衣夢々談(きぬむむだん) ――これはガチで死んだなと思ったら、夢にまで見た異世界でチート級超能力者だった。なお、

テジリ

文字の大きさ
43 / 121
毒杯

【自作】凶兆も吉兆🐦‍🔥 ⚠️放火は犯罪です⚠️

しおりを挟む
 名無しキッズの母は、父の沢山いる愛人の一人。
 名無しキッズは、父の沢山いる愛人子供の一人。
 木端役人である父からは、認知すら危うい。
 将来は良くて下人。悪くて途中で口減らし。

「ウーン、そんな変わらなくね😆?」

 名無しキッズは、考えた。
 名無しキッズは、母とは仲良し。
 名無しキッズは、何でも上手にこなした。

 母の話し相手、母の涙を拭う、母由来の要らないものの後始末を、
 24時間365日休みなくこなすのだ。

 お陰で名無しキッズは、
 相手の機嫌を読み取って、先回りするのが得意になった。

 しかし、母の世話など楽しくもなんともない。
 古代ヤングケアラーである名無しキッズにとって、
 母の気まぐれで口減らしを免れたーー
 唯一生きている弟が、
 娯楽であり、生きる張り合いの、すべてだった。

 ✶

 名無しキッズの世話にーー
 ちゃんと反応が返ってきた、幼児の弟はもう居ない。
 新生児の妹には、義務感しか感じられない。
 妹は毎日泣き喚く。
 母はウンザリだ、捨てて来いと命じる。

「そうだ😆! 使える俺が消えれば、
 母さんは妹を可愛がるしかなくなる♪」

 名無しキッズは、再び思いつく。
 先日、迷惑がられながら見て回った、
 日照り続きで……もはや、
 備蓄を年貢に放出する他ない里民の家々。

「里倉を燃やそう😆!
 蓄える場所が無ければ、年貢も取れない。
 放火は重罪だし、ちょうどいい♪」

 ✶

 名無しキッズは、母が怖いと言って、
 父・木端役人の屋敷に入り浸った。
 山に捨てるほど、
 沢山いる愛人子供の一員に混じり、
 夜中の散歩は欠かさず行った。

 名無しキッズは、犯罪機会を虎視眈々と伺う。
 見張りの気が緩む時間、
 台所からくすねた火打ち石、
 日照り続きで空気はカラカラ、
 里倉の木も乾燥しきっている。
 あとは、被害を最小限に食い止めるために、
 風のない真夜中を待つだけだ。

 ✶


 ――うわあ火が、火がーっ

 ――はよう消せ、ええい水はまだか、急がぬか

 ――日照り続きで雨水どころか井戸もからっからじゃあ、死にとうない

 ――待て、逃げるでない。戻らねば妻子もろとも罰するぞ

「父上、もはや手遅れです😆。延焼を防ぐため、他の里倉も打ち壊しましょう✨️」

 放火犯キッズは、最小限の放火で、最大の減税を達成した。
 放火犯キッズは、父からの覚えがめでたくなった。

 ✶

「おかしい。こんなはずでは……🙂」

 父は謎の失火を、賄賂と里いちばんの美人贈呈で誤魔化した。
 美人は、差し出された先で、
 父の上位者に不正を告発した。

「ふん、誰ぞ火をつけたとでも言うか。
 次は下手人をひっ捕らえて差し出すか」

 父の上位者・代吏(だいり)は、きっと公正明大に違いない!
 だって偉い人なのだから。
 放火犯キッズは、進んで自首。

 ✶

「代吏、その心配は無用でございます😆。
 火をつけたのは私ですから」

 父は唖然呆然。なんかいろいろ言ってきたが、
 放火犯キッズの脳内は、自首成功で頭がいっぱい。まったく耳に届かない。
 代吏は、放火犯キッズを尋問する。

「自首とは感心だが、証拠はあるのか」

「火事現場で一人だけ冷静でした😆。
 放火理由は、山で旱鬼(かんき)を見たからです!
 実際、こんにちに至るまで日照り続きなので、
 これはいよいよ旱魃が起きると確信しました✨️」

 放火犯キッズは目を輝かせながら、なおも話し続ける。
 父はもはや絶句した。

「まだ払えるからといって、
 種籾以外も納税すれば、備蓄が尽きてしまいます。

 飢饉を見越して減税すべきです。
 しかし、父上のお立場でそれは難しい。
 私は考えました。それなら不可抗力の状態を作れば良いのだと。

 旱鬼(かんき)が出たのは警告です。
 どんな災いでもーー
 備えて対処すれば未然に防げると思えば、
 むしろありがたい😆、
 凶兆もまた吉兆となります🐦‍🔥」






【小説イメージMV】

使用曲
修羅薔薇 てにをは様 作詞作曲 2024/6/25 youtubeに公開
スマホゲーム『#コンパス 戦闘摂理解析システム』のキャラクター、鬼ヶ式うら のテーマソング。


https://youtube.com/shorts/201zBtxjEUU?si=Agbcjq8ZRE4UmooQ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話

yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。 知らない生物、知らない植物、知らない言語。 何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。 臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。 いや、変わらなければならない。 ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。 彼女は後にこう呼ばれることになる。 「ドラゴンの魔女」と。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団体とは一切関係ありません。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~

けろ
ファンタジー
【完結済み】 仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!? 過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。 救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。 しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。 記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。 偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。 彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。 「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」 強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。 「菌?感染症?何の話だ?」 滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級! しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。 規格外の弟子と、人外の師匠。 二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。 これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。

わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います

あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。 化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。 所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。 親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。 そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。 実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。 おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。 そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

処理中です...