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小さな亀裂
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いつもと違う通学路を歩いていると信号機付近で聞き覚えのある声が聞こえ振り向くとそこには明と妹であるひのちゃんの姿があった。
「もう!お兄ちゃん着いてこないでよ!」
「あのな、もし交通事故なんてなったらどうすんだよ?交差点までちゃんと兄ちゃんが見てなきゃ駄目だろ!」
「交通事故なんて注意してればそうそうならないよ!それより仕事で眠いはずなのにわざわざ朝から起きて妹の通学路いる方が間違ってる!」
「それは兄ちゃんのことを心配してるのか…?うぅ…優しいなひのは…」
「は?違うけど?それより早く帰って!邪魔!」
ドンッ
ひのは鞄を明にぶつけ遠ざけると丁度信号が青になり交差点を渡っていった。
ひのちゃんも大変だなぁ…
可愛い兄妹喧嘩を朝から拝見し再度道を歩き学校近くまでに差し掛かった時、後ろから物凄い勢いで走り名前を呼ぶ理沙が現れた。
「せ~な~~~~~~!!」
ドスッ!
「いっ…!」
物凄い勢いで飛びついてきた理沙のせいで倒れ込む形になると目の前の理沙はすぐに起き上がり肩を揺らす。
「星那!無事?怪我ない?平気?」
「う、うん大丈夫だから…揺らすのやめて…」
脳みそが揺れる…
「ご、ごめん!」
理沙はすぐに飛び退くと心底安堵した表情で半泣きだった涙を拭った。
「急にどうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ!アパートに行ったら燃えてるし!近所の人に聞いたら火事にあったっていうし!星那が心配で心配で…そこらじゅう走り回って探したんだからね!」
「ごめんね、連絡遅れて…でも、見ての通り私は全然平気だから大丈夫だよ?」
ほらというよに何ともないと両手を広げる。
「本当に…本当によかったよォォォ!!」
「あたたっ…」
再度勢いよく飛びつく理沙の体を優しく撫でる。
「詳しい事情は学校でちゃんと話すからまずここから離れよっか?」
周りをみるといつの間にか大勢の人の注目に浴びていた。
「うん、そうだね」
起き上がりその場から離れ学校に入っていき教室に入ると既に席に着いている豹の姿があった。
何で私より先に…?
クラスの人達に一通り挨拶を済ませ席に着くと隣で本を読む豹に声をかける。
「何で私より先にいるの?私より後に出たはずじゃ…」
「お前が寄り道してダラダラしてる間に来た」
「なっ…寄り道なんかしてないわよ!」
「じゃあ、走って来た」
じゃあって何だよ!絶対作り話だろうが!
「はぁ…もういい」
こいつと話してたら逆に疲れる…。
これ以上の反論は消耗するだけだと思い顔を背ける。
「………。」
何この間…?
急に喋らなくなった無言の間にうずうずし仕方なく再度豹に向かって口を開く。
「あのさ、その本何読んでるの?」
「嘘を上手くつく方法」
「は?そんなものなんの為に?」
「お前みたいに詐欺師になるために」
「はぁ!?私は詐欺師なんてものじゃないし、ましては嘘つきなんて…」
「ない!!私の消しゴム」
すると教室内にて一人の女子生徒の声が聞こえた。
「消しゴムぐらい無くしたっていいじゃない?」
「よくない!比留間くんから貰ったものなのに…」
どうやら彼女は好きな男の子から貰った消しゴムを無くしてしまったらしい。
「…またおこる」
無意識に呟かれた言葉はこの時自分でも意味は分からなかった。
「もう!お兄ちゃん着いてこないでよ!」
「あのな、もし交通事故なんてなったらどうすんだよ?交差点までちゃんと兄ちゃんが見てなきゃ駄目だろ!」
「交通事故なんて注意してればそうそうならないよ!それより仕事で眠いはずなのにわざわざ朝から起きて妹の通学路いる方が間違ってる!」
「それは兄ちゃんのことを心配してるのか…?うぅ…優しいなひのは…」
「は?違うけど?それより早く帰って!邪魔!」
ドンッ
ひのは鞄を明にぶつけ遠ざけると丁度信号が青になり交差点を渡っていった。
ひのちゃんも大変だなぁ…
可愛い兄妹喧嘩を朝から拝見し再度道を歩き学校近くまでに差し掛かった時、後ろから物凄い勢いで走り名前を呼ぶ理沙が現れた。
「せ~な~~~~~~!!」
ドスッ!
「いっ…!」
物凄い勢いで飛びついてきた理沙のせいで倒れ込む形になると目の前の理沙はすぐに起き上がり肩を揺らす。
「星那!無事?怪我ない?平気?」
「う、うん大丈夫だから…揺らすのやめて…」
脳みそが揺れる…
「ご、ごめん!」
理沙はすぐに飛び退くと心底安堵した表情で半泣きだった涙を拭った。
「急にどうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ!アパートに行ったら燃えてるし!近所の人に聞いたら火事にあったっていうし!星那が心配で心配で…そこらじゅう走り回って探したんだからね!」
「ごめんね、連絡遅れて…でも、見ての通り私は全然平気だから大丈夫だよ?」
ほらというよに何ともないと両手を広げる。
「本当に…本当によかったよォォォ!!」
「あたたっ…」
再度勢いよく飛びつく理沙の体を優しく撫でる。
「詳しい事情は学校でちゃんと話すからまずここから離れよっか?」
周りをみるといつの間にか大勢の人の注目に浴びていた。
「うん、そうだね」
起き上がりその場から離れ学校に入っていき教室に入ると既に席に着いている豹の姿があった。
何で私より先に…?
クラスの人達に一通り挨拶を済ませ席に着くと隣で本を読む豹に声をかける。
「何で私より先にいるの?私より後に出たはずじゃ…」
「お前が寄り道してダラダラしてる間に来た」
「なっ…寄り道なんかしてないわよ!」
「じゃあ、走って来た」
じゃあって何だよ!絶対作り話だろうが!
「はぁ…もういい」
こいつと話してたら逆に疲れる…。
これ以上の反論は消耗するだけだと思い顔を背ける。
「………。」
何この間…?
急に喋らなくなった無言の間にうずうずし仕方なく再度豹に向かって口を開く。
「あのさ、その本何読んでるの?」
「嘘を上手くつく方法」
「は?そんなものなんの為に?」
「お前みたいに詐欺師になるために」
「はぁ!?私は詐欺師なんてものじゃないし、ましては嘘つきなんて…」
「ない!!私の消しゴム」
すると教室内にて一人の女子生徒の声が聞こえた。
「消しゴムぐらい無くしたっていいじゃない?」
「よくない!比留間くんから貰ったものなのに…」
どうやら彼女は好きな男の子から貰った消しゴムを無くしてしまったらしい。
「…またおこる」
無意識に呟かれた言葉はこの時自分でも意味は分からなかった。
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