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真夜中の校舎
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深夜、静まり返る校舎の前に二人の男女の姿があった。
「…本当に行くのか?」
「いいからついてきて!」
星那と豹は懐中電灯と携帯を手にし目の前の校舎を見上げた。
*
時を少し戻し、仕事終わりの休憩室にて…
星那は、ポットに入ったお茶を湯呑みに注いでいると休憩室のドアが開き振り向くと豹の姿があった。
「あ、豹!丁度いいところに来た」
「は?」
「実は、ご相談があって…」
「断る」
「ちょっ、まだ何も言ってないじゃん!」
「急に敬語使うやつの話なんかろくな事にならない」
「うっ…そ、そんな事は…」
図星をさされしどろもどろになるがここで引き下がるわけにもいかず…
「実は、これから一緒学校に行ってほしくてさ…」
「学校?」
「うん、ちょっと忘れ物を取りに…」
「なら明日でもいいじゃん」
「そ、それは無理なんだよね…忘れ物って言っても今日中にやらなきゃいけない宿題ってやつでさ…」
お願い!騙されて!
苦し紛れの理由に心の中で必死に嘆願していると、それが通じたのか豹は面倒くさそうに溜息をつきながらも承諾する。
「はぁ…分かった。付き合ってやる」
「ありがとう~~~!」
「だが、早く帰るぞ。蓮さんが今日も遅く帰ってくるとは限らないからな」
「分かった、すぐ終わらせる」
よかった、承諾してくれて…
星那の本当の理由は別にあり、それは今日の昼に見た未来のビジョンと関係していた。
真夜中の学校に走る女子生徒、そしてその手に何かの袋…あともう一つ気がかりなのは男女の告白現場のような映像に、放課後に会った”比留間”という男子生徒の面影が重なった事だった。
もし比留間くんが関係しているなら、あの時木陰で隠れて見ていた女子生徒も何らかの形で関係している筈だし…とにかく、もう手遅れだとしても真夜中の学校に行ってみないことには何も掴めない。
まぁ、それを調べるにしても一人で充分だと普通は思うが星那にはどうしても豹についてきて欲しい理由があった。
お化けとか出ないよね…?
そうこれが豹がいる理由である。
絶対一人じゃ無理!夜の学校なんて怪奇現象なんて起きたら絶対気絶する!
要は、豹は道ずれにするための盾に過ぎなかった。
そして、時は現在に至る…
「豹!もっと手伸ばしてよ!」
「これで精一杯だ、自力で頑張れ」
そう言う豹の顔は精一杯という顔ではなくただ単に手をぶら下げたのと同じだった。
この~~~!
校門のフェンスのせいで星那だけ登れずにいたところ、軽々と登っていった豹に手を伸ばして引っ張ってもらおうとしたが案の定このざまである。
「えいやっ!」
思いっきり飛び跳ね手を伸ばし掴むと、掴んだ瞬間に勢いよく引っ張られあっというまにフェンスの上に登っていた。
凄い力…
思わぬ豹の腕力に驚いていると、自分の役目は終わったというようにすぐに下に降りて行った。
「ま、待って!」
トンッ
フェンス上からすぐさま降り豹の隣を歩く。
「やっぱり誰もいないね…」
静けさだけが残る学校に恐怖心が少しづつ湧きつつも隣に豹がいるためそれは若干抑えらた。
全部に鍵がかかってると思われたが、念の為に行った入口のドアは何故か空いていた。
やっぱり誰か中にいる…!
豹と星那は周りに警戒しつつ教室に向かって歩く。
*
教室に着くとまず自分の机内を見た。
何も変化はなしと…
異常は感じられず顔を上げると豹が廊下に向かって真剣な表情で見つめていた。
「どうしたの?」
「…誰か来る」
「え?」
耳を澄ますと足音がゆっくり近づいてくる音がした。
やばい…!
