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不安
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あれからお店に帰り仕事に戻りお客様の相手をしつつも頭の中では先程みた未来のビジョンがグルグル回っていた。
休憩時間に入り休憩所で休んでいると誰かの足音が近づく音がした。
今は皆中に入ってる筈だけど…
入ってくるドアを見つめていると開かれ入って来たのはあくび混じりの蓮さんだった。
「蓮さん!?何で休憩所に来てるんですか!?接客中じゃ…」
「ん?ああ、豹に任せてきた」
「は?豹に任せたって豹はまだ入って間もない筈じゃ…」
「明じゃ約立たねぇから仕方なく俺のアシに入れてたら俺の客が豹の事気に入っちまってさ、んで丁度せなの事気になってたから任せて来たってわけだ」
「豹が気に入られるような要素なんて何処にあるんだ…?」
無愛想でホストのくせに女性客にはほぼ無関心なあいつが気にいられる要素なんてある筈ない!
「あー、何か無愛想で素っ気ねーからそこが気に入られたんだと」
「はぁ!?普通ホストならそんな態度相手にもされませんよ!」
「まぁ、女心は分からねーってやつだ 。気にすんな」
そう言うと星那の頭をわしゃわしゃ撫で満足したのか背伸びをしたまま端にある黒のソファに横たわる。
「んー、寝みぃ…」
「蓮さんは呑気でいいですね…普通なら客取られたら怒りますし嫉妬心ぐらい湧きますよ」
「別に俺は好き好んでナンバーワンになりたくてなったわけじゃねーし、後輩達がどんどん上に上がってくれるならその方が俺としちゃあ嬉しいね」
「欲ないですね」
「ははっ!ま、そうなるな」
「…じゃ 、俺仕事戻ります」
「あ、待て!今日はもう出るな」
「え?でもまだどんどんお客様だって増えるし、俺がいないと…」
「お前外から帰って来て様子変だぞ?身が入ってねぇっていうか仕事に集中出来てねぇ…そんなお前を仕事に入らせる許可はオーナーとして出来ない 」
「っ…」
この人には何もかもバレバレだ。
蓮の言葉に図星をさされドアに手をかけていた手が止まる。
「…すみませんでした」
「何かあったのか?」
未来の話なんて、もしくは自分の能力の事なんて言えるわけない。
「いえ、何でもないです。ただ気分が優れないだけです…」
「体調悪いのか…気づけず悪いな」
「そ、そんな!蓮さんが謝ることないです!ほんとに大したことないので気にしないでください!」
身振り手振りで慌てて否定する。
「だが、念の為早めに帰った方が良さそうだな。今日はもういいから着替えて帰れ!どのみち隆二に聞いたが早めに帰ることになってたわけだし丁度いいだろ」
「すみません、お言葉に甘えさせていただきます…」
若干申し訳なさが募るがこのまま身が入らないまま仕事をしても周りの同僚達や何よりお客様達を困らせてしまうのが目に見えてる。
「ああ、豹には接客が終わり次第お前が先に帰った事は伝えとくから心配するな」
出来れば伝えなくてもいいんだけど…
豹に関わるとろくな事にならないのは確かなわけで…まぁ、一番の理由はただ単に嫌いというどうしようもない理由だが…
「では、お疲れ様です…」
「ああ、気をつけて帰れよ!」
蓮さんに挨拶をし誰もいない誰も来ない更衣室で着替えを済ますと一目散に急いでアパートに向かった。
「今はまだ9時半前ギリギリ…間に合って!」
時計の針を見ながら路地を抜けていくとアパートがある付近で灰色の煙が上がっているのが見えた。
もしかして…火事!?
未来のビジョンが頭をちらつく中不安だけが募っていく。
…ウー!ウー!ウー!
