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はじまり
第二話 case.ミハリア=ロシェティア
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ざっざっざっと土を踏み鳴らしながら、勢いよく脚を加速させる。
「待って待ってぇ!!」
「へっへ~んだ、ヘレナなんかには捕まらないよ~だ!」
「なぁに~!言ったね、サニー!絶対捕まえてやるんだから!」
10人ほどの少年少女が多大に分散しながら空に飛ぶ雲と野で並走を始める。
ハァハァッと息を切らしながらも無邪気に、楽しそうに駆け回る。
「つっかまえた!次サニーが鬼ね!」
「ちっきしょ~!捕まったかぁ。それじゃ次はベルだ!」
「えぇ~!!!」
止まってはまた動いて、止まってはまた動いて。
まるでこの世界で一番早いのは私たちだといわんばかりに駆け巡る子供たちの中に彼女はいた。
金髪のショートボブに青いリボン。
茶色のクリっとした目をした可憐な少女。
彼女の名前は―――
「ミーハ!そこだぁ!」
「きゃあ!もう、ジャスパー君危ないよ!」
「わりぃわりぃ。じゃあ次ミーハが鬼ね!」
ミハリア=ロシェティア。
友人からはミーハと呼ばれ、親しまれている。
14人の子供たちが住むその教会の中では4番目に年下の元気な女の子である。
彼女たちが鬼ごっこをしてる中、女性の声が響く。
「ほら皆、ご飯の時間よ。帰ってらっしゃい!」
「おい、ご飯だってよ。行こうぜ!」
「ったく、ミーハ速すぎんだろ。二分ももってねぇよ」
「ミーハちゃん、相変らず速いね」
子供たちは口々に、鬼ごっこの感想を言っていた。
そんな幸せな空間の最中、事件は起こった。
「―――っ!」
突然、ミハリアが地面へとなだれ込んだ。
頭を押さえ悶え苦しむ彼女。そんな様子を見て教会の修道女たちが駆け付け、部屋へと運ばれ始める。
「痛い、痛いよぉ!」
「落ち着いてミーハ、大丈夫よ。もう少しの辛抱だから」
――――――――――――
―――――――――
―――――
――
‐
その日から彼女の人生は変わった。
高熱に唸らされ3日間、生死の狭間で悶えていた。
熱も収まり、呼吸も落ち着いてきた3日目の午後5時。
窓から差し込む夕日の中、彼女の目は青く輝いていた。
その日、彼女の住むアウトーポス王国に魔王軍を名乗る謎の集団に襲撃される。
それは最早災害と名乗れるものであり、天気は黒雲に覆われ、最南の村には絶叫が響き渡っていたという。生存者は僅か二名という。
そんな日に彼女の目が変わった。
「ねぇ、見て」
「忌み子のミハリアよ」
「気持ち悪いわ」
廊下を歩けば、そんな陰口に彼女の心は次第に弱っていった。
そんな彼女にさらなる不幸が訪れる。
ヘレナ=ロットニアム
彼女はその区域で、貴族の娘として生まれていた。
最初こそはほかの子供たちとは関係なく、仲睦まじくしていた。
しかし、成長するにつれ、日に日に衰弱するミハリアに彼女の苛立ちをぶつけていた。
「へ、ヘレナちゃん……」
「フンッ、忌み子のくせに。気安く話しかけないで」
彼女に突き飛ばされ、廊下に倒れこむ。
だがあの時とは違い、だれも来てはくれなかった。
そんなある日だった。
3年という月日がたったある日のことである。
「ミハリア=ロシェティア!貴様は第二王女への多くの嫌がらせを実行し、あまつさえ彼女やその友人たちであるご令嬢たちを暗殺しようとしたとして、国家反逆罪で死刑とする!!」
彼女の名はミハリア。丘の上にある大きな協会に彼女は住んでいる。
辛くも健気に教会のシスターとして働いていた。
だが、彼女はこの瞬間、処されようとしていた。
「ま、待ってください!」
食堂に響く大声に、必死に言った一言。
だがその声はむなしくも、大声を上げた男には届かなかった。
その男の背後から高身の甲冑が現れる。
オッドアイの彼女の目に映る大男、片手には剣を握りしめ少女をただ見つめる。
少女は絶望した。
だが、世界を憎むことはしなかった。
自身が、理不尽な目に合っていることを受け入れ始めたその時
「君、名前は?」
まるで透き通った雪の結晶のような声が彼女の耳に届いた。
「……ミハリアです」
震える口で、彼女はそう答える。