グイッ
こちらに向かってだんだん大きくなる足音にすかさず豹の手が伸び腕を掴まれるとそのまま廊下側の壁に引っ張りこまれ抱き締める形を取り片方の手は口元を塞がれる。
「んっ…!?」
「しっ!黙ってろ…」
すぐ耳元で豹の声がかかりその言葉と近づく足音に身体が硬直した。
「…本当に行くのか?」
「いいからついてきて!」
星那と豹は懐中電灯と携帯を手にし目の前の校舎を見上げた。
*
時を少し戻し、仕事終わりの休憩室にて…
星那は、ポットに入ったお茶を湯呑みに注いでいると休憩室のドアが開き振り向くと豹の姿があった。
「あ、豹!丁度いいところに来た」
「は?」
「実は、ご相談があって…」
「断る」
「ちょっ、まだ何も言ってないじゃん!」
「急に敬語使うやつの話なんかろくな事にならない」
「うっ…そ、そんな事は…」
図星をさされしどろもどろになるがここで引き下がるわけにもいかず…
「実は、これから一緒学校に行ってほしくてさ…」
「学校?」
「うん、ちょっと忘れ物を取りに…」
「なら明日でもいいじゃん」
「そ、それは無理なんだよね…忘れ物って言っても今日中にやらなきゃいけない宿題ってやつでさ…」
お願い!騙されて!
苦し紛れの理由に心の中で必死に嘆願していると、それが通じたのか豹は面倒くさそうに溜息をつきながらも承諾する。
「はぁ…分かった。付き合ってやる」
「ありがとう~~~!」
「だが、早く帰るぞ。蓮さんが今日も遅く帰ってくるとは限らないからな」
「分かった、すぐ終わらせる」
よかった、承諾してくれて…
星那の本当の理由は別にあり、それは今日の昼に見た未来のビジョンと関係していた。
真夜中の学校に走る女子生徒、そしてその手に何かの袋…あともう一つ気がかりなのは男女の告白現場のような映像に、放課後に会った”比留間”という男子生徒の面影が重なった事だった。
もし比留間くんが関係しているなら、あの時木陰で隠れて見ていた女子生徒も何らかの形で関係している筈だし…とにかく、もう手遅れだとしても真夜中の学校に行ってみないことには何も掴めない。
まぁ、それを調べるにしても一人で充分だと普通は思うが星那にはどうしても豹についてきて欲しい理由があった。
お化けとか出ないよね…?
そうこれが豹がいる理由である。
絶対一人じゃ無理!夜の学校なんて怪奇現象なんて起きたら絶対気絶する!
要は、豹は道ずれにするための盾に過ぎなかった。
そして、時は現在に至る…
「豹!もっと手伸ばしてよ!」
「これで精一杯だ、自力で頑張れ」
そう言う豹の顔は精一杯という顔ではなくただ単に手をぶら下げたのと同じだった。
この~~~!
校門のフェンスのせいで星那だけ登れずにいたところ、軽々と登っていった豹に手を伸ばして引っ張ってもらおうとしたが案の定このざまである。
「えいやっ!」
思いっきり飛び跳ね手を伸ばし掴むと、掴んだ瞬間に勢いよく引っ張られあっというまにフェンスの上に登っていた。
凄い力…
思わぬ豹の腕力に驚いていると、自分の役目は終わったというようにすぐに下に降りて行った。
「ま、待って!」
トンッ
フェンス上からすぐさま降り豹の隣を歩く。
「やっぱり誰もいないね…」
静けさだけが残る学校に恐怖心が少しづつ湧きつつも隣に豹がいるためそれは若干抑えらた。
全部に鍵がかかってると思われたが、念の為に行った入口のドアは何故か空いていた。
やっぱり誰か中にいる…!
豹と星那は周りに警戒しつつ教室に向かって歩く。
*
教室に着くとまず自分の机内を見た。
何も変化はなしと…
異常は感じられず顔を上げると豹が廊下に向かって真剣な表情で見つめていた。
「どうしたの?」
「…誰か来る」
「え?」
耳を澄ますと足音がゆっくり近づいてくる音がした。
やばい…!
グイッ
こちらに向かってだんだん大きくなる足音にすかさず豹の手が伸び腕を掴まれるとそのまま廊下側の壁に引っ張りこまれ抱き締める形を取り片方の手は口元を塞がれる。
「んっ…!?」
「しっ!黙ってろ…」
すぐ耳元で豹の声がかかりその言葉と近づく足音に身体が硬直した。
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