だんだんと近づく消防車のサイレン音に足取りが速くなる。
アパートにたどり着くと乱れた呼吸も頭に入らずただただ目の前の現実を呆然と見る。
「アパートが…燃えてる」
休憩時間に入り休憩所で休んでいると誰かの足音が近づく音がした。
今は皆中に入ってる筈だけど…
入ってくるドアを見つめていると開かれ入って来たのはあくび混じりの蓮さんだった。
「蓮さん!?何で休憩所に来てるんですか!?接客中じゃ…」
「ん?ああ、豹に任せてきた」
「は?豹に任せたって豹はまだ入って間もない筈じゃ…」
「明じゃ約立たねぇから仕方なく俺のアシに入れてたら俺の客が豹の事気に入っちまってさ、んで丁度せなの事気になってたから任せて来たってわけだ」
「豹が気に入られるような要素なんて何処にあるんだ…?」
無愛想でホストのくせに女性客にはほぼ無関心なあいつが気にいられる要素なんてある筈ない!
「あー、何か無愛想で素っ気ねーからそこが気に入られたんだと」
「はぁ!?普通ホストならそんな態度相手にもされませんよ!」
「まぁ、女心は分からねーってやつだ 。気にすんな」
そう言うと星那の頭をわしゃわしゃ撫で満足したのか背伸びをしたまま端にある黒のソファに横たわる。
「んー、寝みぃ…」
「蓮さんは呑気でいいですね…普通なら客取られたら怒りますし嫉妬心ぐらい湧きますよ」
「別に俺は好き好んでナンバーワンになりたくてなったわけじゃねーし、後輩達がどんどん上に上がってくれるならその方が俺としちゃあ嬉しいね」
「欲ないですね」
「ははっ!ま、そうなるな」
「…じゃ 、俺仕事戻ります」
「あ、待て!今日はもう出るな」
「え?でもまだどんどんお客様だって増えるし、俺がいないと…」
「お前外から帰って来て様子変だぞ?身が入ってねぇっていうか仕事に集中出来てねぇ…そんなお前を仕事に入らせる許可はオーナーとして出来ない 」
「っ…」
この人には何もかもバレバレだ。
蓮の言葉に図星をさされドアに手をかけていた手が止まる。
「…すみませんでした」
「何かあったのか?」
未来の話なんて、もしくは自分の能力の事なんて言えるわけない。
「いえ、何でもないです。ただ気分が優れないだけです…」
「体調悪いのか…気づけず悪いな」
「そ、そんな!蓮さんが謝ることないです!ほんとに大したことないので気にしないでください!」
身振り手振りで慌てて否定する。
「だが、念の為早めに帰った方が良さそうだな。今日はもういいから着替えて帰れ!どのみち隆二に聞いたが早めに帰ることになってたわけだし丁度いいだろ」
「すみません、お言葉に甘えさせていただきます…」
若干申し訳なさが募るがこのまま身が入らないまま仕事をしても周りの同僚達や何よりお客様達を困らせてしまうのが目に見えてる。
「ああ、豹には接客が終わり次第お前が先に帰った事は伝えとくから心配するな」
出来れば伝えなくてもいいんだけど…
豹に関わるとろくな事にならないのは確かなわけで…まぁ、一番の理由はただ単に嫌いというどうしようもない理由だが…
「では、お疲れ様です…」
「ああ、気をつけて帰れよ!」
蓮さんに挨拶をし誰もいない誰も来ない更衣室で着替えを済ますと一目散に急いでアパートに向かった。
「今はまだ9時半前ギリギリ…間に合って!」
時計の針を見ながら路地を抜けていくとアパートがある付近で灰色の煙が上がっているのが見えた。
もしかして…火事!?
未来のビジョンが頭をちらつく中不安だけが募っていく。
…ウー!ウー!ウー!
だんだんと近づく消防車のサイレン音に足取りが速くなる。
アパートにたどり着くと乱れた呼吸も頭に入らずただただ目の前の現実を呆然と見る。
「アパートが…燃えてる」
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