皆と仲良しだったミハリア。ただの女の子のミハリア。そんな意味が込められた自己紹介だった。
「待って待ってぇ!!」
「へっへ~んだ、ヘレナなんかには捕まらないよ~だ!」
「なぁに~!言ったね、サニー!絶対捕まえてやるんだから!」
10人ほどの少年少女が多大に分散しながら空に飛ぶ雲と野で並走を始める。
ハァハァッと息を切らしながらも無邪気に、楽しそうに駆け回る。
「つっかまえた!次サニーが鬼ね!」
「ちっきしょ~!捕まったかぁ。それじゃ次はベルだ!」
「えぇ~!!!」
止まってはまた動いて、止まってはまた動いて。
まるでこの世界で一番早いのは私たちだといわんばかりに駆け巡る子供たちの中に彼女はいた。
金髪のショートボブに青いリボン。
茶色のクリっとした目をした可憐な少女。
彼女の名前は―――
「ミーハ!そこだぁ!」
「きゃあ!もう、ジャスパー君危ないよ!」
「わりぃわりぃ。じゃあ次ミーハが鬼ね!」
ミハリア=ロシェティア。
友人からはミーハと呼ばれ、親しまれている。
14人の子供たちが住むその教会の中では4番目に年下の元気な女の子である。
彼女たちが鬼ごっこをしてる中、女性の声が響く。
「ほら皆、ご飯の時間よ。帰ってらっしゃい!」
「おい、ご飯だってよ。行こうぜ!」
「ったく、ミーハ速すぎんだろ。二分ももってねぇよ」
「ミーハちゃん、相変らず速いね」
子供たちは口々に、鬼ごっこの感想を言っていた。
そんな幸せな空間の最中、事件は起こった。
「―――っ!」
突然、ミハリアが地面へとなだれ込んだ。
頭を押さえ悶え苦しむ彼女。そんな様子を見て教会の修道女たちが駆け付け、部屋へと運ばれ始める。
「痛い、痛いよぉ!」
「落ち着いてミーハ、大丈夫よ。もう少しの辛抱だから」
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その日から彼女の人生は変わった。
高熱に唸らされ3日間、生死の狭間で悶えていた。
熱も収まり、呼吸も落ち着いてきた3日目の午後5時。
窓から差し込む夕日の中、彼女の目は青く輝いていた。
その日、彼女の住むアウトーポス王国に魔王軍を名乗る謎の集団に襲撃される。
それは最早災害と名乗れるものであり、天気は黒雲に覆われ、最南の村には絶叫が響き渡っていたという。生存者は僅か二名という。
そんな日に彼女の目が変わった。
「ねぇ、見て」
「忌み子のミハリアよ」
「気持ち悪いわ」
廊下を歩けば、そんな陰口に彼女の心は次第に弱っていった。
そんな彼女にさらなる不幸が訪れる。
ヘレナ=ロットニアム
彼女はその区域で、貴族の娘として生まれていた。
最初こそはほかの子供たちとは関係なく、仲睦まじくしていた。
しかし、成長するにつれ、日に日に衰弱するミハリアに彼女の苛立ちをぶつけていた。
「へ、ヘレナちゃん……」
「フンッ、忌み子のくせに。気安く話しかけないで」
彼女に突き飛ばされ、廊下に倒れこむ。
だがあの時とは違い、だれも来てはくれなかった。
そんなある日だった。
3年という月日がたったある日のことである。
「ミハリア=ロシェティア!貴様は第二王女への多くの嫌がらせを実行し、あまつさえ彼女やその友人たちであるご令嬢たちを暗殺しようとしたとして、国家反逆罪で死刑とする!!」
彼女の名はミハリア。丘の上にある大きな協会に彼女は住んでいる。
辛くも健気に教会のシスターとして働いていた。
だが、彼女はこの瞬間、処されようとしていた。
「ま、待ってください!」
食堂に響く大声に、必死に言った一言。
だがその声はむなしくも、大声を上げた男には届かなかった。
その男の背後から高身の甲冑が現れる。
オッドアイの彼女の目に映る大男、片手には剣を握りしめ少女をただ見つめる。
少女は絶望した。
だが、世界を憎むことはしなかった。
自身が、理不尽な目に合っていることを受け入れ始めたその時
「君、名前は?」
まるで透き通った雪の結晶のような声が彼女の耳に届いた。
「……ミハリアです」
震える口で、彼女はそう答える。
皆と仲良しだったミハリア。ただの女の子のミハリア。そんな意味が込められた自己紹介だった。
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