、この子の指導をさせて欲しい」
私を抱きしめたまま、ママはきょとんとした顔になった。
「片翼とはいえ、美優は目覚めてしまった。実は、この一ヶ月ほどこっそりと美優のことを監視していたんだ。君に関係のある子供だと思ったから……美優、君は人の持つ闇が見えているね?」
「はい」
うなずいた私に、ママはいっぱいに目を見開いた。と、同じように、萌ちゃんも驚いた顔をして言った。
「闇って……美優ちゃん、それ、本当? 人の闇って、ある程度大きくなるまでは私にも見えないのに」
「え? そうなの」
「うん。見えていたら、もっと早く宮崎さんを見つけられていた。……というより、それが見えるのって、それこそ、上級天使様のクラスでないとできないのよ?」
「ええ? じゃ、なんで……?」
「……美優ちゃんが、大天使様の娘だから……?」
萌ちゃんは、呟くように言った。
「美優、いつからなの?」
「萌ちゃんが、転校しちゃった頃から……かな。黙っててごめんなさい」
ううん、とママは言うけど、かなりびっくりしたみたいだ。
「中途半端に天使の力を持つということは、とても危険なことだ。僕も片翼というのは初めてみるけれど……それでも、この子には見える力があり、闇をはらう力がある。このままでは、下手をすると力が暴走してしまうかもしれない。逆に、どんどんその力が弱くなって、翼も消えてただの人間になってしまうかもしれない。今の段階では、まったく予想がつかないんだ。美優」
藤崎さんは、ママを見ていたような優しい目で私をみつめた。
「これから、僕が君の天使としての力を安定するように指導していこうと思う。もちろん、その結果、君の力は天使には向かない、となる可能性もある。それはやってみなければわからないけれど……芹香、それまで、僕と彼女に美優の指導をさせて欲しい」
そう言って藤崎さんは、目で萌ちゃんを示した。萌ちゃんは笑って、ママにぺこりと頭をさげる。
「萌ちゃん……あなたも、天使だったの……」
「少しまずい状況になりそうだったのでね。あの闇を止めるために、この子たちに強い絆を持つ彼女を連れてこようと思って少し目を離したら、こんなことになっていた。近くにいたら美優にけがをさせることもなかったのに……本当にすまない。それと」
戸惑うママに、藤崎さんは微笑んだ。
「僕は、今でも芹香を愛しているよ。……子供がいたなんて、知らなかった。だから、君は僕の前から姿を消したのか」
は、とママは目を見開いてからうなだれてしまう。
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